第1回「台米経済繁栄パートナーシップ対話」、台米関係の深化で一致
第1回「台米経済繁栄パートナーシップ対話(Taiwan-US Economic Prosperity Partnership Dialogue)」が20日、米ワシントンで開催された。ワシントンにいる米国務省のキース・クラック(Keith J. Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)と、台北にいる鄧振中・行政院政務委員(経済担当の無任所大臣)が進行役を務めた。ワシントンで開催する会議には、経済部(日本の経済産業省に相当)の陳正祺政務次長(=副大臣)が小規模な代表団を率いて出席した。一方、台北では経済部(日本の経済産業省に相当)の王美花部長(大臣)、科技部(日本の文科省に類似)の呉政忠部長、外交部(日本の外務省に相当)の曽厚仁政務次長(=副大臣)などがビデオ会議の方法で参加した。
米国の対台湾窓口機関である米国在台協会(AIT)と、米国における中華民国大使館に相当する台北駐米経済文化代表処(TECRO)はこの会議で、5年間を期限とし、さらに5年間の再延長が可能な備忘録(MOU)を締結した。この備忘録は、ワシントンと台北で毎年交互に開催するハイレベル経済対話を基礎として、より深く、幅広い経済協力を促進すること、双方が今後、「サイエンスとテクノロジー」、「5G(第五世代移動通信システム)と通信セキュリティ」、「サプライチェーン」、「経済分野における女性のエンパワーメント」、「インフラ建設協力」、「投資スクリーニング」、「グローバル・ヘルス・セキュリティ」などの議題について議論することなどを盛り込んだもの。重点は以下のとおり。
サイエンスとテクノロジー
双方は、今後の科学技術協力の深化へ向けた約束とするため、サイエンスとテクノロジーに関する協定締結へ向けた話し合いを行うことで一致した。
5Gと通信セキュリティ
台湾は米国にとって「5Gクリーンパス(Clean Path)」のパートナーである。台湾の生産能力は、米国企業に対して「クリーン・ネットワーク(=中国企業の製品を使わない5G通信網)」方面で堅実な支援を行うことができる。
サプライチェーン
双方は、半導体分野の戦略的協力を優先項目とすることで一致した。また、医療及びその他の関連技術のサプライチェーン構築でも協力する。
経済分野における女性のエンパワーメント
双方は、世界の女性たちが経済分野で活躍できるよう支援することで一致した。
インフラ建設協力
双方は今年9月に調印した「インフラ・ファイナンスと市場構築協力を強化するためのフレームワーク(Framework to Strengthen Infrastructure Finance and Market Building Cooperation)」を通して技術交流や情報共有を強化する。また、インド太平洋地域及び新南向政策の対象国におけるインフラ工事への投資を促進する。
投資スクリーニング(審査)
米国の対米外国投資委員会(CFIUS)と台湾の経済部が、投資スクリーニング(審査)の分野でいかに交流と協力を増進することができるか議論することで一致した。
グローバル・ヘルス・セキュリティ
台湾の個人防護裝備の生産・製造と、米国のワクチン、薬品、試薬の研究・開発はいずれも世界トップレベルである。双方は、デジタルテクノロジーの研究・開発に関する協力強化を通して、ヘルスケア及び医療製品関連のビジネスチャンスを創出することを目指す。
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双方はまた、今後議論すべき地域として「インド太平洋地域」が焦点の一つになり、台湾が推進する「新南向政策」や米国の地域戦略目標と一致する協力イニシアチブを推進することなどを確認した。双方はまた、この経済対話の枠組みの下、いくつかのワーキンググループを発足し、現在及び将来の経済協力の問題を議論し、今後開催するハイレベル対話でより進展が得られるようにすることで一致した。
Taiwan Today:2020年11月23日
写真提供:外交部
第1回「台米経済繁栄パートナーシップ対話(Taiwan-US Economic Prosperity Partnership Dialogue)」が20日、米ワシントンで開催された。写真は、同対話の成果について説明する記者会見の様子。左から外交部の呉釗燮部長、米国在台協会台北弁事処のクリステンセン処長、行政院の鄧振中政務委員、経済部の王美花部長、科技部の呉政忠部長。