駐日代表処主催の中華民国108年双十国慶祝賀レセプションが盛大に開催
一、謝長廷・駐日代表が双十国慶祝賀レセプションを開催、要人が多数出席
台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表は10月8日夜、「中華民国108年双十国慶祝賀レセプション」を東京都内のホテルで開催した。同夜は、安倍首相のご母堂、安倍洋子女史が3年連続で出席し、謝代表に祝意を表した。「日本台湾交流協会」の大橋光夫会長、「日華議員懇談会」(以下、日華懇)会長の古屋圭司・衆議院議員および衆参両院の各議員110名以上が出席したほか、国会議員秘書70名以上が代理出席した。さらに、バチカン、ホンジュラス、グアテマラ、パラオ、マーシャル諸島など我が国の友好国や我が国と理念の近い国々の駐日大使および大使館関係者、日本の主要メディアおよび社会各界の要人、日本在住の僑胞ら約1,700名が出席し、盛大な祝賀レセプションとなった。
二、謝代表:台湾と日本は同じ価値観を共有するパートナー。台湾のCPTPPへの早期参加、経済の協力強化を期待
謝代表はあいさつの冒頭で、「台湾と日本はいずれも高度な自由を享受している国であり、双方は同じ価値観を共有するパートナーである」と述べた。その上で、「昨今、米中の貿易摩擦はますますエスカレートしており、台湾と日本は経済分野における協力を強化していく必要がある。台湾は『包括的および先進的環太平洋パートナーシップ協定』(CPTPP)への参加を希望している」と強調し、これは台湾の生存と経済発展にとりきわめて重要であり、日本にもメリットがあると説明した。
三、謝代表:台湾は「一国二制度」を受け入れないと強調。日本各界による我が国の国際機関への参加支持に感謝
謝代表は、今年1月に中国の習近平・国家主席が台湾に「一国二制度」を受け入れるよう要求したことについて言及し、「最近、香港で起こっている反対運動を見て、大多数の台湾人は、台湾の自由と民主主義の後退を招く『一国二制度』を望んでいない。中国は様々な圧力で、台湾に受け入れさせようと迫ってきているが、蔡英文総統が何度も表明している通り、台湾は決して屈服せず、断じて受け入れない。これは台湾の人々の総意だ」と強調した。
さらに、「台湾は中国の圧力に直面し、世界の国々の声援を必要としている」と述べ、今年9月末に台湾と日本の地方議員約320名が出席し、富山県で開催された「台日交流サミット」において発表された「富山宣言」の中で、台湾の国際機関への参加支持が表明されたことを紹介した。日本政府および日華懇も台湾の「世界保健機関」(WHO)などへの参加支持を何度も表明したことにも触れ、日本各界からの大きな支持に深い感謝の意を表した。今年の国慶祝賀レセプションの会場には、日華懇による台湾のCPTPPおよびWHOへの参加を支持する決議文が展示された。
四、地方交流、民間交流、「善の循環」は台日友好関係の主要な3本柱
謝代表は、地方交流、民間交流、「善の循環」は台日友好関係の主要な3本柱であるとの考えを示した。謝代表は就任以来、地方交流の推進に力を入れており、これまでに台日の地方自治体間には130件の友好交流協定が締結され、その内の68件は、謝代表の任期中に調印されたものである。10数年前に高雄市と東京都八王子市は友好交流協定を締結し、文化、経済、防災など多方面にわたる双方向の交流を推進している。また、東京都杉並区も台湾と少年野球、阿波踊りなどの交流を行っている。これらの交流について謝代表は、「地方交流の模範である」と述べ、地方交流の関係強化が長く続くことにより、中央政府間の関係にも良い影響がもたらされるであろうと期待の意を表した。
現在、台日間の民間交流もきわめて活発に行われており、先ごろ「中華文化総会」が東京の上野恩賜公園で開催した「Taiwan Plus 2019 台湾新感覚」のイベントでも台湾らしいイノベイティブな商品が紹介された。これについて謝代表は、今後は各種の文化交流イベントを通して、日本の人々に小龍包や最近日本で大流行しているタピオカミルクティーのほかに、台湾の多様な文化やイノベーションの実力も知ってほしいと呼びかけた。
台湾と日本は共に地震や台風など自然災害がしばしば発生していることから、双方は災害発生時に互いに支援しあう「善の循環」が確立しており、「これは世界でも類を見ない良い関係だ」と強調した。
