【 台北駐日經濟文化代表處札幌分處 】
2026年10月第2週TOPICS
- 【蔡英文前総統「台湾は世界の重要パートナー」 米スタンフォード大で講演-政治-】
(台北中央社)訪米中の蔡英文(さいえいぶん)前総統は7日、スタンフォード大で開かれたシンポジウムで基調講演を行った。台湾には先進的な製造技術や優れたエンジニア人材、充実した電子産業のサプライチェーン(供給網)があるとし、技術や産業、安全保障の強靭性を高めるのであれば、台湾は重要な協力パートナーであるだけでなく、不可欠なパートナーでもあると強調した。
蔡氏の事務所が発表した報道資料によると、蔡氏は「共同で安全を構築 世界の安定における台湾の役割」と題して講演した。
蔡氏は、科学技術と国家の安全保障は切り離すことができず、経済の強靭(きょうじん)性もサプライチェーンや産業力、重要な科学技術を取得できるかに左右されると指摘。軍事力や科学技術、経済安全保障、民主主義の強靭性が相互に影響し合うインド太平洋地域では、いかに平和を維持するかが現在最も重要な問題の一つだとの認識を示した。
台湾の現状については、サイバー攻撃や認知戦、情報操作、経済的威圧、重要インフラへの侵害を試みる行為にさらされており、中国の軍用機や軍艦、海警局の船による台湾周辺での活動も徐々に活発になっているとし、自己防衛力を強化するとともに、自信と行動の自由を維持する必要があると説明。台湾海峡は世界の重要な貿易とエネルギーの輸送航路であり、台湾は世界の科学技術と製造ネットワークに深く組み込まれているため、一度途絶えてしまえば、その影響はインド太平洋地域だけでなく、より広い範囲に及ぶと警鐘を鳴らした。
国際報道で台湾は、依然安全保障上のリスクがあり、他国の支援を必要とする場所だと捉えられることが多いとする一方、実際には製造能力を拡大し、供給面の問題解決を支援できる数少ない民主主義国家の一つであり、安全保障面の支援を必要とするだけでの国ではないと主張。米国の人工知能(AI)システムで使われる先端チップやこれらのチップを使用するAIサーバーの大半が台湾企業によって生産されているなどとし、AIを支える設備やシステム、部品にも台湾企業が深く関わっていると紹介した。
その上で、安全保障関連の技術は先進的であるだけでなく、大量生産や迅速な調整、適時の納入ができなければならず、これこそが台湾の産業が数十年にわたって培ってきた能力だと力説。政府、企業、エンジニア、サプライヤーが共通の目標を持てば、台湾は迅速に動くことができると語った。
さらに、現在は多くの台湾企業が無人機産業に参入し、大量生産能力を備えているとし、台湾の半導体設計、造船、海運の能力も、自律システムや無人船舶の開発の基盤になり得るとの見方を示した。
また、台湾は第1列島線の中心に位置し、世界の科学技術産業における重要な一員でもあり、地理的な位置、民主主義制度、技術力、産業力が組み合わさることで、代替の難しい役割を担っていると述べた。
今後については、民主主義のパートナーは互いに最も得意とする能力を集結し、安全保障に必要な産業や技術力を共同で構築すべきだと強調した。:2026年10月8日
- 【国慶日の総統府プロジェクションマッピング開始 「民主の台湾、世界の鼓動」テーマ–社会 -】
(台北中央社)中華民国国慶日(10日、国家の日)を祝う総統府のプロジェクションマッピングが7日、始まった。「民主主義の台湾、世界の鼓動」をテーマに作成された映像が国慶日当日まで毎晩、台北市の総統府の外壁に投影される。
点灯式が7日夜に総統府前広場で行われ、頼清徳(らいせいとく)総統らが出席した。
総統府で行われたプロジェクションマッピングの点灯式に出席した頼清徳総統(左から2人目)=2026年10月7日、中央社記者張皓安撮影
頼総統はあいさつで、10周年を迎えた国慶日を祝うプロジェクションマッピングはこれまで、映画やテレビ、文学、写真から国防、スポーツ、日常生活に至るまでの要素を取り入れ、100年以上の歴史を持つ総統府の建物が「光り輝く物語の本」になったと言及。今年はさまざまな世代の映像や記憶、創意工夫を通じ、台湾の物語を台湾の人々の心に届けると述べた。
プロジェクションマッピングの内容に関連し、今年は総統の直接選挙が始まって30年であることに触れ、これまでの投票用紙を全て積み重ねると台湾最高峰の玉山(海抜3952メートル)よりも高くなるとし、私たち一人一人が台湾の民主主義をつくり上げてきたと話した。また、台湾はすでに「世界の台湾」になっており、半導体や文学、食文化、人の温かさなどが次々に世界の舞台に登っていると語った。
投影は夜7時から9時半まで30分ごとに行われる。総統府前の凱達格蘭(ケタガラン)大道で観賞できる。:2026年10月8日
- 【文物の保存と修復に焦点 故宮北部院区、「舞台裏」垣間見れる特別展/台湾-文化-】
(台北中央社)台北市の故宮博物院北部院区で8日、文物の保存と修復をテーマにした特別展が始まった。故宮は台湾で唯一、文物の保存や修復を専門とした部門を設けている博物館で、同展では故宮が普段どのように文物を取り扱っているのか、その舞台裏を垣間見ることができる。
