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  中華人民共和国駐福岡総領事が2025年12月29日付琉球新報に寄稿した謬論への反論 - Naha Branch, Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan 台北駐日経済文化代表處 那霸分處 :::
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中華人民共和国駐福岡総領事が2025年12月29日付琉球新報に寄稿した謬論への反論

中華人民共和国駐福岡総領事が20251229日付琉球新報に寄稿した謬論への反論

一、台湾海峡をめぐる客観的現状及び日本参議院議員・石平氏の訪台について
中華民国(台湾)は1912年の成立以来、主権を有する独立国家であり、1949年に成立した中華人民共和国とは相互に隷属関係にない。中華人民共和国が台湾を統治した事実は一度もなく、台湾が中華人民共和国の一部でないことは、現在の台湾海峡の現状であり、国際社会においても広く認識されている客観的事実である。
この点を最も具体的に示す事例として、日本参議院議員である石平氏(かつて中華人民共和国国籍を有し、その後日本国籍を取得)が挙げられる。同議員は2025年9月に中華人民共和国から制裁および入境禁止措置を受けたが、2026年1月6日には問題なく台湾に入境した。石平氏は台湾の空港において、「この事実は、中華人民共和国と中華民国が完全に異なる国家であることを十分に示している。台湾は決して中華人民共和国の一部ではなく、台湾は台湾であり、中華民国であって、中華人民共和国とは何ら関係がない。台湾は独立した国家である」と公言した。

二、国連総会第2758号決議は台湾に言及しておらず、台湾とは無関係であり、中華人民共和国のいわゆる「一つの中国原則」を体現するものではない
1971年に採択された国連総会第2758号決議は、「中国の代表権」の帰属のみを決定したものであり、両岸に関する記述は以下のとおりである。
「中華人民共和国政府の代表が、国際連合における中国の唯一の合法的代表であることを承認し、中華人民共和国が安全保障理事会の常任理事国の一つであることを認める。

決定:中華人民共和国のすべての権利を回復し、その政府の代表を中国の唯一の合法的代表として承認し、蒋介石の代表を、国際連合およびそのすべての関連機関において不法に占拠している議席から即時に追放する。」
このように、本決議は中華人民共和国が国連において中国を代表することのみを定めたものであり、全文を通じて台湾には一切言及していない。また、台湾を中華人民共和国の一部と認定したものでもなく、中華人民共和国に台湾を代表する権限を付与したものでもない。従って、本決議は台湾とは無関係である。中華人民共和国が本決議を「一つの中国原則」の法的根拠であると曲解し、「台湾を含む全中国の国連代表権問題を政治的、法的、手続的に解決した」と主張することは、歴史的事実に反するのみならず、法的根拠を欠くものである。

三、国連総会第2758号決議は、国連専門機関、加盟国及びその他の国際機関を拘束しない
国連憲章第12条から第14条、国連総会第396号決議、1971年の国連事務総長書簡、国連事務局法務局(OLA)による1962年の法的意見、及び国際司法裁判所規程第38条に定める国際法の法源に照らせば、国連総会決議および法務局によるその解釈はいずれも国際法上の拘束力を有しない。従って、国連専門機関、国連加盟国、その他の国際組織を拘束するものではなく、各国がこれを遵守する義務は存在しない。各国は自由に台湾と外交関係を構築することができ、台湾を代表して国連やその他の国際組織・枠組み・活動に参加する正当な権限を有するのは、民主的選挙によって選出された台湾の政府のみである。

四、中華人民共和国の「一つの中国原則」は国際的コンセンサスでも、普遍的な国際慣行でもない
中華人民共和国は、世界183か国が「一つの中国原則」に基づいて中華人民共和国と国交を樹立していると主張しているが、実際に同原則を明確に受け入れている国は57か国にとどまる。米国を含む多くの国々は、それぞれ独自の「一つの中国政策」を採用している。この事実は、中華人民共和国の主張する「一つの中国原則」が国際社会における普遍的な合意や慣行ではなく、国際関係の基本原則や国際慣習法となり得ないことを明確に示している。

五、中華人民共和国は国連総会第2758号決議を曲解・武器化し、将来的な対台湾武力行使の法的基盤を構築しようとしている
中華人民共和国は、国連総会第2758号決議を継続的に曲解し、これを不当に「一つの中国原則」と結び付けることで、台湾の国際機関参加を制限・排除し、台湾の主権および台湾人民の権利を侵害している。さらに、同決議の武器化および「一つの中国原則」の国際化を通じて、他国に自らの政治的主張を受け入れさせ、国際秩序を改変し、将来的な武力侵攻に向けた法的根拠を構築しようとする意図が明白である。