五、台湾は来年の東京五輪・パラリンピックに合わせ、日本各地とのスポーツ、文化交流活動を強化
謝代表はあいさつの最後に、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、日本各地に台湾の選手を迎え入れるホストタウンがあり、スポーツ交流以外にも積極的に、各ホストタウンで文化交流などのイベントを予定していると紹介した。
今年の国慶節祝賀レセプションでは、「中華オリンピック委員会」の東京オリンピック事前視察団がちょうど来日中であることから、謝代表は同視察団も招き、会場で「満載而帰」(今回の視察団が大きな成果を上げて帰ると共に来年の台湾選手団の活躍を祈念する意味が含まれている)と記された応援メッセージを同視察団団長の林華韋・国立台湾体育大学学長に贈った。
六、来賓あいさつ
謝長廷代表(中央)と夫人の游芳枝女史(左)、安倍洋子女史(右)
謝長廷代表(右3)、蔡明耀・副代表(左1)、大橋光夫・日本台湾交流協会会長(左2)、舟町仁志・日本台湾交流協会専務理事(右1)
日華議員懇談会会長の古屋圭司・衆議院議員
槍田松瑩・東亜経済人会議日本委員会委員長
趙中正・全日本台湾連合会会長
乾杯の音頭をとる林月理・日本中華聯合総会会長
安倍首相のご母堂、安倍洋子女史はあいさつの中で、「台日間は長期にわたり密接かつ友好的な関係を築いてきた」と述べた。さらに、東日本大震災および熊本震災における台湾からの支援に感謝の意を表した。
「日本台湾交流協会」の大橋光夫会長は、「安倍首相が先ごろ国会での所信表明演説で述べた通り、新しい時代には異なった意見を尊重する多様性がきわめて重要である。台日間は連携して世界に範を示すべき関係にある」との考えを示した。さらに、同協会が近年、若い世代の交流をきわめて重視しており、「台日ワーキングホリデー制度」での査証発給枠の拡大を行ったことなども紹介した。
日華懇の古屋圭司会長は、現在は国会会期中であるが、明日(9日)から与野党の日華懇メンバーが多数、台湾を訪問し双十国慶節の祝賀式典に出席し、今回初めて国慶節のパレードにも参加するほか、建国中学(高校)の生徒たちと交流する予定もあると説明した。訪台期間中、古屋会長は「玉山フォーラム」にも出席し、この中で自由、法治、人権といった普遍的価値観を共有する各国が一致団結し、インド・アジア太平洋における安全保障協力の戦略強化を呼びかけたいとの考えを明らかにした。
東亜経済人会議日本委員会の槍田松瑩・委員長は、今後も台日の相互理解と信頼の下、引き続き互いの得意分野を活かし、新たな分野での協力を推進していきたいとの考えを示した。
「全日本台湾連合会」の趙中正会長は、「台湾人が犠牲と引き換えに得た自由、民主主義は必ず次世代に引き継いでいかなければならず、僑胞界も協力してほしい」とあいさつした。
七、「中華民国国際調酒協会(台湾バーテンダー協会)」のメンバーがパフォーマンス披露、台湾の「ソフトパワー」をアピール
日本各界の人々に、台湾の「ソフトパワー」をより多く知ってもらうために、駐日代表処は、謝代表が高雄市長在任当時より応援していた「中華民国国際調酒協会(台湾バーテンダー協会)」をこの日のレセプションに招いた。会場には同協会の謝美美・名誉理事長をトップに、2015年第64回「国際バーテンダー協会」(IBA)の国際大会、「ワールド・カクテル・チャンピオンシップ(WCC)」クラシック アフターディナーカクテル部門で優勝(WCC史上最年少優勝)した郭植伶さん、2012年ベトナムでの国際大会フレア部門で優勝した郭詠鎰さん、「第21回アジア太平洋カクテルコンペティション2012年」のフレア部門で優勝した許博勝さんらをメンバーとしたパフォーマンスチームがその腕前を披露した。様々な高難度のパフォーマンスに会場からは大きな称賛の声が上がった。
レセプションでは、「日本中華聯合総会」の林月理会長が乾杯の音頭をとり、「四海同心」の言葉と共に、出席者らと双十国慶節を祝う杯を挙げた。
謝代表(右)から「満載而帰」と記された応援メッセージが、「中華オリンピック委員会」東京オリンピック事前視察団団長の林華韋・国立台湾体育大学学長(左)に贈呈
日華議員懇談会の決議文が会場に展示
台湾バーテンダー協会メンバーによるパフォーマンス
会場風景
【台北駐日経済文化代表処 2019年10月8日】