駐日代表処内に「農業組（農業部）」新設、看板除幕式が開催

台北駐日経済文化代表処（以下、駐日代表処）の李逸洋代表は4月28日、処内に新設される「農業組」（日本語名称：農業部）オフィスの看板除幕式を来日した農業部(農林水産省に相当）の胡忠一・政務次長（副大臣）をはじめ台日関係者の出席の下、開催した。

李・駐日代表はあいさつの中で、台湾と日本は農林水産分野において重要なパートナーであり、昨年日本から台湾への農産物輸出額は約11億3000万米ドルで、台湾から日本への輸出額は約6億4800万米ドルであると具体的に示した。さらに、台湾から日本への農産物輸出額は、日本から台湾への輸出額の57％に過ぎないことから、台湾にとり日本市場への進出にはまだ発展の余地があると説明した。今回の農業部の設立を通して台日間の農業交流がより一層深まるよう期待を寄せた。

胡・政務次長は、「台日間の農林水産物の交流は年々活発化しており、民間レベルにおいても着実に推進されている」と述べ、今回代表処の農業組設立は、台湾農業部にとり駐米代表処、駐EU兼ベルギー代表処に続く3番目の海外拠点となると紹介した。その上で、今後も台日間の農林水産関連の多岐にわたる分野での協力を支援していくと共に、台日間における農業貿易や親善交流に貢献できる機能を果たしていきたいとの考えを示した。

序幕式に日本側からは、日本台湾交流協会の花木出・専務理事、大日本水産会の枝元真徹・会長、農畜産業振興機構の天羽隆・理事長らが来賓出席した。式典では、台湾の花蓮県で栽培された「台東30号米」を用いて山形県内の蔵元が製造した日台連携による清酒が来賓らに記念品として贈られた。

この度の駐日代表処内での「農業組」オフィスは、近年における台日間の農水畜産品関連の貿易活発化、2013年に「台日民間漁業取り決め」締結後も定期的に開催されている関連協議、農業生産環境に深刻な影響を及ぼしている気候変動への対応と食糧安全保障の強化といった状況を踏まえ、台湾の農業部と外交部はこれらの発展動向に対応するために新設した。

農業組看板除幕式
李逸洋・駐日代表（写真右4）、胡忠一・農業部政務次長（右5）、花木出・日本台湾交流協会専務理事（右3）、枝元真徹・大日本水産会会長（右6）、天羽隆・農畜産業振興機構理事長（右2）、周学佑・駐日副代表（左3）、王清要・駐日代表処農業部長（右1）。

挨拶する李逸洋・駐日代表

挨拶する胡忠一・農業部政務次長

李逸洋・駐日代表（左）、花木出・日本台湾交流協会専務理事（右）