ナウルを訪問の蔡英文総統、「台湾農畜教育中心」の除幕式などに参加
南太平洋の国交樹立国(パラオ、ナウル、マーシャル諸島)を外遊中の蔡英文総統は現地時間25日午後(台北時間25日午後)、ナウルに駐在する台湾農業技術団による「台湾農畜教育中心(Taiwan Agriculture and Livestock Education Center in Nauru)」の開設を祝う除幕式に出席した。蔡総統は、台湾の技術団が台湾の農業技術をナウルに伝え、多くの成果を生み出していることを高く評価した。
除幕は、蔡総統とナウルのバロン・ワカ(Baron Waqa)大統領の手によって行われた。蔡総統は「台湾農畜教育中心」の開設について、「台湾とナウルの協力関係のさらなる前進を意味するもの」と喜んだ。蔡総統はまた、近年台湾は食農教育を非常に重視しており、政府が主体となって食農教育の推進プロジェクトを展開しているほか、食農教育の法制化も進めていると紹介。「台湾農畜教育中心」の開設によって、台湾の食農教育の経験をナウルの人々と分かち合えることは、「ともに成長し、ともに進歩する」ことになると期待を寄せた。
蔡総統はその後、技術団が設置した養鶏場と農場を視察し、技術団が推進するナウルでのキノコ類の栽培計画について理解を深めた。また、ナウルの女性が参加する料理教室の成果展示を参観した。
蔡総統はこの日、ナウルの大統領顧問(Presidential Counsel)であるPeter Jacob氏、政府広報室の室長とナウル博物館(Naoero Museum)の館長を兼務するJoanna Olsson氏らに伴われ、ナウル博物館を参観した。また、台中栄民総医院(台湾中部・台中市にある病院)が派遣する「整形外科ボランティア医師団」と会見し、台湾とナウルの医療協力のための貢献と努力に感謝した。
蔡総統とバロン・ワカ大統領はこのほか、台湾の海洋委員会の副主任委員と海洋委員会海巡署の署長を兼務する陳国恩氏と、ナウルのCaleb警視総監による「中華民国(台湾)政府及びナウル共和国政府の海上保安協力協定」署名に立ち会った。
陳国恩副主任委員がその後の会見で語ったところによると、台湾はこれにより、南太平洋にある3つの国交樹立国、つまりマーシャル諸島、パラオ、ナウルと海上保安に関する協力協定を結んだ。これは主に、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の規定に基づくもので、今後、中西部太平洋の公海において巡視船艇を運航する必要があるため。例えば台湾船籍の漁船、あるいはその他の船籍の漁船がこの海域を運航する際、台湾の海上保安職員は公海洋上臨検を実施することができる。また、違法(Illegal)、無報告(Unreported)、無規制(Unregulated)漁業という、いわゆる IUU漁業が確認された場合、職員は乗船検査を行うことが出来る。つまり、台湾には公海洋上の巡視義務がある。
台湾とこれら3つの国交樹立国は協定の締結後、職員の相互派遣や合同訓練を行う。また、台湾漁船の警護を行う巡視船が、国交樹立国の領海で停泊あるいは寄港する場合、国交樹立国は燃料など必要な物資の補給に協力する。台湾側は将来、3隻の船艇を3カ国に寄贈。これらの国々が海難救助訓練を行う際に役立ててもらう。
Taiwan Today:2019年3月26日
写真提供:総統府
南太平洋の国交樹立国を外遊中の蔡英文総統(手前左)は25日、ナウルのバロン・ワカ(Baron Waqa)大統領(手前右)と共に、「台湾農畜教育中心」の開設を祝う除幕式に出席した。