馬英九総統が太平島が「島」であることを国際アピールする必要性を強調

　馬英九総統は２月１日、行政院正副院長ならびに内閣閣僚の就任宣誓式に出席し、５月１９日の任期満了まで、継続すべき任務をしっかり果たすよう期待を表明し、特に仲裁裁判所の判断が迫る太平島の主権を国際社会に間断なく訴えていく必要性を強調した。

　馬総統は、中華民国（台湾）が領有する南シナ海の「太平島」に関して、フィリピンが昨年１１月下旬に国際常設仲裁裁判所で「太平島」を島（island）ではなく岩礁（rock）であると主張したことに対して、今年５月か６月に仲裁裁判所の判断が出ることが予想され、その際にフィリピン側の事実でない主張が認められた場合、中華民国（台湾）が主張する排他的経済水域や大陸棚の合法的権益が極めて不利となると指摘した。

　これに関して、昨年１２月１２日に陳威仁・内政部長（内相）が関係省庁の各関係者を伴い太平島を視察し、今年１月２２日には再び専門家を派遣し、太平島は淡水が湧き、肥沃な土壌に十数種類の野菜や果物が生産でき、ニワトリ、ヤギ、イヌなども飼育され、熱帯高木が自生し、太陽光発電、病院、郵便局、観音堂などの施設もある「島」（island）であり、荒涼とした「岩礁」では決してないことを国際社会に向けて明らかにした。

　さらに、今年１月２８日に馬総統が中華民国総統として自ら太平島を視察したことについては、「われわれは仲裁裁判所の手続きに参加できず、時間も切迫してきている」と強調し、「南シナ海平和イニシアチブ」を実践する決意とロードマップを発表するとともに、太平島が「島」である事実を国際社会および仲裁裁判所が重視するよう呼びかけたことを説明した。

【総統府　２０１６年２月１日】