7日に開かれた記者会見に出席した故宮の蕭宗煌(しょうそうこう)院長は、故宮が約70万点の文物を収蔵していることに触れた上で、来館者が目にする貴重な文物の一点一点には、職員たちの心血が注がれていると指摘。文物の保存や修復はこれまで「舞台裏中の舞台裏」だったとし、今回の展示では文化財の予防的保存や科学的分析、修復などの作業にスポットを当てたと紹介した。
同展の総合キュレーターを務めた故宮博物院登録保存処の洪順興・副研究員は、故宮の文物保存・修復部門には書画、文書、器物、織物の4つの修復室の他、文物を科学的に分析する実験室が設けられていると説明。収蔵、研究、展示など各チームと協力しながら文物の保存作業を行っており、今回の特別展では保存、研究、再現という流れに沿って、故宮が長年蓄積してきた文化財の保存や修復における専門性を伝えているという。
故宮によると、修復前後の変化や科学的分析の応用、修復過程における思考法などについても紹介。展示を通じ、文物の美やその時代の記憶を感じてもらいたいとした。
同展「文物の輝き再び―文物の保存と修復」は来年1月3日まで。:2026年10月8日
- 【日本時代に建設 糖業鉄道の鉄橋が人道橋に 来月11日に供用/台湾–観光-】
(嘉義中央社)日本統治時代の1909(明治42)年に、糖業鉄道の一部として、南部・嘉義県と中部・雲林県の境を流れる北港渓に建設された「復興鉄橋」の一部が人道橋として改修され、来月11日に供用を開始する予定になった。観光発展の促進に期待が寄せられている。
嘉義県文化観光局によると、糖業鉄道は雲林県の北港製糖工場と嘉義市の嘉義駅を結んだ。砂糖の原料となるサトウキビを運搬するだけでなく、17(大正6)年からは旅客輸送も担い、航海の女神、媽祖を祭る北港朝天宮(雲林県)への参拝シーズンとなる毎年旧暦の1~3月には多くの参拝客を運んだが、82年に運行を停止した。
完成当初の橋の全長は878.63メートル。2001年には「北港渓鉄橋(復興鉄橋)」として雲林、嘉義両県の歴史建築に登録された。文化部(文化省)のデータベース、国家文化資産網によれば、同橋は現存する糖業鉄道の橋としては最長だという。
02年には北港側の橋脚数本が洪水で流出する被害に遭ったものの、22年に中央政府が1億8000万台湾元(約8億9300万円)を投じる再建・修復工事計画を承認。嘉義県新港側約700メートルを人や自転車が通行できる人道橋にする工事が行われていた。
新港郷の板頭村は、廟の屋根などに設置される伝統的な陶器の装飾品の生産地として知られる。
新港郷の葉孟竜郷長は、橋の供用後は新港側から朝天宮へ参拝に行けるようになる他、参拝後に新港に来ることもできるとし、新港への観光客を増やせると語る。板頭村は数年前、人気の観光スポットだったものの、近年は観光客が激減。橋の供用を契機に公的機関が資源を投入し、快適な観光環境を構築するとし、長く親しまれる場所にしたいと述べた。
黄啓豪県議会議員(民進党)は、板頭村にはレジャー農場や伝統的装飾品の関連施設、陶磁器片を使った壁画などがある他、橋で試験的にライトアップが行われた際の美しさにも触れ、地域の観光産業に大きなプラスになると語った。:2026年10月11日
- 【福士蒼汰、台北の観光PR 「デート」テーマの特別映像公開/台湾–芸能スポーツ -】
(東京中央社)俳優の福士蒼汰が8日、台北市政府観光伝播局が都内で開いた観光キャンペーンの記者会見に登場し、台北の魅力を伝えた。同局は今年のテーマを「台北では迷子もデートになる」に設定。福士が台北市内の路地や歴史的な地区、現代的な商業エリアなどを歩くPR映像も公開された。
福士は昨年、台湾映画「花臉猫:修羅道」(The Scar-faced Cat: Way of Asura)の撮影で1カ月ほど滞在した。会見では、約10年前に写真集の撮影で台湾を訪れ、素敵な街だと感じたといい、今回のキャンペーンの機会をもらえて嬉しいと話した。
台湾の魅力としては「近くて気軽に行ける場所」である他に、人々の温かさや明るさを挙げた。映画撮影時も、撮影中は集中しつつ、休憩時間は盛り上がっていたとのエピソードを明かした。
お薦めの観光スポットベスト3を問われると、廟(びょう)の「大竜峒保安宮」と古い街並みが残る大稲埕エリア、夜市だと答え、保安宮と大稲埕について、地元の人々の生活が感じられる場所だとの考えを示した。
台北について「行き慣れてきても、自分の居場所が見つかる場所だと思う」とし、初めての人もリピーターも訪れてほしいとPRした。
台北観光をPRした俳優の福士蒼汰(左)と台北市政府観光旅遊伝播局の余祥局長(右)=2026年10月6日、中央社記者戴雅真撮影
会見で同局の余祥局長は、日本の観光客にとって台北は、有名観光スポットこそすでによく知られているものの、何度訪れても新しい魅力がある街だとした。テーマに「迷子」を取り入れたのは、歩くペースを落として路地裏へ入ることで、慣れ親しんだ街の中にも新たなときめきや驚きを見つけてほしいとの思いからだと説明した。
PR映像は、10月11~18日に東京・渋谷駅前、同19~25日に東京・渋谷センター街、同26日~11月1日に大阪・道頓堀の街頭ビジョンで放映される。同2~15日には民放の共同見逃し配信サービス「Tver(ティーバー)」でも流されるという。
特設サイト(https://kankou.travel.taipei/)では映像とともに、「福士蒼汰と巡る、台北デート」として福士が訪れたスポットを紹介している。:2026年10月8日