【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2025年4月第3週TOPICS
【台湾と日本は「特殊な国と国の関係」 林外交部長=日本関連書籍の発表会に出席-政治-】
(台北中央社)林佳竜(りんかりゅう)外交部長(外相)は16日、現代日本の変遷に関する書籍の発表会に出席し、台日関係について「特殊な国と国の関係」だと述べ、日本で有事が起こった場合、台湾も他人事ではいられないとの考えを示した。
発表会は台北市内で開かれ、林氏の他、謝長廷(しゃちょうてい)前駐日代表(大使に相当)や日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の片山和之台北事務所代表(同)らが出席した。
林氏は世界の地政学や産業のサプライチェーン(供給網)が再構築される重要なこの時に、台日関係はまさに、自身が提唱する政治、安全保障、経済の「トリプルチェーン」戦略が結び付く場所だと指摘。台湾と日本がともに中国の防衛ライン「第1列島線」に位置している他、民主主義陣営による「非レッドサプライチェーン」や世界における民主主義の価値観のチェーンを構成していることを挙げた。その上で、台日関係が価値観や理念が近いのみならず、安全保障上の同盟関係を有することができるよう期待を寄せた。:2025年4月16日
【詐欺事件の防止に 顔を隠してATM操作なら警告音 一部地域で5月から/台湾–社会-】
(台南中央社)詐欺事件の被害を防ぐため、マスクやヘルメットなどで顔を隠して現金自動預払機(ATM)を操作した場合に警告アナウンスを流し、その後に警告音を鳴らす仕組みが5月から南部・台南市で導入される見通しとなった。黄偉哲(こういてつ)台南市長は15日、警察の捜査に役立つ他、抑止力になると期待を寄せた。
黄市長は、詐欺グループはマスクやヘルメットを着用したままATMを利用することが多いと指摘。今回導入される仕組みではAI(人工知能)を使い、顔を隠した人がATMを操作すると、顔を露出するよう求めるアナウンスを流し、10~15秒後に顔が判別できなければ警告音を鳴らすと語った。近くにいる人や金融機関の職員などの注意を引き付けられるとしている。
政策研究や評価を担う台南市政府研究発展考核委員会の蒙志成主任委員は、新型コロナウイルスの流行期に利用されたマスク着用の有無を判別するシステムを応用すると説明。警察側から提供される情報を基に、詐欺による引き出しが多い場所に試験的に導入し、効果が確認できれば市全域に展開するとした。:2025年4月16日
【彰化県の若手コーヒー農家、日本市場に熱いまなざし 酸味少ない味が魅力/台湾–経済-】
(台北中央社)中部・彰化県の八卦山でコーヒー農園を営む若手生産者の張智閔さんは、酸味が控えめな味わいの八卦山のコーヒーが日本の人々の好みに合っていることに気づいたのをきっかけに、日本への販売機会を広げている。20日には石川県で開かれるイベントで、日本のコーヒー愛好家にその味を紹介する予定だ。
競争が激しいとされる台湾のコーヒー市場。台湾産のコーヒーは生産規模が輸入品より小さいこともあり、生産者は栽培と焙煎ができるだけでは太刀打ちできないと言われる。こうした中で若手生産者たちは、独自の方法を見つけて持続可能な経営を目指している。
張さんはこれまで、資源を再利用し有効活用するサーキュラーエコノミー(循環経済)の流行に目を付けて、コーヒーかすを材料に取り入れた有機肥料や線香、せっけんなどを開発。線香は宗教行事「媽祖巡行」の際に人気を博し、200キロ以上を売り上げたという。
八卦山のような標高が低い土地のコーヒー豆は、風味の豊かさといった面で標高が高い場所のコーヒー豆に及ばず、国内ではあまり注目されていないと語る張さん。だがある日、母と話していると、日本から出張で台湾を訪れた客が張さんのコーヒーを試飲して気に入り、その後も毎年のようにコーヒーを買いに来ていると聞かされ、酸味の少ない味わいが日本の消費者の味覚に合っていることを知った。
張さんは農業部(農業省)の傘下機関が日本市場へのコーヒー販売に近年力を入れていることと、良好な台日関係に後押しされて日本市場への進出を始めた。ここ2年間の売上高は小規模ながらも全体の1割を占めており、現在も成長段階にある。
20日に石川県金沢市で開かれる「金沢コーヒーヴィレッジ」では、張さんのオリジナルブランド「長日珈琲」(チャンリーコーヒー)が出店する。張さん自身も現地を訪れる予定で、コーヒーかすを使った消臭グッズの手作り体験を行うなどして、3年の月日をかけて開発したエコ製品もPRしたいと話している。:2025年4月16日
【風の谷のナウシカ、台湾で興収1億7000万円突破 限定版ポスターを再配布–芸能スポーツ-】
(台北中央社)台湾で先月公開された宮崎駿監督の映画「風の谷のナウシカ」の興行収入が15日までに4000万台湾元(約1億7500万円)を突破した。19、20日には特別上映を開催し、公開初週に来場者特典として登場して話題を呼んだ台湾限定の「王蟲」(オーム)のポスターを再び配布する。
スタジオジブリ作品は台湾でも高い人気を誇るが、同作はこれまで劇場上映されておらず、先月6日に公開された。「王蟲」のポスターは台湾の有名グラフィックデザイナー、ジョー・ファン(方序中)さんがデザインを手掛けた。その美しさから注目を集め、手に入れようとするファンが続出。ポスターフレームまで品薄状態となるほどの現象を巻き起こした。
配給会社によれば、同ポスターは6万枚限定で刷られ、1枚1枚にシリアルナンバーが印刷されている。今回配布するのは映画館からの回収分から破損品を除いたものだという。同一上映回のチケットを2枚購入すると、ポスターを1枚もらえる。:2025年4月17日
【台湾鉄道、「媽祖」祭る廟とコラボの駅弁を販売 ご当地食材取り入れ–觀光-】
(台北中央社)台湾鉄路(台鉄)は、5月に宗教行事「媽祖巡行」(進香)を行う中部・苗栗県通霄鎮の廟、白沙屯拱天宮とコラボレーションした弁当を18日から販売する。副菜には、通霄鎮で生産される彩り豊かなトウモロコシやラッカセイが取り入れられる。
同廟の媽祖巡行は、台湾で広く信仰される航海の女神、媽祖の像が載せられたみこしと共に、信者らが中部・雲林県の北港朝天宮との間を練り歩くもの。今年は5月1日から11日にかけて行われる。
台鉄によれば、弁当は福や平安を象徴して「福安弁当」と名付けられた。秘伝の調味液で煮込んだ豚肉がメインのものと、肉類を使わず、魚に似せて作った菜食主義者向けの食材を主菜にしたものの2種類が用意される。
いずれも130台湾元(約570円)。台鉄の台中駅、彰化駅、新竹駅と高速鉄道(高鉄)の台中駅構内にある台鉄弁当店で5月11日までの毎日、各店の昼食の営業時間中に販売される。:2025年4月17日