【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2026年4月第3週TOPICS
- 【インタビュー/ 陸自と海自の元幕僚長、台湾の社会強靭性強化の取り組みを評価-政治-】
(台北中央社)台湾の頼清徳(らいせいとく)政権は、2024年から社会全体の強靭(きょうじん)性を強化し、国家が緊急事態や自然災害に直面した際、政府と社会が通常の働きを維持できるようにする取り組みを進めている。これについて11日、政治団体が台北市内で主催した関連の国際フォーラムに出席した武居智久・元海上幕僚長と岩田清文・元陸上幕僚長に話を聞いた。
▽武居智久・元海上幕僚長 台湾の取り組み「日本は学ぶところある」
武居氏は、台湾が進める全社会防衛強靱性強化について、中国の侵攻を想定した軍事演習「漢光演習」などに組み合わせて実施していることなどに触れ、「熱心にやっている。日本は学ぶところがたくさんある」と語った。
台湾ではエネルギー確保や災害救助、予備役の動員などを一体的に考えているとした上で、台湾有事が日本に波及した場合を想定すると、「(日本も)社会の強靭性(強化)は考えていかなければならない段階にある」と述べた。
▽「台湾は脅威の正確な判断が必要」
台湾では国産潜水艦の試作艦が建造され、海軍への引き渡しに向けた試験が行われているが、予定は大きく遅れている。38年までに7隻を建造する計画だが、武居氏は、脅威が迫った場合、大型で時間のかかる潜水艦建造を一時的にやめ、即応性の高い装備に投資するだろうとの見方を示す。その上で、脅威を正確に判断し、防衛に充てるリソースを再配分することが必要になってくると思うと語った。
また中国は台湾侵攻に向け、警戒監視や指揮統制の強化、航空機の製造や船舶の建造に努力しているとし、台湾もこれに対抗するため、国防予算案を立法院(国会)で早期に通過させる必要があるとの認識を示した。
▽岩田清文・元陸上幕僚長 国際連携強化の重要性強調
岩田氏は、台湾の社会防衛強靱性強化の取り組みについて、非常に重要で、ロシアによるウクライナ侵攻の実態についてもよく分析していると語る。現在の戦争は、戦場の兵士だけでなく、後方地域の都市部、工場、火力発電所、水源地など国家全体が攻撃を受け、「国家総力戦になっている」と指摘。「消耗戦の時代になっている時に、どうやって(戦争を)止めるかというと、社会全体の強靭性を増すこと」だとし、「非常に敬服する」と評価した。
また台湾が米国と15年に立ち上げた「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF)に触れ、台湾は高度な専門知識を世界と共有するプラットフォームとして米国、日本、オーストラリア、カナダとサイバーや医療、災害といった分野で準同盟的なネットワークを構築していることは素晴らしいことだと述べた。
中東情勢の悪化に伴い、シーレーン確保の重要性がより高まったことについては、今後南シナ海が中国の影響で封鎖された場合の準備をすると同時に、マラッカ海峡など中国が必要とする航路を米国に要請するなどして封鎖する抑止の方法を考える必要があると指摘。中国が主張する海上の防衛ライン「第1列島線」の国々のネットワークづくりの重要性も強調した。
▽「台湾の国土や地形に合わせた兵器体制が必要」
陸上自衛隊が熊本に25式地対艦誘導弾を配備したことについて岩田氏は、2022年に岸田政権が策定した国家安全保障戦略、国家防衛戦略などに基づくもので、独自に反撃力を持つことで日本の抑止力を高めることが目的だと説明。東アジアの抑止力向上にもつながるとの認識を示した。
ロシアによるウクライナ侵攻ではドローンの活躍が目覚ましい一方で、台湾は現在、M1A2T「エイブラムス」戦車を米国から調達し、配備を進めている。このことについては、地上戦では小銃を持った歩兵が立つ場所が国境線だとしてその存在の重要性を強調した上で、戦車は歩兵を支援するものだと説明。ドローンの性能や効果を認めつつも、「最終的に陣地を確保して取り返すには戦車が必要」だとした。
ただ、「一つの兵器さえあれば勝てるというものではない」とし「総合的に台湾の国土や地形に合わせた兵器体系が必要だ」と語った。:2026年4月15日
- 【嘉義市の旧市公所庁舎、改修完了 民間の運営委託先選び一般公開へ/台湾–社会-】
- (嘉義中央社)南部・嘉義市で約7年にわたり進められてきた歴史建築、旧市公所(役所)庁舎の改修計画・工事が完了した。歴史的な外観を残しつつ、新たなデザインの理念も取り入れ、文化と嘉義の精神を兼ね備えた新たな空間となった。今後民間の運営委託先を選んだ上で、一般に公開される予定だ。
- 嘉義市政府が16日に発表した報道資料によると、旧市公所庁舎は2016年に歴史建築に登録され、保存と再利用のプロジェクトが進められてきた。19年から計画・設計費として385万台湾元(約2000万円)を計上した他、22年からは3カ年計画で総額2億5730万元(約13億円)を投じ、工事が実施された。
- 黄敏恵(こうびんけい)市長は、日中には建物本来の姿、夜間にはライトアップで一層の美しさを見せ、時間帯ごとに異なる独特の風貌を見せると紹介。1階と2階の運営委託先募集はすでに始まっていると語った。
