陳建仁副総統、新南向政策の成果を高く評価
陳建仁副総統は1日午前、台湾北部・台北市内で行われた「2018観光節慶祝大会」に出席した。中華民国政府は旧暦1月15日(今年は新暦3月2日)を「観光節(=観光記念日)」と定めている。
陳副総統はあいさつで、「この1年間は、台湾の観光市場が構造転換の再調整を迫られることになった。しかし、観光業界と政府が一致した立場をとり、構造転換のために努力し、チャンスを模索した。そのおかげで昨年は、台湾を訪れた外国人観光客が過去最多の延べ1,074万人に達した」と指摘した。
陳副総統はまた、政府が推進する「新南向政策」についても言及した。「新南向政策」とは東南アジア、南アジア、ニュージーランド、オーストラリアの18カ国との幅広い関係強化を目指す中華民国の政策。陳副総統は、「新南向政策は相互利益を原則としたもので、3つの方向から取り組んでいる。つまり、対象国と戦略的パートナーシップを築き上げること。対象国と産業生態系を構築すること。そして、対象国の国民及び社会との連結を強化することである。そのうち、観光産業の発展は、最も直接的で効果的な方法だ。現在、台北市内だけでなく、台湾各地の景勝地を訪れると、あちこちに東南アジアからの観光客の姿を見ることができる。これこそ新南向政策の成果の表れだ」とし、その成果を高く評価した。
政府はこの1年間、各省庁の在外公館における資源を活用し、まずタイ、ブルネイ、フィリピンの国民を対象に、台湾への渡航査証(ビザ)を免除した。また、東南アジア諸国に進出する台湾企業に対し、社員旅行やインセンティブツアー(報奨旅行)を台湾で実施することを奨励している。同時に、東南アジア諸国で開催される旅行フェアに出展したり、台湾におけるムスリムにフレンドリーな環境作りを強化したり、東南アジア言語による案内やサービス提供を強化するなどの措置を展開。こうした取り組みの結果、新南向政策の対象国18カ国から台湾への渡航者は初めて年間延べ200万人を突破した。これは前年比30%の増加。また、2017年に台湾を訪れた外国人観光客の5分の1を占めるものとなった。
陳副総統は、「昨年の観光節の祝賀大会では、蔡英文総統が『政府が必ず、観光業者にとって最も有力な後ろ盾となる』と約束し、質の高い観光で、より多くの外国人観光客を台湾に引き付け、一度来たらもう一度来たいと思わせるようにしたいと話した。当時、蔡総統は3つのことを約束した。第一に、全国で観光産業の振興に取り組むこと。第二に、業界のニーズにより合致した政策を打ち出すこと。第三に、さまざまな発展の可能性を創出することだ」と話し、これらの約束は一つ一つ実現しつつあると述べた。
奇しくもこの日、タイでは英字日刊紙『バンコック・ポスト』や『ネーション』など複数のメディアが、台湾の宜蘭県(北東部)や東北角海岸(北部)の自然景観や歴史、文化などを紹介する記事を掲載した。例えば東北角海岸国家風景区に関しては、美しい白波が打ち付け、様々な形をした奇岩を見ることができ、タイの海岸の景観とは異なると紹介された。また、宜蘭にある蘭陽博物館には台湾の文化に関するさまざまな文物が展示されているほか、国立伝統芸術中心(宜蘭県)でも台湾の伝統文化を感じたり、レトロな街並みを体験したりすることができると書かれている。
さらに、台湾の著名な彫刻家である朱銘氏の名前を冠した「朱銘美術館」(新北市金山区)には、屋外に設けられた広い展示スペースに、シンプルかつ豪快な彫刻作品が多数置かれており、台湾最大の屋外美術館であることが紹介されている。また、新北市福隆にある霊鷲山道場や、新北市金山区にある法鼓山世界仏教教育園区なども、仏教をテーマとした台湾の2大景観として紹介。タイの読者に対して、台湾の仏教文化を体験し、タイとは異なる仏教建築を参観してみてはと勧めている。
Taiwan Today:2018年3月2日
写真提供:中央社
陳建仁副総統(前列中央)は1日午前、台湾北部・台北市内で行われた「2018観光節慶祝大会」に出席し、「新南向政策」の成果を高く評価した。