台湾のICAO参加に複数国が支持表明、外交部が感謝
ICAO (国際民間航空機関)の第40回総会が24日、カナダ・モントリオールで始まった。中華民国（台湾）外交部は同日、以下のニュースリリースを発表した。
中華民国（台湾）は今年も、政治的理由からICAO総会に招かれなかった。これは大変遺憾なことである。しかし、台湾のICAO参加を求める声に対し、国際社会からの反響は2016年（ICAO総会は3年ごとに開催される）を上回っている。これは、台湾がICAOに参加することの必要性と緊急性が、国際社会から広く認められていることを十分に示すものだ。また、各国がさまざまな方法で台湾のICAO参加を支持する立場を示してくれたことは、台湾が今後もICAO参加を目指して邁進するための助けになるものであり、外交部はこれに心より感謝の意を表する。
台湾は、東北アジアから東南アジアに至る地域における民間航空の要所に位置する。わが国の交通部民用航空局が所管する「台北飛行情報区」（Taipei FIR）は極めて重要なポジションにある。わが国の政府及び在外公館による積極的な働きかけの結果、国際社会はわが国の専門性、実務性、そして実際の貢献などに十分な理解を示したうえで、さまざまな方法によって台湾支持を表明している。台湾の働きかけは、すでに具体的な成果を生んでいる。
今年4月、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本が参加するG7(主要7か国首脳会議)外相会合後に発表された共同コミュニケでは、「国際的な航空コミュニティの全ての活動的なメンバーのICAOフォーラムへの実質的な参加を支援する。政治的目的のために一定のメンバーを排除することは、航空の安全及び保安を傷つけるものである」と記載された。また、米国、カナダ、英国、スウェーデンなどの行政関係者が、さまざまな方法で台湾のICAO参加を支持する立場を示した。
中華民国の国交樹立国に関して言えば、現在までにベリーズ、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、ナウル、マーシャル諸島、パラオ、セントルシア、クリストファー・ネイビス連邦、セントビンセント・グレナディーン諸島、エスワティニ王国、ツバルなどがICAOのオルムイワ・ベナード・アリウ（Olumuyiwa Benard Aliu）理事会議長や柳芳（リウ・ファン）事務局長宛てに書簡を送り、台湾をICAO総会に招待するよう呼びかけている。これらの国交樹立国はICAO総会でも台湾のために発言をしたり、台湾代表団がモントリオールで開催したレセプションに参加したりして、台湾支持の立場を示している。
さらに、過去2か月間に米国、カナダ、英国、ドイツ、ベルギー、ハンガリー、スペイン、チリ、メキシコ、南アフリカの国会、それに欧州議会の親台湾派議員などが、個別あるいは連名でICAOのオルムイワ・ベナード・アリウ理事会議長や柳芳事務局長宛てに書簡を送り、台湾をICAO総会に招待するよう呼びかけてきた。
このほか、過去にNATO事務総長やデンマーク首相などを歴任した経歴を持つアナス・フォー・ラスムセン（Anders Fogh Rasmussen）氏が今月20日、「世界の民主国家は、強大で自己中心的な強権国家が今世紀の主導権を握ることに反発すべきだ。台湾のICAO総会参加を認めることは、小さくとも重要な一歩だ」とする文章を発表した。米民主党全国委員会（DNC）は今年8月に開いた会議で、台湾がICAOを含む国際組織に有意義な参加をすることを支持する決議案を可決した。
ますます強大になる国際正義の声は、ICAO参加を求める台湾の訴えが正当且つ合理的であること、また「徳不弧 必有隣（徳は弧ならず、必ず隣り有り）」の言葉が正しいことを再度証明している。ICAOが「シームレススカイ（地域における継ぎ目のない航空サービスを提供すること）」と「Uniting aviation（=団結した飛行）」の実現を目標に掲げるのであれば、ICAOはことさらその専門性にのっとり、台湾を含むあらゆる国際的な航空コミュニティを積極的に受け入れるべきである。
我々は重ねて強調する。ICAOは単一の会員国によってもてあそばれるべきではない。その中立性と専門性を堅持し、飛行の安全と旅客の利益を守ることを優先的に考慮し、世界の飛行のセーフティーシステムに抜け穴や空白を作らないよう、できる限り速やかに適切な方法で台湾の参加を認めるべきである。
Taiwan Today：２０１９年９月２５日
写真提供：読者提供、中央社
ICAO (国際民間航空機関)の第40回総会が24日、カナダ・モントリオールで始まった。ICAO総会の会場近くでは、多くの人々が台湾のICAO参加を求めて声を上げている。手前右でこぶしを挙げてこれを応援しているのはグアテマラ航空当局のFrancisArturo Argueta Aguirre局長。
