WHO加盟目指す台湾、プロモーション動画で国際参与の実現を呼び掛け
WHO(世界保健機関)の最高意思決定機関である第77回世界保健総会(WHA)が5月27日から6月1日まで、スイスのジュネーブで開催される。国連加盟国ではない中華民国(台湾)は、いまだに国連の専門機関であるWHOから排除されている。台湾の国際参与への支持を取り付けるため、中華民国(台湾)外交部は今年のプロモーション動画『第二の故郷(My Second Home)』を公開した。国際医療協力に対する台湾の寄与をアピールし、年に1度開催される世界保健総会(WHA)への参加を含め、台湾のWHO加盟の必要性を世界に訴える内容となっている。
外交部が発表した新たなプロモーション動画は、インドネシアでロケを行った。病気の子どもを持つ一人のインドネシア人の母親の視点から、台湾大学病院の協力による生体肝移植の成功の物語を描いたもの。実際のストーリーがベースになっており、台湾が持つ先進医療技術と、命を決して諦めない母親の強い気持ちを伝えている。動画の主人公であるシェルリン(Sherlyn)は生まれて間もなく胆道閉鎖症と診断された。母親はさまざまな治療法を試すが、病状は悪化するばかりだった。母親が最後にたどり着いたのは、中華民国(台湾)が「新南向政策」の下、インドネシアで展開する医療協力計画に基づき、すみやかに台湾大学病院へ転院し、受診するという選択だった。シェルリンと母親は、台湾大学病院の医療チームによる生体肝移植手術を受ける。健康を取り戻したシェルリンは、もう11歳になった。いまでも母親と一緒に定期的に台湾へやってきては経過観察を行っている。
中華民国(台湾)は2018年より「新南向政策」に基づく医療・公衆衛生協力計画を実施してきた。「新南向政策」とは、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国と南アジア、それにオーストラリアとニュージーランドを加えた合計18か国との全方位的な関係強化を図る政策。医療・公衆衛生分野では、台湾のトップレベルの医療センターと「新南向政策」の対象国の医療機関がパートナーとなり、協力を展開してきた。具体的には、台湾が持つ医療技術や資源を対象国と共有したり、対象国の医療従事者の専門的なトレーニングを台湾が実施したりするというもの。また、各国の僻地を訪れて積極的に患者の治療に当たるなどして、医療協力の範囲を、必要とされる場所まで少しずつ拡大している。
この動画の最後には、人々が手を繋いで地球を取り囲んでいるロゴが、「Taiwan Can Help(台湾がお手伝いできます)」のメッセージとともに現れる。これは、WHO加盟を目指す台湾の今年のキャンペーンに使用するロゴで、国際社会とともに、WHO憲章が掲げる「すべての人間は到達可能な最高水準の身体的・精神的健康を得る権利を有する」のメッセージを追求したいという台湾の願いを表現している。また、国際社会の支持を取り付け、国際社会とともにWHOに対して台湾の受け入れを呼び掛け、世界の公衆衛生体系をより完全なものにしたいとの願いも込められている。
動画は4分間のフルバージョンと30秒間のショートバージョンがある。現在公開されている繁体字中国語版と英語版のほか、これからベトナム語、インドネシア語、タイ語、フランス語、日本語、スペイン語、ドイツ語、アラビア語、ウクライナ語、ポルトガル語など12か国語の字幕がつけられて世界に向けて発信される。これらの動画は、外交部のYoutube公式チャンネル、潮台湾のYoutube公式チャンネル、外交部のフェイスブック、インスタグラム、X(旧ツイッター)などのSNSで見ることができる。
Taiwan Today:2024年5月7日
写真提供:外交部
WHO(世界保健機関)の最高意思決定機関である第77回世界保健総会(WHA)が5月27日から6月1日まで、スイスのジュネーブで開催される。台湾のWHO参加実現を目指す外交部は6日、今年のプロモーション動画『第二の故郷(My Second Home)』を公開した。