【 国家災害防救科技中心、日本の防災科学技術研究所と5カ年協定 -台日- 】
科技部(日本の文科省に類似)所管の行政法人国家災害防救科技中心(略称NCDR)は10日、日本の文部科学省所管の国立研究開発法人防災科学技術研究所(略称NIED)と防災協力に関する5カ年協定に署名した。双方はこれまでの協力経験をふまえ、今後も地震、地滑り、洪水等に関する防災科学技術に関する交流を強化し、同時に防災情報の応用についても経験を共有していく。茨城県つくば市に本部を置く国立研究開発法人防災科学技術研究所は、日本各地に実験施設や観測施設を所有している。1963年の創立以来、防災科学技術に関する基礎研究、実験施設、研究部門などを次々に設立。地震、火山、洪水、崩落、異常気象など自然災害の研究に取り組み、防災科学技術の基礎研究の普及に力を入れている。同時に災害対策や災害に強い街づくりなどの分野でも研究を進めている。科技部所管の行政法人国家災害防救科技中心とは2007年以降、交流を展開している。行政法人国家災害防救科技中心の陳宏宇主任はこの協定署名式で、「台湾と日本が直面する災害のタイプはほぼ同じだ。このため防災科学技術を発展し、政府や市民の防災・減災に協力する必要がある。台湾のNCDRと日本のNIEDは長年の交流があり、防災科学技術の経験共有で一定の成果を挙げてきた」と述べた。これに対してNIEDの林春男理事長は、「NCDRはこれまで、防災研究の成果を確実に応用してきた。今後も協力を深め、防災情報や経験の共有及び交流を通し、分野を超えた防災協力を展開していきたい」と意気込みを見せた。
Taiwan Today:2020年03月12日
【 台湾がEUと提携、高齢化問題を解決 -外交- 】
科技部は、中華民国(台湾)を代表して、2019年9月に、EU(欧州連合)の高齢者生活支援を推進する「AAL(Active and Assisted Living Programme)協会」のメンバーとなった。同協会においては、台湾が初めてのアジア地域のメンバーだ。さらに2月、AALが推進するプロジェクト「デジタルソリューションを利用した健康的な高齢社会の実現」への参加が決定した。AAL協会は2014年から、欧州委員会、欧州加盟国22カ国と非加盟国のカナダなどによって計画、出資して設立された。AALは、高齢者のQOL向上を目的に、健康的な高齢社会実現のための技術発展やイノベーション産業への支援を行っている。各プロジェクトは、中小企業、研究機関、エンドユーザーが提携して組織されたグループによって進められており、デジタル時代の新潮流、ICT(情報通信技術)を駆使して、慢性疾患管理、社会的包摂サポート、日常生活の管理など高齢化社会が抱える課題の解決を目指している。台湾は2026年、人口に占める65歳以上の高齢者が21%を超える「超高齢社会」に突入すると言われている。そのような中、台湾では長年に渡って、AI(人工知能)研究、看護のハイテク化、医療機器産業のイノベーション推進で、高齢化におけるイノベーションの大きな潜在的価値を見出だしてきた。政府の重要な政策には、スマートビークルの応用を拡大することで、健康的な生活モデルのサービス環境や科学技術に関するサポートのサービスリソースの統合を促進し、多様な介護サービスを提供することが含まれている。科技部が2019年から推進する「補助科技研究」プロジェクトは、高齢社会における高齢者介護の技術的なニーズに応えられるよう期待が持たれている。2019年にAAL協会の正式メンバーとなった台湾は、健康的な高齢社会に向けたデジタルソリューション分野における経験を国際社会と共有できると共に、様々な国々とパートナーシップを構築することができる。これは、台湾の学会(老年学研究所など)、医学界(遠隔医療センターなど)、産業界(医療機器のサプライチェーンなど)と政府が掲げる「長期照顧(介護)十ヶ年計画 2.0」など、様々な組織・部門の統合にも一役買うとみられる。高齢社会で直接適用できる完全に統合された産業チェーンを構築できれば、台湾だけでなく世界が抱える高齢化問題の研究に役立ち、台湾とEUの協力関係の強化にもつながる。
Taiwan Today:2020年03月11日
【 米、台湾とワクチン共同開発へ 総統府「協力深化願う」 新型コロナ -政治- 】
米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)は15日、公式フェイスブックを更新し、新型コロナウイルス対策で台湾の衛生福利部(保健省)と連携を強化していくとする米国の立場を表明した。ワクチンや治療薬も共同開発するという。総統府はこれを歓迎し、米国との各分野における協力深化を願うとした。AITはフェイスブックで、台湾が感染症予防で豊富な経験を持つことに触れ、新型コロナウイルスの感染抑止策の効果も明らかだと指摘。米国は台湾と最良の方法を分かち合っていくとした上で、ワクチンなどの開発でも協力する方針を示した。外交部(外務省)官僚はAITがフェイスブックで台湾とのワクチン共同開発などに言及したことについて、台米関係における大きな発展といえるとの見方を示した。また、台湾の感染対策が国際的に評価されたとし、政府が世界の医療に貢献し続けることで、台湾は国際的な医療体制の中でなくてはならない存在になっていくことになると話した。
中央フォーカス台湾:2020年03月16日
【 台湾鉄道の電化工事が大詰め 「最も景色美しい路線に」 -観光- 】
台湾鉄路管理局(台鉄)の幹線の電化工事が大詰めを迎えている。台東(東部)と枋寮(南部・屏東県)を結ぶ南廻線の多良駅周辺の区間は、海に沿って高架橋が続いており、絶景が楽しめると注目を集めている。開通後は車内にいるにもかかわらず、まるで海に浮かんでいるような気分が味わえるという。台鉄は電化プロジェクトを進めており、これまでは南廻線と屏東線の一部区間で工事が進められてきた。台東県・太麻里郷にある多良駅は、山と山の間にあり、2つのトンネルに挟まれている。利用者の減少で2006年に廃駅となったが、壮大な太平洋に面しており、山と海の景色を一度に見渡せることから、「台湾で最も景色の美しい駅」として知られている。全長は約2.7キロで、乗客が車窓から海の景色を楽しめるように電柱を山沿いに設置する配慮がなされ、「最も美しい路線になるだろう」と鉄道ファンからすでに期待されている。電車の運行開始は年末を予定しており、これに先立って、ディーゼル車は5月か6月にも走行可能だという
中央フォーカス台湾:2020年03月16日