国立故宮博物院、台北ユニバにちなんだ特別展示
国立故宮博物院(台湾北部・台北市)は1日より、夏季ユニバーシアード台北大会(8/19-8/30)開催にちなみ、「台湾・熊讃」と名付けた特別展示をスタートさせた。1日に行った記者会見には、リオ五輪(2016年)の女子重量挙げ(ウェイトリフティング)金メダリストの許淑浄選手、銅メダリストの郭婞淳選手、それにロンドン五輪(2012年)に出場した男子柔道の杜凱文選手など、世界で活躍する選手らが登場して会場を盛り上げた。
故宮博物院は、8月1日から10月31日まで本館302陳列室に「故宮・熊讃」特別展示コーナーを設置する。これは、タイワンツキノワグマをモデルとする同大会のイメージキャラクター「熊讃(ブラボー)」にちなみ、クマをモチーフにした文物4点を展示するというもの。これらのクマはいずれも、台北ユニバで行われる競技種目を連想させる格好をしているのが特徴だ。故宮はこの展示を通し、台北ユニバに出場するあらゆる種目の選手たちにエールを送り、同時に故宮の文物を世界各国へ向けてアピールし、より多くの人に故宮の貴重な文物を知ってもらいたいと考えている。
故宮はこの特別展示のほか、「看画・読書-歴代名蹟選粋」と題する展示コーナーの一部でも、古代のスポーツをテーマにした絵画を展示している。故宮は、参観者がこうした文物から、故宮とユニバーシアードの関連性を見出し、時空を越えた知的な文化の旅を楽しんでもらえればと期待している。
故宮はユニバーシアードの開催期間中、ユニバーシアードを参観するために台湾を訪れた来賓や出場選手たちを対象に、入館料やガイダンス・サービスを無料とし、特製記念品をプレゼントするとしている。さらに、故宮に入居している商店は、ユニバーシアードの競技会場に出店する商店と、相互にブースを出してそれぞれのグッズを販売するほか、ユニバーシアードの入場券で参加できる抽選イベントに、スポンサーとして景品を提供する。
故宮は、注目度の高い国際競技大会を通して、故宮と台北の都市観光を宣伝することで、台湾がスポーツだけでなく、文化においても十分な土台を持っていることを世界の人々に知ってもらうと共に、より多くの人々に故宮に足を運んでもらい、こうした貴重な文物を鑑賞して欲しいと考えている。
「故宮・熊讃」で展示する収蔵品は、漢の時代のものから清の時代のものまで様々。それぞれの時代における、人間のクマに対する洞察力と想像力を見て取ることができる。例えば呉から西晋の時代に作られた「青瓷熊形燈」は、小熊が燈盞(油を入れて火を灯す小皿)を両手で持ち上げている。その姿は重量挙げの選手に似ている。漢の時代の「銅熊尊」と清の時代の「玉熊尊」は、まるで砲丸投げの選手を思わせる格好をしている。白と黒という本来の色を活かして加工・創作した清の時代の玉(ぎょく)の作品「玉人与熊(人と熊)」は、人間とクマが柔道をしているようにも見える。
「故宮・熊讃」では、ユニバーシアードの競技種目に関連するこれら4つの文物をまとめて展示している。それぞれの時代の匠の技から、古代の人々がクマの持つ力強さに対して畏敬の念を抱き、想像力を膨らませていたことを伺い知ることができる。
Taiwan Today:2017年8月2日
写真提供:ユニバーシアード台北大会公式サイトより
国立故宮博物院は8月1日から10月31日まで、本館302陳列室に「故宮・熊讃」特別展示コーナーを設置し、夏季ユニバーシアード台北大会(8/19-8/30)開催にちなみ、クマをモチーフにした文物4点を展示する。写真左は台北ユニバのイメージキャラクターでタイワンツキノワグマをモデルにした「熊讃(ブラボー)」。右は故宮博物院を代表する名品の一つ、翠玉白菜(すいぎょくはくさい)をモデルにしたイメージキャラクター「小翡」。
