台湾の植物研究の先駆者2人に記念碑復元で敬意

台湾の植物研究の先駆者2人に記念碑復元で敬意

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 行政院農業委員会(日本の農水省に相当)林業試験所が9月30日、台北植物園(台湾北部・台北市)内の腊葉館オープン、並びに台湾における植物研究に卓越した貢献を果たしたフランス人神父、Urbain Jean Faurie氏と日本の早田文蔵氏の記念碑復元のセレモニーである、「植物探検 百年の栄光-台北植物園腊葉館及びFaurie、早田記念碑復元開幕式典」を行った。腊葉館は日本占領時代に植物の標本の保存施設として建設された。このほど古跡の再生計画によって修復され、教育や科学研究のワークショップを行う場として生まれ変わった。「腊葉」は押し葉のこと。

 Urbain Jean Faurie神父は台湾で数多くの植物採集と研究を行い、台湾における植物研究のため大きく貢献したが、不幸なことにハナビルヒルが体に入り込んだことで死去した。同じく植物学者の早田文蔵氏も台湾で植物研究に打ち込み、命名した台湾の植物は1,600種を超える。早田氏の研究が続けられたのはFaurie神父の残した多くの文献資料があったからだといい、早田氏は感謝の念を込めて当時の日本人たちから資金を募り、日本の彫刻家、渡辺長男(おさお)氏にFaurie神父の銅像制作を依頼してこれを建立した。また、早田氏を記念したレリーフは早田氏の死後、当時の総督府が設置したもので、腊葉館の向かい側にあった。

 銅像とレリーフは第二次世界大戦末期に消失したが、このほどある台湾の企業経営者の協力により日本でFaurie神父の銅像の型が発見された。これをもとにこのほど新たな銅像が完成。また、早田文蔵氏については、米ハーバード大学で解像度の高い写真が見つかったことで、早田氏の顔が浮き彫りになった記念碑が出来上がった。

 セレモニーに参加したFaurie神父の曾孫は、「フランスの故郷の人々でも忘れているだろうこの神父を台湾の人々がまだ覚えているとは」と驚くと共に、「銅像が復元されたことで台湾の人々がこれまで以上に自らの曽祖父を忘れないだろうことに感動した。」と語った。銅像の復元にあたり、この曾孫はFaurie神父の実家で当時書かれた多くの手紙を見つけた。そこには日本と台湾の関係がつづられており、とても感動したという。

 面積8.2ヘクタールに及ぶ台北植物園には現在、1,200種を超える植物が保存されている。1924年に完成した腊葉館は台湾初の植物標本館で、館内には早田文蔵氏が命名したタイワンスギ(台湾杉、Taiwania)など重要な標本も展示されている。

Taiwan Today:2017年10月2日

写真提供:中央社
 行政院農業委員会林業試験所が9月30日、台北植物園に、台湾における植物研究に卓越した貢献を果たしたフランス人神父の銅像と日本の早田文蔵氏の記念碑を復元した。写真は上がFaurie神父の銅像を囲む曾孫(右の2人)ら関係者。下は早田文蔵氏の子孫(右の2人)ら。