頼副総統、日本の参議院議員2名の表敬訪問受ける

　頼清徳副総統が19日午前、日本の北村経夫参議院議員と堀井巌参議院議員の表敬訪問を受けた。頼副総統はまず、両議員の訪台を歓迎すると共に、台湾で1月13日に総統選挙が行われたことに対して日本政府と国会がただちに祝意を表したことに感謝、「特に北村議員と堀井議員はこれを祝うため自ら台湾に来てくれた」と喜んだ。

　頼副総統は、台湾と日本がこれまでに築いた関係を基礎に、引き続きそれを強化し、各種協力を進めていけるよう希望したほか、日本の故安倍晋三元首相の母親、安倍洋子女史が先ごろ死去したことに哀悼の意を表し、遺族へのお悔やみの言葉を述べた。

　頼副総統は、世界最大の半導体ファウンドリ・台湾積体電路製造（TSMC）の熊本工場が24日に開所式を行うことに言及、日本政府と国会による強力なサポートのおかげで、工場を1年8カ月で完成させることが出来たと感謝した。また、TSMCが先ごろ熊本に第2工場を建設すると発表したことについては、「台日の今後の産業提携にとって、そして新たなインテリジェンスの時代に共に向き合っていく上で重大な意義を持つ」と強調。頼副総統はさらにTSMCのほかにも聯華電子（UMC）や力晶積成電子製造（PSMC）、日月光（ASE）など台湾の半導体関連企業が日本に投資していると指摘し、日本政府と国会のサポートの下、これら企業の投資は将来の台日連携に間違いなく大きく役立つはずだと期待した。

　頼副総統はまた、「北村氏と堀井氏は長年台湾海峡の平和と安定に関心を寄せ、国防や国家安全保障、外交分野でいずれも豊かな研究と経験、貢献を重ねている」として、今後台湾と日本が地域の平和と安定を維持していく上での両議員の協力を要請した。

　一方、北村議員は、今年1月1日に能登半島地震が起きた際、蔡英文総統と頼副総統はただちにお見舞いと哀悼のメッセージを寄せ、台湾の人々は積極的に義援金を寄付してくれたと改めて感謝。また、安倍洋子女史の死去に際して蔡総統と頼副総統がいずれもSNSに日本語で哀悼のメッセージを投稿したことについても、安倍元首相の夫人、昭恵女史の頼副総統への謝意を言付かって来たと説明、さらに昭恵女史からの謝意を蔡総統にも伝えてくれるよう要請した。

　北村議員は、安倍元首相は自由で開かれたインド太平洋戦略として、台湾と日本が緊密に連携し、共同でインド太平洋地域の平和と繁栄を推進・維持していく必要性を主張していたと指摘。安全保障、経済貿易、観光交流、社会福利などはいずれも両国が連携を強化すべき分野だが、特に経済関係の強化は極めて重要であるとの見方を示した。北村議員は、台湾と日本はいずれも民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有しているほか、非常に重要なパートナーであり友人だとして、これからも協力を継続していけることに期待を寄せた。

Taiwan Today：２０２４年２月２０日

写真提供：総統府サイトより
　頼清徳副総統（中央）が19日、日本の北村経夫参議院議員（左）と堀井巌参議院議員（右）の表敬訪問に応じ、台湾が日本と共同で地域の平和と安定を維持していく上での両名の協力を求めた。