台湾と米国、新たな貿易協議の枠組み「21世紀の貿易に関するイニシアチブ」を発足

　行政院の鄧振中政務委員（=経済政策担当の無任所大臣）と米国の米通商代表部（USTR）のサラ・ビアンキ次席代表は１日、オンライン会談を行い、その後、台湾と米国の新たな貿易協議の枠組みとなる「21世紀の貿易に関する台米イニシアチブ（U.S.-Taiwan Initiative on 21st Century Trade）」の発足を発表した。台湾と米国がより高い水準の貿易協定を結ぶためのロードマップとなる。双方は今月末にも米ワシントンで初会合を開く。これを受けて外交部は、「台湾と米国の経済・貿易関係が新たな段階に入ったことを歓迎する。双方が経済連携の強化に高い意欲を持つこの状況下で、このイニシアチブによって速やかに具体的成果が得られると信じている」とするニュースリリースを発表した。

　「21世紀の貿易に関する台米イニシアチブ」の協議の対象となるのは、デジタル貿易、貿易の円滑化、法規制の原則、中小企業の貿易支援、環境保護、規格、非市場経済政策など計11項目。これらはいずれも、インド太平洋地域の経済発展の重点でもあり、台湾と米国が優先的な貿易パートナーとして経済連携を強化していこうとする重大な戦略的意味が込められている。台湾と米国の間には、すでに経済・貿易対話のプラットフォームがいくつか存在している。例えば「貿易及び投資枠組み協定」（TIFA）、「台米経済繁栄パートナーシップ対話」（EPPD）、「技術貿易と投資に関する協力の枠組み」（TTIC）などがあり、双方が関心を寄せる二国間あるいは地域の経済・貿易の課題について意見交換をしてきた。

　今回の新たなイニシアチブは、台湾と米国がさらに全方位的で実質的、より進んだ経済・貿易のパートナーシップを作り出そうとするもの。台湾にとっては、世界経済との結びつきを強めるための助けとなるほか、インド太平洋地域における台米の経済連携の深化にもつながると期待される。

　外交部はこれからも国内の経済・貿易関連の省庁と連携し、米国との経済・貿易パートナーシップのレベルアップを図る。このイニシアチブに基づく経済連携を深めながら、引き続きアメリカが提唱するインド太平洋経済枠組み（IPEF）への参加を目指しつつ、自由で開かれたインド太平洋地域の安定と繁栄を促進していきたいと考えている。

Taiwan Today：２０２２年６月２日

台湾と米国、新たな貿易協議の枠組み「21世紀の貿易に関するイニシアチブ」を発足

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