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  台湾週報2136号(2004.3.25) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
主要ニュース
:::


台湾週報2136号(2004.3.25)

今年こそ台湾WHO加盟実現へ
衛生実体としてオブザーバー参加求める

 本年も5月にスイス・ジュネーブで世界保健機関(WHO)年次総会が 始まる。昨年はSARSの流行で国際医療協力の強化が強く認識され、台 湾のオブザーバー参加への理解が高まった。今年もアジアにおいて鳥イン フルエンザが流行し、ふたたび国際間の綿密な情報交換と協力が求められ ている。国際社会が疫病の蔓延を効果的に防止するには、国際協力が欠か せない。そこに台湾のWHO加盟の必要性がある。

●今年こそ台湾をWHOへ

 今年も世界保健機関(WHO)のジュネーブでの年次総会(毎年五月)が近づいてきた。台湾の政府と全国民は、WHO憲章の前文にある「健康の追求は全人類が共有すべき権利であり、この権利は、民族、宗教、政治、信仰および経済状況の相違によって差別されてはならない」との宣言を信じ、早期の加入を目指している。ところが中国の政治的な圧力により、この世界普遍の原則がいまだ実現していない。

 とくに昨年はSARSに対する防疫の必要性から、世界の多くの国が台湾の年次総会オブザーバー参加を支持し、台湾もSARSへの蔓延防止を全国民的に実施するとともに、衛生への国際協力を一層強化するため、WHOにも台湾の参加を強く働きかけた。今年もまたアジアを中心に鳥インフルエンザが流行しており、台湾にも低病原性であるが鳥インフルエンザが発生し、独自の蔓延防止措置を強力に展開している。このことからも、台湾のWHO早期加盟が必要とされている。

 ここで衛生に対する基本点を指摘すれば、環境保全や衛生などの問題は世界のあらゆるメンバーが一体となって解決しなければならないものであり、とくに伝染病はグローバル化によって、いずれかの一国に発生した疫病は、国際協力がなければたちまち全世界の脅威となる恐れがあり、防疫の迅速な情報交換と国際協力に一点の疎漏があってもならないと強調できるのである。

 こうしたなかに、とくに台湾は東アジアと西太平洋の交通の要衝にあり、ヒトとモノの往来は世界有数の量に達している。台湾がWHOから排除されていることは、台湾の二千三百万国民の生活と安全に大きな影響を及ぼしているばかりでなく、世界の保健衛生にとっても重大な問題と言わねばならない。こうした問題点を払拭するため、台湾は今年もWHO加盟への努力をしている。

 ●国際的に必要な台湾の加盟

 「善意の原則」(good faith)は国際社会における基本的なルールであり、それは国際社会の一メンバーが自己の政治的な主張から他のメンバーが享受すべき基本的権利を奪うことを禁止するものでもある。このルールは経済の世界組織である世界貿易機関(WTO)をはじめ、WHOにおいても重視されなければならないものである。このため国連とWHO憲章は「全人類は最高レベルの保健衛生を享受する基本的権利を有しており、またあらゆる加盟国はこの目標を達成するため、世界レベルで善意による協力をしなければならない」と規定している。

 たとえば、WTOは国際間の貿易紛争を解決するメカニズムを有している。WTOの枠組みにおいて、ある加盟国が他の加盟国の権利を侵犯すれば、それは自由裁量権の濫用と見なされる。台湾と海峡対岸の中華人民共和国はともにWTOの加盟国であり、この多国間協定によって双方はいかに政治的相違点があろうとも、それを経済紛争の理由にしてはならず、また互いに国際組織の加盟に協力しあわねばならない義務があるのだ。このため、WTOのメンバーが台湾のWHO加盟を妨害するのは、明らかに国際社会のルールである「善意の原則」に違反するものであり、同時にWTOの精神ならびにWHOのルールにも違反していると言わねばならない。

 ●台湾の加盟は世界の利益

 台湾は現在WHOから排除されたままであるが、政府の国民に対する衛生と福祉の保障は、すでに多くの実績をあげている。国民皆保険制度はすでに整い、それにともなって社会医療衛生や通報システム、研究などのネットワークも整備されており、その内容は十分に発展途上国の参考となるものである。

 たとえば台湾人の平均寿命は日本に次いでアジアのトップクラスにあり、乳幼児の死亡率の低さも先進国と同レベルにある。また一九五〇年代に台湾は天然痘、狂犬病、マラリアなどの伝染病を根絶し、世界で初めて児童に対するB型肝炎ワクチンの無料接種を実施した国でもある。エイズの予防と治療については、一九八〇年代初期に有効な追跡管理体系を確立している。製薬会社もエイズやSARSの治療薬開発を鋭意進めており、全体的に製薬業界は国際的にも高いレベルを維持している。

