陳耀昌さんの歴史小説、『傀儡花』の日本版出版へ

陳耀昌さんの歴史小説、『傀儡花』の日本版出版へ

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 医師で作家の陳耀昌さんによる台湾の歴史長編小説のうち、『傀儡花』が日本語訳される。翻訳は日本の天理大学の下村作次郎教授が行う予定で、台湾の歴史が海外に伝えられることになる。

 陳耀昌さんは2日、新刊本『獅頭花』の発表記者会見に出席した。陳さんは昨年の『傀儡花』出版から2年も経たないうちに『獅頭花』を書き上げている。『獅頭花』は、『傀儡花』が2016年の「台湾文学奨(賞)」小説部門「金典奨」を受賞したのに続いて、すでに今年の「新台湾和平基金会台湾歴史小説奨」を獲得している。

 また、台湾の公共放送、公共テレビ(公視 PTS)は1億5,500万台湾元(約5億7,600万日本円)を投じ、『傀儡花』を「大河ドラマ」化すると発表している。制作計画によれば、陳耀昌さんは1867年に台湾南部で起きた「羅妹号(ROVER)事件」を主な題材とし、先住民族の集落である下瑯嶠十八番社の大頭目、卓杞篤と米国が国際条約を結んだ物語を描いている。「羅妹号事件」とは、米国の商船、「ROVER」が台湾海峡を通過中に座礁して沈没し、恒春半島(台湾南部・屏東県)に上陸した船員たちが現地の先住民族に「侵略者」と間違われて殺害された事件。紆余曲折を経て、米国側は卓杞篤と直接、「親善盟約」を結ぶことになった。

 『傀儡花』では実在の人物に関する資料に物語としての効果を加え、19世紀の恒春半島における各エスニックグループの接触が再現されている。台湾の先住民族、閩南人(中国大陸・福建省南部から台湾に渡ってきた人たち)、客家人(中国大陸南部を発祥とする「客家語」を話す人たち。台湾で二番目に多いエスニックグループ)、西洋の国の間で起きる衝突と協調、並びに新たな関係が築かれていく過程が描かれ、多元的なエスニックグループが織り成す様々な歴史観が表現されると言う。

Taiwan Today:2017年12月4日

写真提供:中央社
 医師で作家の陳耀昌さん(写真)による台湾の歴史長編小説のうち、『傀儡花』が日本語訳される。写真は2日に開かれた、新作『獅頭花』発表記者会見でのもの。