台湾、過去10年の温室効果ガス削減に確かな効果

　地球温暖化対策について各国の首脳が参加して議論する国連の気候行動サミット（United Nations Climate Action Summit）が23日、米国連本部で開かれた。アントニオ・グテレス（Antonio Guterres）国連事務総長は、約60か国が発表した具体的な新たな温暖化防止策について、二酸化炭素（CO2）排出量の削減への効果を期待するとした。

　台湾では2005年に「温室効果ガス削減および管理法」を制定し、排出量削減の目標を明確にした。台湾の温室効果ガス排出量は、1990年から2005年までで約2倍（110％増）になった。これは、経済成長期を迎えエネルギー消費量が増加したことに伴って、温室効果ガスの排出量も増加したといえる。しかしその後、2005年から2016年の温室効果ガス排出量は0.92％増とわずかな増加にとどまった。

　行政院環境保護署（日本の環境省に相当）は現在、政府の各機関、市民全体の努力の結果、台湾の温室効果ガス排出量削減の成果が見られるとしている。2005年を基準にして、台湾における過去10年の温室効果ガス排出の内訳は、約9割をCO2が占めている。また、台湾のCO2増加率は平均で0.1％（年）となっており、近隣のアジア諸国と比較すると、日本とは同等、中国（4.8％）、韓国（2.3％）、シンガポール（1.6％）などより少ないことがわかった。

　台湾のGDPは2005年から42％成長したが、炭素強度は約28％削減することに成功した。

　台湾は国際的な気候変動の慣行にならい、国際協議の最新動向を把握し、引き続き温室効果ガス削減および管理法に関連する法制や措置を研究・制定するとしている。さらに各種メカニズムを通じて、関連する政府機関、地方自治体、民間組織、専門家、学者と研究・討論を行い、徐々に台湾の法律・規定を完全に整備する構えだ。そして、市民が二酸化炭素排出の削減に努めるよう導き、温室効果ガス排出量削減の目標を達成し、持続可能な低酸素社会の実現を目指す。

Taiwan Today：２０１９年９月２４日

写真提供：聯合報
　1990年から2005年までの台湾の温室効果ガス排出量は、経済成長に伴うエネルギー消費量が増加で約2倍に増えたが、2005年から2016年には、0.92％増とわずかな増加にとどまった。