【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2025年5月第2週TOPICS
【頼総統、ヨーロッパ戦勝記念日関連式典に出席 自由国家の団結訴え/台湾-政治-】
(台北中央社)第2次世界大戦でドイツが連合国に降伏してから80年を迎えた8日、台北市内で記念茶会が開かれた。外交部(外務省)が主催した。出席した頼清徳(らいせいとく)総統はあいさつで「歴史の教訓を決して忘れてはならない」と述べ、自由を愛する国々が団結する重要性を訴えた。
台湾が5月8日のヨーロッパ戦勝記念日を記念した催しを開催するのは初めて。茶会には17カ国と欧州連合(EU)の代表が出席した。
頼総統は、当時の枢軸国は皆、今では完全な民主主義国家になっているとし、自由と民主主義こそが真に国家の発展をもたらせると証明したと言及。欧州における戦争の全面的な勃発は、拡張の野心を持つ権威主義政権の侵略行為に油断をしたことに原因があるとし、寛容になることは侵略者に味を占めさせ、その野心と自己満足の牙を膨張させるだけだと述べた。
その上で、台湾と欧州はともに新権威主義集団の脅威に直面しており、情報・インターネットの安全や選挙などで妨害や干渉を受けていると指摘。「力を合わせさえすれば、きっと実力によって、恒久的で確かな平和をもたらせると信じている」と強調した。:2025年5月8日
【八田與一技師の名前冠したコメが誕生 台湾南部への貢献に感謝込め–社会-】
(台北中央社)日本統治時代に嘉南大圳や烏山頭ダムといった台湾南部の水利施設の建設に尽力した水利技師、八田與一の名前を冠したコメ「八田穂越」が5日、南部・台南市で開かれた記者会見でお披露目された。八田の台湾南部への貢献に感謝を込めて命名した。黄偉哲(こういてつ)台南市長は、今後は八田米を総統府に届け、総統が日本からの来賓と面会する際にお土産として提供できるようにすると明かした。
八田の逝去から8日で83年になるのを前に発表された。台南市農業局と同市六甲区公所(役所)、六甲区農会(農協)、六甲の生産者組合が共同で開発した。
黄市長は、八田米は台南で生産された良質なコメであるだけでなく、文化面でも意味を持つと紹介。八田が手掛けた嘉南大圳や烏山頭ダムといったかんがいシステムによって最高の台南米が育まれたとし、八田米は八田とこの土地が歩んできた歳月を象徴するとともに、八田の精神を具象化、商品化したものだと語った。また、八田米が日本でも知名度を獲得できるよう期待を寄せた。:2025年5月5日
【中谷防衛相の「一つの戦域」構想の核は台湾防衛 元陸将が講演
–文化-】
(新北中央社)北部・新北市の淡江大学で7日、日本の元陸将、小川清史氏がリモート形式で講演を行い、日本の中谷元・防衛相が3月の日米防衛相会談で言及した「一つの戦域」(ワンシアター)構想の核は台湾とその周辺の海域・空域で、台湾が中国に占領されるのを防ぐことにあると語った。
小川氏は2017年に退役。この日の講演は「最近の日本の安全保障政策」をテーマに、英語で行われた。
小川氏は、中谷防衛相が3月30日に防衛省でヘグセス米国防長官と会談した際、インド太平洋地域の米国や日本、オーストラリア、韓国、フィリピンなどによる「一つの戦域」構想を打ち出したと説明。戦域には朝鮮半島や東シナ海、台湾海峡、南シナ海、フィリピン海が含まれ、中国に対する防衛を強化する狙いがあるとした上で、構想はデリケートなため詳細は公開されなかったと述べた。
中国の侵入を防ぐのは相当困難なものの、可能だと考えていると話した小川氏。台湾は、防衛政策を敵の前進を防ぐのではなく遅らせることを主軸とする「縦深防御」に変更していると指摘した。
また、日本も南西諸島の防衛力強化を始めた他、米軍と昨年2月に行った共同演習「キーン・エッジ」では中国による台湾侵攻や在日米軍基地へのミサイル攻撃、与那国島への攻撃を想定したと説明。有事の際、自衛隊は米軍と共に中国軍に反撃し、台湾を支援するとの見解を示した。
上陸作戦は一般的に、攻撃側に防御側の3倍の戦力が必要とされているが、現時点での中国軍の戦力は台湾と日本、インド太平洋地域に展開する米軍の合計の戦力にわずかに勝っているに過ぎないとした上で、中国が短期間のうちに攻撃を行うのは難しいだろうと述べた。
一方で、中国の習近平国家主席は経済ではなく権力の維持を重視しているため、各国とも次の段階で起こり得る危機に備え始めるべきだと語った。:2025年5月8日
【沖縄出身OZworld、台湾のラッパーと共演へ 台北「JAM JAM ASIA」で–芸能スポーツ-】
(台北中央社)8月末に台北市内で行われる音楽イベント「JAM JAM ASIA」の主な出演者が7日に発表され、台湾で活躍するラッパーのDIZZY DIZZO(蔡詩芸、ドミニク・ツァイ)が沖縄出身のヒップホップアーティスト、OZworldと共演することが分かった。
8月25日から9月7日まで行われる都市型音楽イベント「トレンディー・タイペイ」(潮台北)の一環。ヒップホップやロック、電子音楽、ポップスなどのアーティストが集結するJAM JAM ASIAは、8月30~31日に台北流行音楽センターで開催される。
7日の会見でDIZZY DIZZOは、OZworldの音楽をとても気に入っているとコメント。共演内容の詳細については「素晴らしいものになるとしか言えない。楽しみにしていて」と多くを明かさなかった。
この他、台湾のバンド「落日飛車」(サンセット・ローラーコースター)や、タイ、マレーシアのバンドなどが登場。日本からはロックバンド「ザ・テレフォンズ」も訪れ、台湾のバンド「怕胖團」(パプンバンド)と共演する:2025年5月9日
【桃園メトログリーンライン 行政院、約1710億円の事業予算を承認/台湾–觀光-】
(桃園中央社)北部・桃園市でメトロ(MRT)建設を担う桃園市政府捷運工程局は7日、グリーンラインの延伸計画について、基本設計が中央の審査を通過し、行政院(内閣)公共工程委員会が、建設にかかる361億5900万台湾元(約1710億円)の予算を承認したと発表した。
グリーンラインは現在、八徳区内から台湾鉄路(台鉄)桃園駅を経由し、桃園国際空港周辺までに至る全長27.8キロの区間で建設が行われている。また八徳区内から中壢区内を結ぶ7.2キロの区間で延伸計画が進んでいる。
延伸区間には高架駅1駅と地下駅5駅が設置される予定。同工程局の劉慶豊局長は、沿線にある公営住宅や学校、医療機関などを結び、すでに開業している空港線や建設中のグリーンラインともスムーズにつながると強調した。
工程局は早期起工を目指し、入札の募集や工事の発注を速やかに進める方針を示しており、中壢・八徳地区の公共交通整備の推進に尽力したいとしている。
:2025年5月7日