国家人権委員会、「女子差別撤廃条約」第5次国家報告に対する評価・勧告まとめた報告書を発表
国家人権委員会は29日、中華民国(台湾)政府がまとめた「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(女子差別撤廃条約、CEDAW)第5次国家報告について、独自に評価し、勧告を行う独立評価意見発表会を開催した。「差別の定義」、「ジェンダー平等のメカニズム」、「ジェンダーに基づく暴力」、「女性の公共参加」、「仕事と家庭の両立」、「不利な立場に置かれた女性に対する交差性・複合差別」の6つの主要テーマについて40項目の評価と20項目の勧告を示し、紀惠容委員および高涌誠委員の両委員がこれを取りまとめた。国家人権委員会は、政府から独立して人権侵害からの救済をおこなう国内人権機関であり、台湾では監察院の下に設けられている。
高涌誠委員は、CEDAW報告の審査およびフォローアップの仕組みを通して、直近4年間で台湾の女性の権利とジェンダー平等は確かに多くの進展を遂げたものの、依然として改善すべき差別や不平等問題が残っていると指摘。国家人権委員会は法に基づき独立評価意見を作成し、政府に注意喚起を行っていると述べた。また、今回の独立評価意見のテーマと内容は、主に国家人権委員会が2021年から2025年にかけて受理した陳情や申立て、研究調査、それに婦女権益促進発展基金会(Foundation of Women's Rights Promotion and Development)との長年の協力によって得られた草の根の女性団体の意見などをもとに、政府が発表する公式データと照合・分析を行ったほか、「パリ原則」を遵守しつつ官民双方の意見を聴取した上で、最後に国連CEDAW委員会のフォローアップの手法を参考に、①歴代のCEDAW国際審査委員会で繰り返し指摘されながら政府が未だに実施していない事項、②今回の国家報告で触れられていないが国家人権委員会が重要だと認識する事項、③制度的保障が不十分な事項―という3つの原則に基づいてテーマを選定したと説明した。
高委員は、その多くの課題は、CEDAWおよび社会権規約・自由権規約の国際審査委員会が共通して関心を寄せてきた重点事項であり、台湾ではいまだに『反歧視法』(反差別法)が成立していないこと、ジェンダーに基づくヘイトスピーチを明確に禁止する規定がないこと、それに家事労働に従事する移住労働者の労働権の保障が依然として不十分であることなどを挙げた。高委員はまた、国家人権委員会の予算が立法院(国家)によって大幅に削減されていることにも言及。これは「パリ原則」に違反し、国家人権委員会の職権行使に影響を及ぼしていると批判した。
国家人権委員会の紀惠容副主任委員は、あらゆる政府機関が「パリ原則」に基づき、国家人権委員会の予算、人事、運営の独立性を維持するよう呼びかけた。また、政府に対し、『反歧視法』(反差別法)の早期成立、性別変更登記における手術要件の撤廃、「家事労働者条約」(ILO第189号条約)の国内法化推進などを提言。「ジェンダーに基づく暴力」については刑法上の性的自己決定権の侵害成立要件を見直してYes Means Yes型の積極的同意の採用を検討することや、ストーキング防止に関する警察関係者の専門的知識と能力を継続的に向上させることなども提言した。
紀副主任委員はさらに、総統府では「全社会防衛韌性委員会」(社会全体の防衛レジリエンス委員会)のみ女性委員が3分の1に達していること、行政院(内閣)ではこれまでに一度も女性閣僚が全体の3分の1に達していないこと、地方選挙では末端の選挙になるほど女性の当選者の割合が低いことなどを指摘。政府に対して、とりわけ災害や紛争の脅威に関する政策の策定において女性の十分な参与を実現すること、「政党法」の改正を通して政党助成金の一定割合を女性の政治参加促進に充てることなどを提言した。また、へき地では0~2歳児の施設外保育利用率がわずか4.8%と、全国平均の26.8%を大きく下回っていることや、へき地では助産専門人材が一人もいない地域が61か所もあることなどを踏まえ、公共保育サービス資源の公平かつ十分な配分を促すとともに、へき地における助産人材の育成と定着を推進すべきだと述べた。会場からは、有給の長期介護休暇の推進について政府のスケジュールを問い合わせる質問があり、紀副主任委員は「国家人権委員会としては今後も政府への提言と対話を続け、早期実現を呼びかけていきたい」と述べた。
今回のCEDAW第5次国家報告に関する独立評価意見の全文は、国家人権委員会のウェブサイトおよびFacebookで公開されている。
Taiwan Today:2026年1月30日
写真提供:国家人権委員会
国家人権委員会は29日、中華民国(台湾)政府がまとめた「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(女子差別撤廃条約、CEDAW)第5次国家報告について、独自に評価し、勧告を行う独立評価意見発表会を開催した。