 このように台湾は国内的に十分な医療体制を整えているばかりでなく、国際協力も積極的に推進している。政府はもとより、「慈済基金会」は「世界医師機関」などと協力し、アフリカやアジア地域で、結核やその他の疫病を根絶するための支援活動をおこない、病院や診療所の建設、医師・看護士の訓練計画にも参加している。「路竹会」「仏光山基金会」などはアフリカ、中東、アジアの各国で病院と診療所の建設に協力し、医療器材の提供を通じエイズ防止運動にも協力している。台湾のロータリークラブやライオンズクラブの、世界医療への貢献も大きい。

 だが、台湾はWHOに加盟していないため、国際協力にもさまざまな制約があり、不便が生じている。もし台湾がWHOに加盟しておれば、WHOの組織を通じて台湾の蓄積した医療ノウハウを発展途上国に効率的に提供できるばかりでなく、世界の保健医療網を完璧なものにすることができるのである。

 ●WHO加盟への問題点

 しかし、台湾のWHO加盟が中国の政治的圧力によって阻害され、昨年の年次総会で台湾の加盟が議題になろうとした時、中国の代表が「誰が台湾など相手にするものか」とうそぶいたシーンは世界の誰もが見たはずである。台湾はこうした中国の理不尽な妨害に遭遇しているため、昨年に引き続き、「衛生実体」の身分でWHO総会へのオブザーバー参加を求めて行く方針である。

 台湾は「関税領域」としててWTOに加盟している。WTOは「国家」と「関税領域」が対等な立場で加盟することを認めている。世界のあらゆる「経済貿易実体」が、国家とともにこの機関に加盟しているからこそ、WTOはその役割を最大限に発揮できるのだ。また台湾は「中西部太平洋における高度回遊性魚種資源の保存管理に関する条約」にも「漁労実体」として加盟している。これも世界が公海資源を有効に管理することの重要性を認識しているからである。「国際オリンピック委員会」にも「スポーツ実体」として加盟している。またそれらは、APECやアジア開発銀行と同様に中国と台湾が同時加盟しているのである。

 WHOのみがその例外であってよい理由はない。それどころか、必要としているのである。WHO憲章は「健康は全人類の基本的人権である」と宣言している。

●日米欧は台湾参加を支持

 昨年五月十一日、日本の坂口力・厚生労働大臣は「健康にかかわる問題については、台湾もオブザーバー参加させていくことがあってもいいのではないか。SARSは健康に関する重大な問題なので、WHOで(台湾から)意見を聞く必要があるし、手を差し伸べる必要もある」と述べ、台湾の参加支持を表明した。今年は鳥インフルエンザの問題が持ち上がっているのだ。

 また米国ではトンプソン厚生長官が二〇〇一年から毎年、台湾のWHO加盟支持を表明し、上下両院においても昨年五月十四日、政府が具体的な行動によって台湾のWHOオブザーバー参加に協力することを求める決議を行った。欧州連合(EU)においても同十五日、欧州議会が台湾のWHOオブザーバー参加を支持し、欧州連合加盟各国に台湾の年次総会参加を支持するよう呼びかける決議をした。

 今年もこうした国際的支持を背景に、台湾は最善の努力をする。

台北駐日経済文化代表処 2004年3月

軍拡路線顕著な中国の国防予算
成長率一一・六%、実際はその数倍か

 ●公表分では一一・六%増

 中国政府は三月六日、第十回全人代での予算報告において、二〇〇四年度の軍事支出は前年より二百十八億三千万人民元(約二十六億三千万ドル)増加し、前年比一一・六%増の二千七十億人民元(約二千五百億ドル)となり、ハイテク兵器の充実等によって国防の現代化を強化すると発表した。

 昨年の中国の公表軍事費は前年度比九・六%であったから、ふたたび二ケタ成長を示したことになる。なお、この数値はあくまでも昨年の公表軍事費を基点として起算したものであり、それによれば二〇〇一年は前年度比一七・八%増、二〇〇二年は一七・六%増であった。

 しかし中国の場合、政府が発表した数字が実際の支出分であるかどうかは謎である。一部の西側分析筋は、中国の実際の軍事費は公表の二倍から三倍であるとも分析している。

 こうした中国の軍拡路線は、近隣諸国にますます脅威を与えるものとなっており、日本が積極的に戦域ミサイル防衛網(TMD)を配備しようとしているのは、ますます強大化する中国の弾道ミサイルも原因の一つだと見られる。米国も台湾に面した西南沿岸部のミサイルが増強されていることに関心を示している。

