台北市のCO2削減の取り組み、CDPの環境格付けで「Aランク」に
台湾北部の台北市はこのほど、気候変動問題などへの取り組みを評価する国際非営利組織、CDP(旧名称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)から、気候変動対策で都市として2019年度のAランクの評価を受けた。台北市がAランクに格付けされるのは2年連続。
台北市環境保護局はこれについて、温室効果ガス(CO2)の削減は世界共通の課題であり、成果を上げている台北市の取り組みは世界の潮流に合致するものだと表明した。同市は2011年からCDPの取り組みに参加し、毎年CO2削減の成果を報告。CDPは2019年5月、このプロジェクトに参加する世界596都市に対して初めて前年(2018年)の成果に対する格付けを行った。台北市が受けたAランクの評価は、参加都市のうちわずか7%で、アジアでは唯一、一文を割いて紹介された。2019年度は850都市が参加、連続2年でAランク(全105都市)のひとつに選ばれた。
台北市では2015年7月に制定された「温室効果ガス削減および管理法」を受け、同年12月に同法と「サンフランシスコ都市環境協定(San Francisco Urban Environmental Accords)」をもとに、2030年までに年間25%を削減、2005年を基準として2050年までに半減させる目標を策定。さまざまな措置を通じて、2018年には台北市温室効果ガス調査および規格協会(英国規格協会、BSI)の検査に合格し、2005年より96万トン(7.3%相当)のCO2削減に成功した。長期の取り組みが徐々に成果を上げていることが数字となって表れた格好だ。
台北市はサービス業が主力産業で、2018年のデータによれば、温室効果ガスの約70%が電力使用による間接的な排出であり、住宅・商業によるものが約75%、運輸が20%を占めた。このため、市は節電を最優先とし、住宅・商業および運輸を重点とする戦略を立てた。
同市は「節電優先、効率向上、低炭素へのシフト」をモットーに、2018年より「県市共同による住宅・商業共同節電推進アクション」として、サービス業や医療機関、コミュニティ、宿泊施設、学校などでの照明器具や空調、家庭用冷蔵庫の交換、エネルギー管理システム導入などを助成。統計によれば、2018年の電力総使用量は前2017年から1億9,700万キロワット時(CO2換算で43万1,800トン)減少した。運輸では公共交通機関のシステム最適化や、乗り物のシェアリング、自転車シェアリングを拡大、さらに「空気清浄アクション2.0」と合わせ「低汚染、グリーン運輸、地域共同の取り組み」の方針で、環境にやさしい電動車(EV)環境を整備、EVバスの導入、ディーゼル車や2ストロークエンジンバイクの淘汰など各種の措置で、CO2排出量削減に努めた。
CDPはメリルリンチやゴールドマンサックス、HSBCなど世界的な投資金融大手が共同で発起した組織。
Taiwan Today:2020年2月20日
写真提供:台北市環境保護局フェイスブックページより
台北市は気候変動問題などへの取り組みを評価する国際非営利組織、CDPから、気候変動対策で都市として2年連続でAランクの評価を受けた。