台湾文化センターで台湾文学書出版発表会と台湾布袋戯上演会が開催

王淑芳・台湾文化センター長（前列中央左）および講師と出席者ら

『呪はれた文学戦後初期（1945～1949）台湾文学論集』の紹介
左より、明新科技大学助理教授の呉桂枝氏（陳建忠氏夫人）、国立成功大学台湾文学科の蒋為文教授および陳麗君・同学科副教授

　台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで11月1日、台湾文学書出版発表会と台湾布袋戯上演会が開催された。王淑芳・台湾文化センター長は、「台湾では今年７月に公共テレビ台湾語専門チャンネル（公視台語台）の放送が始まった。このたび日本で台湾語による台湾文学等の書籍を紹介できることをうれしく思う。より多くの日本の皆様に多様な台湾文学の魅力をもっと知っていただきたい」と挨拶した。

　台湾文学書出版発表会では今年日本語で翻訳出版された２冊が紹介された。陳建忠著『呪はれた文学戦後初期（1945～1949）台湾文学論集』（集広舎）は、国立台湾文学館による台湾文学の日本語訳シリーズの第一弾として今年夏に出版され、戦後に公用語が日本語から中国語に変わった際の台湾文学者の苦悩について書かれている。また、『台湾語で歌え日本の歌』（国書刊行会）は、台湾ペンクラブ理事長である陳明仁（タン・ビンジン）氏が台湾語で創作した小説、詩、戯曲などを日本語に翻訳した作品選集である。

　同イベントでは、国立成功大学台湾文学科の蒋為文教授および陳麗君・副教授、明新科技大学助理教授の呉桂枝氏（陳建忠氏夫人）、『台湾語で歌え日本の歌』の作者・陳明仁氏および共同翻訳者である酒井亨氏、近藤綾氏、吉田真悟氏、小川俊和氏らが登壇し、作品に込められた思いや時代背景などが語られた。

　また、同イベントでは、台南を拠点とする「王藝明（オン・ゲービン）掌中劇団」が台湾語で演じられる伝統人形劇の「布袋戯」（ポーテーヒー）を披露した。王藝明氏は、台湾伝統の布袋戯は一人がすべての役の声を演じることを説明し、ヒーロー役、ヒロイン役、悪役、老人役など、どのように声を使い分けるのか実演しながら、台湾民間信仰の「八家将」（パッカーチョン）などを人形で再現した。

『台湾語で歌え日本の歌』の紹介
作者の陳明仁氏（左５）、共同訳者の酒井亨氏（左６）、近藤綾氏（左３）、吉田真悟氏（左２）、小川俊和氏（左１）

台湾伝統の「布袋戯」について説明する王藝明氏

《２０１９年１１月６日》

台湾文化センターで台湾文学書出版発表会と台湾布袋戯上演会が開催

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