農業委員会、APECエコノミーと協力で2030年フードロス半減目指す

　行政院農業委員会（日本の農林水産省に相当）は25日と26日の両日、食品ロス（フードロス）削減に関するAPEC（アジア太平洋経済協力）の専門家会議を開催している。

　フードロス削減と食料安全保障や気候変動などとの関連性について話し合う専門家会議「APEC 2019 Expert Consultation on Reducing Food Loss and Waste (FWA) for Addressing Interlinked Challenge of Food Security and Climate Change」には、オーストラリア、チリ、インドネシア、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、タイ、ベトナム、米国、台湾の14のエコノミーから、政府や民間の代表60名余りが参加している。

　農業委員会は2013年、APECに対して官民一致による取り組みでフードロスの削減を目指すための5カ年計画の実施を提案し、採択された。2014年から2018年までの5年間に、APECから50万米ドルの助成を得て、計画を遂行した。

　今回の会議は、2020年までにAPEC地域のフードロスを対2011年比10％削減するという目標を達成できるかどうかを議論するために開催した。委託を受けて評価を行っている学者は、国際連合食糧農業機関（FAO）のデータと計算方法で算出した場合、この目標は達成可能で、フードロスを合計67万トン削除できると予想している。また、今後は「2030年までに世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させる」ことを目指す。

　フードロスは生産レベルの「loss（廃棄）」と消費者レベルの「waste（浪費）」を指す。台湾ではこれまで、農業委員会による貯蔵、コールドチェーン、物流革新の推進が奏功し、輸送の強化や収穫後処理による品質管理によって食糧の廃棄を減らしてきた。

　農業委員会ではこの2日間の協議内容を整理した後、8月中旬にチリで開催される「APEC食料安全保障ウィーク（Food Security Week）」の国際会議で提出する。採択されれば8月下旬のAPEC閣僚会議に提出し、年末の首脳会議でも再度提出し、各国がそれぞれに食料安全保障の状況を把握できるようにする。そして引き続き、「2030年までに世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させる」という目標に向かってまい進したい考え。

　「2030年までに世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させること」は国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められた「持続可能な開発目標」（SDGs：Sustainable Development Goals）の目標の一つだ。これは、台湾が世界の食料安全保障のために、APECエコノミーの持つ力を凝縮し、引き続き努力していることを表している。

Taiwan Today：２０１９年７月２６日

写真提供：行政院農業委員会サイトより
　行政院農業委員会（日本の農林水産省に相当）は25日と26日の両日、食品ロス（フードロス）削減に関するAPEC（アジア太平洋経済協力）の専門家会議を開催している。