【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2025年7月第5週TOPICS
【「国家鉄道博物館」一部を一般公開 日本時代建設の鉄道工場を活用/台湾-政治-】
(台北中央社)蕭美琴(しょうびきん)副総統は29日、国民民主党青年局の訪問団と総統府で面会した。立法委員(国会議員)在任時に日本の若手議員との交流に力を入れていたことを紹介し、日本の次世代の国会議員が党派を問わずに台湾と交流し、感情の結び付きを深化させていることを喜ばしく思うと述べた。
総統府によれば、訪問団団長を務める青年局長の浅野哲衆院議員をはじめとする青年局一行6人が蕭副総統と面会した。訪問団は29日から31日までの日程で台湾に滞在している。
蕭副総統は、台日間には歴史や文化において特殊な結び付きがあると指摘。現在も民主主義や自由の制度を共有している他、地域における地政学的な挑戦や国内の高齢化、少子化、科学技術の発展と経済の繁栄の推進継続といった課題に共に対応しているとし、双方が今後も共に関心を寄せる課題について協力、交流を続け、関係を深化させていけるよう期待を寄せた。
蕭副総統は神戸生まれ。立法委員を通算4期、計14年務めた経歴を持つ。:2025年07月30日
【6業界団体が「台湾AIロボット産業大連盟」発足 5年以内に生産額5兆円目指す–観光-】
(台北中央社)日本統治時代に建設された鉄道工場の建物を活用した「国家鉄道博物館」の一部エリアで31日、一般公開が始まった。30日に李遠(りえん)文化部長(文化相)や陳世凱(ちんせいがい)交通部長(交通相)らと共に視察した卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は、生きた博物館の中で鉄道が歴史の物語を伝えてくれることを期待すると語った。
同博物館の建物は、台北鉄道工場として1930(昭和5)年に建設が始まり、35(昭和10)年に完成。車両の修繕や組み立て、整備などを担った。第2次世界大戦終了後は、台湾鉄路(台鉄)の台北機廠と呼ばれ、2012年に全ての工場機能が移転するまで運用が続けられた。15年には国定古跡に指定され、16年には鉄道博物館として活用することが決まり、19年から修繕工事が進められていた。
今回第1段階として一般公開が始まったのは、ディーゼル工場や総合事務所棟、職員浴場など。卓行政院長は、交通部(交通省)と文化部(文化省)が力を合わせ、解体される可能性があった古跡を活性化し、全世界から来訪者を歓迎できるランドマークになったとあいさつ。文化や歴史、交通インフラの建設から工業の発展、観光事業が一体になった多様性を持つ重要な未来の国家の指標だと語った。
李部長は、同館開館の意義は近隣の国父記念館や松山文創園区、台北ドームなどとつながり、イーストエリア(東区)全体のイメージを一新できることだとし、文化面を交えた今後の地域発展に期待を寄せた。陳部長は、今後も文化部と共に努力して持続可能な運営を目指し、鉄道の美しさを伝えたいと述べた。
開館時間は午前9時30分から午後5時まで(月曜日休館)。ディーゼル工場で行われている常設展は100元(約500円)の参観料が必要。:2025年07月31日
【苗栗県苑裡鎮長、東大で講演 政治経験なしで当選 自身の経験語る/台湾–社会-】
(東京中央社)2022年の統一地方選挙で、政治経験がないながらも、再選を目指した無所属候補を破って当選した、中部・苗栗県苑裡鎮の劉育育鎮長(無所属)が26日、東京大学で講演し、地域づくりや政治活動に取り組んできた自身の経験などについて語った。会場には、台湾の政治に関心を持つ多くの聴衆が詰めかけた。
劉鎮長は就任後、フェイスブックで1週間の出来事を振り返る投稿を続けており、今年4月にはその内容をまとめた書籍が台湾で出版された。講演会はこれを記念し、東京大学の阿古智子教授の研究室や在日台湾同郷会などが主催した。
大学在学中に社会問題に関わるようになり、ハンセン病療養所の保存運動に参加した他、13年には地元・苑裡の海岸に計画された風力発電設備設置の反対運動に取り組み、その後地方創生団体を立ち上げるなどの経歴を持つ。22年の選挙では投票を頼むのではなく、なぜ自身が出馬したのかの説明や有権者との対話の機会を積極的に設けて当選し、話題となった。
講演後に取材に応じた劉鎮長は、自身の経験を通じて若者の社会・政治参加を促していると強調。選挙に出馬して議員になるだけでなく、地方でNPO(非営利団体)やNGO(非政府組織)の活動に取り組むことでも公私連携による効果を実現できると強調。苑裡鎮の鎮民代表の場合、「朝食店やカフェ、書店などを経営しながら行政監視機能を持つ議員にもなれる」と話した。
