台湾の建築家、黄声遠氏が日本の吉阪隆正賞を受賞

台湾の建築家、黄声遠氏が日本の吉阪隆正賞を受賞

img20171130142532281_800

 日本の著名な建築家で教育者だった故・吉阪隆正氏を記念するために設けられた「吉阪隆正賞」が今年、初めて外国人に授与された。受賞者は台湾北東部・宜蘭県の「田中央工作群(Field office Architects)+黄声遠(Huang Sheng-Yuan)」。

 黄声遠氏は27日午後に日本・東京の早稲田大学で行われた授賞式典で、自ら設立した建築事務所である田中央工作群を代表して賞を受け取り、「こだわりを持って歩んでいく道において、我々はみな孤独ではない。これからも必ず努力を続ける」と話した。

 7年のキャリアを持つ建築家として黄声遠氏は、自分がずっと実践に努めてきたことは二つだとしている。一つは「自主的なスタッフの集まり」の実現。黄さんは、「みな勝手に指揮しようとはせず、常に反省を欠かさない。補い合い、仕事をバトンタッチし、その上それぞれに特色がある。家でも外でも協力して生きる。誰か1人の一言で決まることはない」と話した。

 もう一つは、「建築業の本質から逃げず、善意に満ち、可能性あふれた現実の空間を創り出す」こと。黄さんは、「そこに踏み入った人が癒しを得られ、元気づけられ、自由の可能性を感じられるようにしたい」としている。

 「吉阪隆正賞」の審査員は、「宜蘭県の豊かな自然風土と同じように、建築の過程で人を育んでいる。これほど人をうらやましがらせる環境の中で、建築物が人と人とのつながりを誘発し、そしてまた人が建築の完成を促す」と評している。また、審査委員長の建築家、内藤広氏は黄声遠氏の作品について、「ヒューマニズムによる建築方式であり、吉阪隆正氏が創設した『U研究室』の精神に大変近い」と強調した。

 審査員たちは、完璧に統合された建物と比べて黄声遠氏と田中央工作群のメンバーたちは、「矛盾や違いを重視することで、生き生きとして豊かな態度を生み出している」と指摘、さらに、黄声遠氏の言う「乱れた部分をあえて残し、より多くの人々が真実に触れられるようにする」という考えにも呼応していると評価した。

 審査員によれば、黄声遠氏と田中央工作群のチームによるこうした手法と建築の考え方は、日本はもちろん、近代社会では早くに姿を消しており、実地審査と討論を重ねた上で、黄氏と田中央工作群、並びに彼らによるこれまでの全作品と活動は「吉阪隆正賞」の精神に大変合致しているとの評価で最終的に一致した。

Taiwan Today:2017年11月30日

写真提供:田中央工作群提供、中央社
 台湾の建築家、黄声遠氏(左)と黄氏の創設した「田中央工作群」が、日本の建築賞の「吉阪隆正賞」を受賞。同賞が外国人に授与されるのは初めてだった。写真は日本で賞を受ける黄声遠氏。