謝長廷・駐日代表 2020年元旦祝辞
明けましておめでとうございます。令和新時代の新年を迎え、皆様がますますご清栄でありますことをお慶び申し上げます。
今年はいよいよ2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界各国から一流の選手が集まるスポーツの平和の祭典に、台湾も選手団を派遣します。日本の皆様も台湾の選手が出場している競技を見たときには、ぜひその選手の頑張りにもご注目ください。
日本各地には五輪開催に向けて台湾選手の合宿の受け入れる予定のホストタウンがあります。昨年は、台湾原住民族歌手の公演、台湾ランタンの展示、学校給食への台湾バナナの提供などを行いました。今年もさまざまなスポーツ・文化交流を企画し、東京五輪を盛り上げるとともに、閉幕後も台湾とホストタウンの交流が続いていくことを期待しています。
私は2016年6月に駐日代表に着任して以来、台湾と日本の地方交流の強化に取り組んできました。現時点で台湾と日本の地方自治体間には131件の友好交流協定が締結されており、そのうち69件が私の任期中に結ばれました。昨年9月には、台湾と日本の地方議員が一堂に集う「台日交流サミット」が富山で開催され、お互いの地方の特色を活かした観光や経済交流の促進などとともに、世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)といった国際機関への台湾の参加を支持する「富山宣言」が発表されました。地方レベルの友情をしっかりと築くことにより、長期的に中央政府との関係にも良い影響をもたらすことを期待しています。
昨年11月に日本台湾交流協会が発表した調査によると、台湾人が一番好きな外国は日本がトップでした。また、当代表処がここ数年実施している調査でも、日本人が一番好きなアジアの国は台湾です。昨年は、日本から台湾への旅行者数が初めて200万人の大台を突破し、双方の年間往来者数も初の700万人の大台を突破できる見通しです。
このような良好な台日関係の流れを受け、昨年10月には、台日間の特許審査、意匠優先権、環境保全、有機食品輸入などに関する4つの協力覚書が調印されました。今後も台日間の協力を実務的に積み上げていくと同時に、日本が主導するCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)への台湾の参加についても、引き続き日本の支持を得ながら推進していく所存です。
今年は、1月11日に総統選挙および立法委員(国会議員)選挙の投票が実施されます。総統直接選挙は1996年以来、4年に1度実施され、今回で7回目となります。国民一人一人の票で国のトップを選出する総統選挙は、台湾の民主主義をまさに象徴するものです。今後も台湾は自由、民主主義、人権などの価値観を共有する日本や米国などの国々と緊密に連携しながら、アジア太平洋の平和と繁栄に貢献していくことを望んでいます。
さて、新春の台湾を彩る目玉イベントである「台湾ランタンフェスティバル」は、今年は台中市がメイン会場となり、元宵節(旧暦1月15日)に合わせて2月8日より盛大に開催されます。日本の皆様におかれましては、台湾に足を運び、イベントを満喫していただければと思います。
本年が皆様にとり、よい一年となりますようお祝い申し上げます。
【台北駐日経済文化代表処 2020年元旦】