六、サンフランシスコ平和条約はカイロ宣言およびポツダム宣言に取って代わった
1943年のカイロ宣言では、「日本が中国人から盗取したすべての領土、例えば満洲、台湾及び澎湖諸島は中華民国に返還されるべきである」とされている(中華人民共和国ではない)。1945年のポツダム宣言第8項は、カイロ宣言の履行を重ねて確認したものであるが、中華人民共和国は1949年成立であり、これらはいずれも同国とは無関係である。
第二次世界大戦後、国際法上の効力を有する1951年のサンフランシスコ平和条約第2条は、「日本国は台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」と定めている。同条約は49か国により署名され、カイロ宣言やポツダム宣言といった政治的声明に取って代わった。同条約では台湾を中華人民共和国に帰属させておらず、中華人民共和国が台湾を統治した事実も存在しない。
また、「日中共同声明 日本側草案対中説明」において、日本は「サンフランシスコ平和条約により台湾に対する一切の権利を放棄しており、台湾の現在の法的地位について独自の認定を行う立場にはない」と説明しており、この政策は現在も継続している。従って、中華人民共和国が台湾を含む全領土に対する主権を行使しているとの主張は、意図的な誤導にほかならない。

七、台湾海峡問題は平和的に解決されるべきである
「日中共同声明 日本側草案対中説明」は、日本政府の基本的立場として、台湾問題は終始平和的手段によって解決されるべきであると明確にしている。当時、条約法律局長であった栗山尚一氏(元駐米大使)も、両岸が平和的に統一される場合は中国の内部問題となり得るが、武力による場合は内政問題とはならないと指摘している。
しかし中華人民共和国は、2022年8月以降、台湾周辺で少なくとも6回にわたる軍事演習を実施し、平和的解決の前提を明白に侵害している。国連総会第2758号決議を不当に引用するこれらの行為は、台湾を法理的に併吞しようとする露骨な試みである。

八、中華人民共和国国民の台湾渡航には入出境許可が必要である
現在、沖縄県に居住する中華人民共和国国民が台湾を訪問する場合、本処において入出境許可証の申請が必要であり、2025年には267人と過去最高を記録した。仮に台湾が中華人民共和国の国内旅行先であるならば、香港やマカオと同様に許可申請は不要であるはずであり、この事実自体が台湾が中華人民共和国の一部ではないことを明確に示している。

九、日本が現在も維持する政策と「事情変更の原則(rebus sic stantibus)」
(一)事情変更の原則に照らせば、日中共同声明および国連総会第2758号決議はいずれも特定の歴史的背景の下で形成されたものであり、国際法上、事情の根本的変化は当事者の権利義務に影響を及ぼし得る。日本が現在も維持している両岸政策は以下のとおりである。

  1. 日本外務省は、日中共同声明に基づき、台湾と非政府間の実務関係を維持し、両岸が対話を通じて平和的に問題を解決することを期待している。
  2. 2025年11月26日、高市早苗首相は公に、「サンフランシスコ平和条約により、日本は台湾に対する一切の権利を放棄しており、台湾の法的地位について独自の認定を行う立場にはない」と述べた。

(二)現在の台湾海峡情勢は1970年代とは大きく異なる。台湾は1996年以降、民主的な総統直接選挙を実施しており、政治体制は中華人民共和国と本質的に異なる。2025年7月15日に台湾民意基金会が公表した世論調査によれば、77.4%が自らを「台湾人」と認識し、「中国人」と認識する割合は6.4%にまで低下している。栗山尚一氏も、民主主義が台湾社会に深く根付いており、圧倒的多数の台湾住民が体制の異なる中華人民共和国との統一を望んでいないことを認めている。
現在の国際情勢は1972年当時と根本的に異なり、中華人民共和国が武力行使を放棄せず、度重なる軍事演習によって現状変更を試みていることは、「日中共同声明 日本側草案対中説明」において強調された「平和的解決」という大前提を著しく逸脱するものである。

十、結論
台湾は歴史的にも法的にも一度たりとも中華人民共和国に属したことはなく、その事実関係は極めて明確である。日本は台湾が中華人民共和国の一部であるとは承認しておらず、これは日本政府が行ってきた厳粛かつ一貫した立場である。中華人民共和国は、日本との間で確認された「台湾問題の平和的解決」という立場を誠実に遵守すべきであり、これを空洞化させてはならない。台湾は今後も国際社会と緊密に連携し、中国による一方的な現状変更の試みを抑止し、台湾海峡の平和とインド太平洋地域の長期的安定を共に守り続けていく。