- 嘉義市政府財政税務局などによると、旧市役所庁舎は1954年に建設。82年に嘉義市が省轄市に昇格すると、98年まで市政府のオフィスとして使われた。嘉義市で唯一、完全な形で残されている市政関連の歴史建築で、市の昇格の歴史を見届けたとともに、地方自治の歴史を物語る重要な記念的空間だという。
- 改修作業では洗い出し仕上げの外壁、人造石の階段、木製の扉や窓を残したと説明。作業中に見つかった遺構や貴重な施工技法なども複数見つかり、保存したとしている。:2026年4月17日
- 【台湾の脱炭素への取り組み伝える書籍、日本語版が出版 行政と市民の協働を紹介–文化-】
- (東京中央社)台湾での脱炭素社会の実践を紹介する書籍「ゼロ・エミッションへの挑戦―台湾発:未来をつくる行動のデザイン」が今月、日本で出版された。14日に東京都内で開かれた出版記念イベントでは、書籍で具体事例が取り上げられている「サンドボックス型実証」に焦点を当て、市民団体や企業・政府の協働を通じて脱炭素の道筋を立てる方法について議論された。
- 書籍は政府系研究機関、国家実験研究院が台湾で昨年1月に出版した「起萌行動:公民零碳実験室」を日本語に翻訳したもの。
- イベントは台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)台湾文化センターで行われた。同処科技(科学技術)組の呉嘉文組長はあいさつで、日本と台湾はいずれも2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」の目標達成に向け、推進戦略の策定と市民参加の仕組みの強化を進めていると話した。
- その上で、書籍ではストーリー形式でネットゼロに関する台湾各地のサンドボックス実証事例を記録し、市民社会がネットゼロに向けたトランスフォーメーション(転換)に関与する多様な姿を示していると紹介。日本語版の出版を通じて、ネットゼロに向けたトランスフォーメーションや社会イノベーション、地域ガバナンス(統治)の分野で日台の交流や協力が一層深まることに期待を寄せた。
- 書籍の推薦者として登壇した青柳仁士衆院議員(日本維新の会)は、台湾のこの分野での努力は社会の活力を示すだけでなく、今後の日台間における持続可能性やイノベーションといった分野の交流にとって良い出発点になるとの考えを示した。:2026年4月15日
- 【東北楽天・宋家豪が1球勝利 日本プロ史上49人目、台湾人投手では初–芸能スポーツ-】
(新北中央社)東北楽天ゴールデンイーグルスの宋家豪投手は15日、みずほペイペイドーム(福岡市)で行われた福岡ソフトバンクホークス戦に2番手で登板し、1球で勝ち投手になった。日本プロ野球での1球勝利は49人目で、台湾人投手としては初めて。
楽天は七回裏、先発の古謝樹が2点目を取られて同点になり、1死一、三塁で宋が登板。初球で今宮健太を中飛に打ち取った。また三塁走者の牧原大成が本塁を狙ったが中堅の辰己涼介がタッチアウトとし、ピンチを切り抜けた。
八回表に2死から村林一輝が初球を捉え、決勝のソロ本塁打を放った。同回裏には鈴木翔天がマウンドに上がってリードを守り切ったため、宋が投球数1で勝利投手となった。
宋は今季7試合に登板し、2勝0敗、防御率1.42、1ホールドをマークしている。:2026年4月 16日
- 【TSMC / TSMC、1~3月の売上高が過去最高に 年間では30%超の増加見込む/台湾–経済 -】
(新竹中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は16日の業績説明会で、今年第1四半期(1~3月)の売上高が359億米ドル(約5兆7千億円)で過去最高となったと発表した。魏哲家(ぎてつか)董事長(会長)兼最高経営責任者(CEO)は、人工知能(AI)関連の需要が依然として非常に根強く、今年1年間の売上高は30%超の増加を見込んでいると話した。
第1四半期の売上高は前期比8.4%増、前年同期比35.1%増。親会社に帰属する純利益は前期比13.2%増、前年同期比58.3%増の5724億8千万台湾元(約2兆8624億円)で、こちらも過去最高だった。
同期の売上の25%が3ナノ半導体、36%が5ナノ半導体、13%が7ナノ半導体で、7ナノまでの先端半導体が全体の74%を占めた。
魏氏はAI需要に応えるために投資を加速し、3ナノ半導体の生産能力を強化すると説明。南部・台南市内の工場で3ナノの製造プロセスを整備しており、来年上半期の量産開始を予定している他、すでに建設が終わっている米アリゾナ第2工場では来年下半期に、建設中の熊本第2工場では2028年に、それぞれ3ナノ半導体の量産を始める予定だと語った。
また、台湾にある5ナノの製造プロセスを3ナノに転換していく考えも示した。
投資家からは、米実業家のイーロン・マスク氏が主導する半導体工場「テラファブ」の構想による影響に関心が高まっている。これについて魏氏は、半導体受託生産では新たな工場の建設に2~3年、その後の量産化と歩留まり向上にさらに1~2年を要し、近道は存在しないと言及。TSMCの核となる強みは、技術での優位性や生産能力、顧客からの信頼にあり、特に「サービス」が重要だと述べた。:2026年4月16日