チェコ上院、中国による「国連総会第2758号決議」曲解に反対する決議を可決
チェコ上院は4月29日、「中華人民共和国による国連総会第2758号決議内容の曲解に反対し、台湾の国際組織への参加を支持する決議」を可決した。国連総会第2758号決議とは1971年10月25日に第26回国連総会で採択された決議で、国連における「中国の代表権」の帰属を確定したもの。俗に「アルバニア決議」と呼ばれる。チェコ上院が可決した決議は、「国連総会第2758号決議」に関する中国による誤った解釈に反対するとともに、同決議が「1つの中国」の原則を確認するものではないと強調。「台湾は中国の一部である」とする中国の主張を拒否し、台湾による国際組織への有意義な参加を改めて支持する内容になっている。中華民国(台湾)外交部はこれについて、「非常に歓迎するとともに、心から感謝する」とコメントしている。
この決議は、1971年の「国連総会第2758号決議」について、台湾あるいは台湾の住民への言及がなく、台湾の政治的地位にも触れておらず、中国の台湾に対する主権を決定するものでもなければ、台湾の国連機構内における地位や参加の状況について説明するのでもないと指摘。また、中国が「国連総会第2758号決議」を意図して曲解し、国連の正当性や国際法の基本原則に危害を加えているとして、「国連総会第2758号決議」の実質的な内容を尊重し、その政治的な乱用を停止するよう中国に呼びかける内容となっている。
この決議はまた、台湾が世界保健機関(WHO)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、国際民間航空機関(ICAO)、国際刑事警察機構(インターポール)などの国際組織に有意義な参加を果たすことを支持すると同時に、チェコ政府に対して、国連機構での中国による「国連総会第2758号決議」の曲解や濫用行為を阻止し、台湾がこうした組織に有意義な参加を果たせるよう支持すべきであると呼びかけている。
チェコ国会では昨年12月12日に下院外交委員会が、中国が「国連総会第2758号決議」と「1つの中国」の原則を不当に結びつけることに反対する決議を可決したばかり。それから5か月足らずで、今度は上院が同様の決議を可決したことになる。これは、チェコ国会が、上院・下院一体となって台湾への揺るぎない支持を示すもので、台湾とチェコの緊密且つ友好的な関係を改めて浮き彫りにした。
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外交部の林佳龍部長(外相)は、チェコ上院が実際の行動によって台湾への支持を示してくれたことに「心から感謝する」とした上で、その他の国際社会に対しても、こうした具体的行動によって、中国による「国連総会第2758号決議」の誤った解釈に反対するよう呼びかけている。林佳龍部長はまた、「台湾はこれからも、世界各地の近い理念を持つ国々と連携することで、覇権主義による国際秩序の破壊を抑止し、世界の民主陣営が共有する核心価値をともに守っていきたい」とコメントしている。
Taiwan Today:2025年5月1日
写真提供:外交部
チェコ上院は4月29日、「中華人民共和国による国連総会第2758号決議内容の曲解に反対し、台湾の国際組織への参加を支持する決議」を可決した。チェコ国会では昨年12月12日に下院外交委員会が、中国が「国連総会第2758号決議」と「1つの中国」の原則を不当に結びつけることに反対する決議を可決したばかり。