台湾のパフォーミング・アーツがTPAMで花ひらく 国際連携のさらなる強化へ
台湾発のパフォーミング・アーティスト、および舞台芸術に取り組むプロフェッショナル・チームと、その関連施設の代表者を率いる国家文化芸術基金会（以下、「国芸会」）は、「国際舞台芸術ミーティング in 横浜: TPAM2018」で初の正式参加を果たしました。
文化部が所管する国家表演芸術中心（ナショナル・パフォーミング・アーツ・センター）の傘下にある国家両庁院、台中国家歌劇院、衛武営芸術文化センター、そして台北パフォーミング・アーツ・センター、牯嶺街小劇場、思劇場、雲門劇場などの各施設の代表訪問団が、林曼麗董事長率いる国芸会の呼びかけに応じ、2018年2月10日から18日にかけて開催されるTPAMの開幕に駆けつけました。それだけでなく、国芸会にとっても台湾の舞台芸術全体をキュレーションするかたちでの参加は初の試みとなります。
また12日の夜にKAAT神奈川芸術劇場で行われたレセプションでは、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターの朱センター長をはじめ、国家両庁院のCAO李惠美氏、台北パフォーミング・アーツ・センターのCAO王孟超氏、台北アートフェスティバルのキュレーター鄧富權氏が出席したほか、国際交流基金アジアセンターを含むTPAMの実行委員会、ならびにオーストラリア・カウンシル・フォー・ジ・アーツ、フランス芸術振興会といった、オセアニア、ヨーロッパ、アジア各国の関係者各位とプロフェッショナルが参加し、パートナーシップを深めるよい機会となりました。
1995年の芸術見本市から発足したTPAMは、日本において、唯一無二かつ影響力のある舞台芸術のプラットフォームであり、アジアで最も実験的試みを展開しています。国芸会はTPAMに3年続けて参加することで、国際交流を深め、ネットワークを切り拓いてきました。国芸会の林曼麗董事長は、「より効果的にTPAMとのパートナーシップを構築することで、アーティストのみならず、キュレーター、関連施設の代表者ないし、インディペンデントで活動する台湾のプロフェッショナル達に、ひらかれた国際舞台を構築し、同時に独立行政法人国際交流基金といった専門機関との連携を強化し、更なる価値と相乗効果を創出していきたい」と述べています。本年度より、これまでの経験と成果をもとに、あらゆる芸術分野を横断する「ARTWAVE Taiwan International Arts Network」をスタートさせ、今後とも積極的にTPAMに参加することで、台湾におけるアートシーンの発信を強化するだけでなく、国際芸術交流の充実に向け、様々なコラボレーションの展開を図っていきます。
本年度のExchangeプログラムでは、台湾に焦点を当てたテーブルもシリーズ化され、黃雯氏（NCAF 国際プロジェクトマネージャー）、黃思農氏（Against Again Troupe ディレクター）、蔣韜氏（音楽家）による鼎談では、台湾におけるサウンド・アートの発展と現在を共有するほか、林人中氏（ADAM for Contemporary Performance キュレーター）と黃鼎云氏（ADAM Artist Lab 2018 キュレーター）の対談では、彼らが手がける新しいアジアのネットワーク作りを紹介するなど、充実したテーマと精鋭揃いのセッションが目白押しです。また、去年よりスタートしたFringeプログラムでは、若葉町ウォーフという横浜にある3階建ての建物で、「仕事」の意味と価値を再考する、パフォーマンス・プロジェクト『冬の夜ひとりの従業員が』を上演します。
国芸会は今後もTPAMと緊密に連携しあい、パフォーミング・アーツを中心に、国を跨る共同制作や連携など、世界にひらかれた実践的なプログラムを応援していきます。
【国家文化芸術基金会 ２０１８年２月１３日】