また政治参加は従来の政治権力に挑戦することであるばかりか、継承や協力、協議や調整の機会でもあるとの認識を示し、若者が参加を望むだけで、地方には新たな可能性が生まれると語った。:2025年07月30日
【東京の合唱コンに中国から圧力 主催団体の松下耕さん「歌に国境はない」/台湾–文化 -】
(台北中央社)25~27日に東京都内で開かれた「東京国際合唱コンクール」で、会期中に中国の参加団体から圧力がかかり、最終日には会場内に掲げられた国旗の撤去や、台湾の合唱団が「チャイニーズタイペイ」の団として紹介されるのを余儀なくされた。外交部(外務省)や台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)が、中国側や主催者に抗議を寄せる事態にも発展した。コンクールを主催する一般社団法人東京国際合唱機構の代表理事、松下耕さんは30日、訪問先の台北市内で中央社のインタビューに応じ、経緯ややるせなさ、「歌に国境はない」との思いを話した。
コンクールには台湾から8団体が参加した。中国からは5団体(香港を除く)が参加し、このうち3団体が27日に行われるフォルクロア(民族音楽)部門や、各部門の勝者によるグランプリコンクールに参加することになっていた。3団体はいずれも児童合唱団だった。
松下さんや同法人の理事、梶山絵美さんによれば、コンクール初日は何事もなく終わったものの、2日目の26日になって中国の参加団体の関係者が会場内の受付を通じ、国旗と呼称に関する要求を伝えてきた。話を進めていくうちに、参加団体の一つが中国共産党との関係が強く、他の中国の団体に対し「このまま国に帰ったら子どもたちが攻撃されるかもしれない」などといった内容を伝え、27日に出場する3団体が連携して要求してきたことが分かってきたという。
一方で松下さんは、中国の団体の指揮者は「台湾の旗を降ろさなかったらボイコットする」と言いながらも残念そうな顔をしており、本意ではないという色も見えたと明かした。
台北駐日経済文化代表処からの抗議もあった。解決の糸口は見つからず、26日夜には一度は中国側が翌日の参加を取りやめることになった。だが松下さんは「子どもたちに罪はない」「歌に国境はないはず」との思いから、かねてより親交が深い台湾の合唱団に理解を求め、承諾を得た。松下さんはこれまでに合唱の仕事で何十回と台湾に来ている一方で、中国の合唱団とは20年ほど一緒に仕事をしていないと付け加えた。
東京国際合唱コンクールの参加者が乗るバスに「国境を越え 私達は一つ 平和の歌よ 晴海に響け」と書かれた(松下耕さん提供)
27日は、台湾や中国を含めた全ての参加国の国旗が会場からなくなり、台湾の合唱団が入場する際には「チャイニーズタイペイ」としつつも、司会者が紹介をする際に、何らかの形で「台湾」という言葉が入れ込まれた。この対応について松下さんは「全く納得がいっていない」としつつも、「歌に国境を作ることの方が敗北だと思った」と話し、最終的に予定していた合唱団全てがステージに上がれ、拍手を送り合えたことが良かったと振り返った。
松下さんらはインタビューの最後に、参加者が練習会場と本番会場を行き来する際に乗る貸し切りバスの写真を見せてくれた。そこには「国境を越え 私達は一つ 平和の歌よ 晴海に響け」(晴海は会場の第一生命ホールがある地名)と書かれており、松下さんは「これが主催者の偽らざる理念です」と話した。:2025年07月31日
【U12野球W杯 台湾、メキシコにサヨナラ勝ち 31日からスーパーラウンドへ–芸能スポーツ -】
(台北中央社)南部・台南市で開催中の野球のU12(12歳以下)ワールドカップ(W杯)は29日、オープニングラウンド5日目が行われ、台湾はメキシコに6―5でサヨナラ勝ちを決めた。1勝1敗の成績を持ち越して31日から行われるスーパーラウンドに進出することとなった。
オープニングラウンドA組には6チームが参加。すでに台湾と日本、メキシコの突破が決まっていたものの、この日は成績がスーパーラウンドに持ち越される重要な試合だった。
台湾は一回表に2点、二回表に3点を失い、一時は5点差に。だが二回裏に5点を奪い返して追いついた。その後はメキシコに追加点を与えず、最終六回裏に突入。2死満塁から押し出し四球で決勝点をもぎ取った。
スーパーラウンドにはA、B両組のそれぞれ上位3チームが出場する。持ち越しの成績は韓国が2勝0敗でリードし、台湾、日本、メキシコ、米国はいずれも1勝1敗。ドミニカ共和国は0勝2敗となっている。:2025年07月30日