今後も台湾の忠実なパートナーであり続ける=バチカン外務長官
バチカン市国と北京当局が外交関係を結ぶとのうわさが絶えない中、バチカンのポール・リチャード・ギャラガー(Paul R. Gallagher)外務長官はバチカンで5日(現地時間)に行われた中華民国の双十国慶節(建国記念日、10月10日)祝賀レセプションでのあいさつの最後に、「バチカンは台湾の忠実なパートナー(Committed Partner)であり続け、台湾海峡両岸の対話に有利な全ての方法を支持し、実質的な交流を促す。また、全ての人々の福祉増進のため、パートナーと平和の架け橋になる」と述べた。
ギャラガー外務長官は、バチカンと中華民国が1942年に国交を樹立してから世界は大きく変化したが、互いの友情と協力の精神は不変であり、そのことは台湾に移り住んで一生涯奉仕に努める数多くの神父やシスターが証明していると述べた。そして台湾における教会の長期にわたる貢献に感謝した上で、バチカンは今日に至っても台湾における教会の発展にずっと特別な関心を寄せていると強調した。ギャラガー外務長官は、両国が国交を結んだ1942年を振り返ると第二次世界大戦のもたらした災難を思い起こすとし、それは人類が戦争で対立を解消しようとすることは全く効果的でないことの証左だと述べた。
中華民国の駐バチカン大使館はこの祝賀レセプションに、台湾で長年奉仕を続ける外国人神父とシスター10人を招いて感謝状を手渡した。これらの神父とシスターはそれぞれ別のカトリックの修道院から台湾を訪れた人たち。台湾で奉仕して数十年となるスペインの賴甘霖(Andres Diaz de Rabago)神父は2日前に100歳になったばかり。ステージに上がって感謝状を受け取る際には台湾の声楽家、呂怡恵さんがリードして会場はイタリア語で誕生日を祝う歌声で包まれ、中華民国の李世明駐バチカン大使とAndres Diaz de Rabago神父が涙で抱き合う感動的な場面が見られた。
李世明大使は、台湾は過去75年間、様々な挑戦に直面してきたが、最終的には進歩した経済と民主的な政治、信仰の自由を備える社会を創り上げたと強調、それを後押しした多くの人たちに感謝せねばならないが、黙々と奉仕活動に努めてきた、これらカトリックの聖職者たちは特別だと指摘、国交樹立75周年となる今年の祝賀レセプションで特に彼らに対して謝意を表明したと説明した。
レセプションでは両国の文化を融合した小型コンサートが行われた。前半は伝統的な教会音楽で、後半ではレセプション参加者に台湾の民謡である『高山青』や『望春風』を紹介した。披露したのはイタリアを拠点に活躍している台湾の声楽家、呂怡恵さん、劉夢潔さん、チェロ奏者の林若禅さん、イタリアの作曲家、Marco Noiaさん、そして日本のバイオリニスト、Soichi Ichikawaさん。今年のレセプションは数百人を収容できるバチカン大学(Pontifical university)の大講堂を借用して行われた。
Taiwan Today:2017年10月6日
写真提供:駐バチカン大使館提供、中央社
バチカン市国のギャラガー外務長官はバチカンで行われた中華民国の双十国慶節祝賀レセプションにおけるあいさつで、「バチカンは台湾の忠実なパートナーであり続ける」と述べた。前列中央がバチカンのギャラガー外務長官。