屏東県の潮音寺でバシー海峡戦没者慰霊祭 日本の厚労相が初めて弔辞

屏東県の潮音寺でバシー海峡戦没者慰霊祭日本の厚労相が初めて弔辞

　屏東県の最南端、恒春半島の猫鼻頭にある潮音寺は2014年以降、「バシー海峡戦没者慰霊祭」を毎年開催し、第2次世界大戦中にバシー海峡で命を落とした日本兵らを追悼している。今年は戦後80周年の節目に当たり、規模を拡大して開催。日本から約170名の遺族が台湾を訪れた。

　また、日本台湾交流協会、台湾日本人会、台北市日本工商会など在台の日本関係の団体のほか、台湾日本関係協会（台湾の対日本窓口機関）の蘇嘉全会長、屏東県の楊慶哲秘書長らも参列した。さらに、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表（台湾における日本大使に相当）が日本の厚生労働省の福岡資麿大臣の弔辞を代読し、「戦争の記憶を忠実に後世に伝え、世界の恒久平和のために尽力しなければならない」と述べた。厚生労働省は戦没者の慰霊を所管しているが、台湾での慰霊祭に現職の厚生労働大臣が弔辞を寄せるのは初めてのこと。

　蘇嘉全会長は、「戦時中、バシー海峡では10万人以上が命を落とした。我々は共に歴史を振り返り、亡くなった方々を追悼し、この大切な平和を守っていかなければならない。台湾は平和を愛する国として、日本を含め、近い理念を持つ国々と手を携え、地域ひいては世界の平和と繁栄の推進に取り組んでいきたい」と語った。佐賀県から訪れた大嶌秀昭さんは、生後7か月のときに戦争で父親を亡くした。父親とは一度も会ったことがない。3年半前に潮音寺の存在を知り、初めて訪れたときには思わず涙があふれたという。「台湾の皆さんが潮音寺を大切に守ってくれていることに、心から感謝している」と話した。

Taiwan Today：２０２５年８月４日

写真提供：中央社

屏東県の潮音寺でバシー海峡戦没者慰霊祭 日本の厚労相が初めて弔辞

屏東県の潮音寺でバシー海峡戦没者慰霊祭日本の厚労相が初めて弔辞