 ●実際の軍事費は三~四倍

 中国の公表分軍事費が前年度比一一・六%増となったことについて、国防部筋は「中国は地域の覇権を目指しており、とりわけアジアにおける旧ソ連の覇権に取って代わろうとしている。このため全力をあげて軍拡に取り組んでいる。さらに中国は近年外貨保有高を増大させ、資金を軍事予算に投入しやすくなっており、それに比例して台湾海峡における軍事的脅威も高まってきている」と分析している。

 同筋はまた「中国は兵員の削減によって部隊の精鋭化を進め、装備の更新を促進している。このため装備維持費は無論、人件費も総軍事予算に占める割合は増えている。それによって軍事費はさらに増加することになり、同時にそれらが台湾海峡の軍事バランスに脅威を与えるところとなっている」と見ている。

 さらに同筋は「中国は公表する軍事費が年々増加しているが、これを実際に見れば、中国の場合は軍事費を非軍事部門に隠蔽するのが常套化しており、実際の支出額はさらに多い。米国連邦武器管制局ならびに軍縮局の試算によれば、実際の支出額は公表の三~四倍になる」と明らかにした。

●国民防衛の強化が必要

 中国の軍事費増大について、行政院大陸委員会筋は三月六日「中国軍の急速な軍事力拡大は、台湾海峡の平和にとって最大の潜在的脅威となっている。中国軍の現代化のスピードは、その総合国力の増大に比例している。わが国は中国の軍事動向の研究と掌握を強める以外にも、両岸関係において国民防衛の意識を高めるとともに、両岸の軍事面における相互信頼のメカニズムを確立し、誤判断によって緊張を高めることは避けなければならない」との認識を示した。

 また陳明通・陸委会副主任委員は「平和は両岸双方の責任であり、戦争で両岸問題を解決することはできず、わが国には中国と軍拡競争をする意思はない。両岸関係にとって最大の問題点は北京当局にあり、いまなお中国は中華民国の存在を認めようとしない。中国が台湾国民の民主を追求する強い意思を直視してこそ、両岸は良好な相互連動を進めることができるのだ」と表明した。

 軍事問題専門家である淡江大学戦略研究所長の王高成教授は「中国は国力の増加とともに軍事力も拡大している。中国は経済能力の範囲内においてハイテク大国ならびに一撃勝利の条件下に局地戦争を展開する能力を高めようとしている。中国は自己の能力が西側にくらべ劣っていることを認識しているが、軍事改革を猛然と進め、装備の転換を加速し、考えられる将来にハイテク軍隊を持つことになろう」と分析し、台湾防衛の成否は「台湾の防衛力にかかっている」と指摘した。
《台北『青年日報』3月7日》

 台中国際空港で初便就航
清泉崗空港の民間開放が実現

 軍民両用の拡張工事がおこなわれていた台中の清泉崗空港で、台中国際空港の第一期工事が完了し、三月五日、工事完了および国際チャーター便の第一便就航セレモニーが開催された。

 セレモニーを主宰した陳水扁総統は挨拶のなかで、「交通部民用航空局の仕事は政府の効率と実行力を実証した」と本工事の完了を高く評価し、関係者を激励するとともに、「台中国際空港の開港は、長い間、地域住民の願いであった。私はこれまで、清泉崗空港の民間利用を関係省庁と緊密な協議を進めてきたが、今回ついに国際空港としての利用に第一歩を踏み出すことができた。今後も引き続き第二、第三期工事を進めていく」と述べた。

 台中国際空港の第一期工事は二〇〇三年九月四日に着工し、総面積二・九ヘクタール、空港ターミナルの建設面積が五千六百七十坪で、五億四千万元(約十九億円)の工事費をかけてこのほど完成した。

 セレモニー終了後、陳水扁総統はチャイナエアラインの乗務員らと記念撮影をおこない、それに続いて百五十八名の旅客が同エアラインの魏総経理と各界来賓が見送るなか、飛行機に乗り込んだ。旅客に第一便航空機の模型が贈呈された後、飛行機は東京へ向けて離陸した。この日、初のチャーター便を就航させたのは、チャイナエアラインの台中―東京便、遠東エアラインの台中―プーケット便、同エアラインの台中―パラオ便の三便で、帰りはいずれも中正空港であり、このうち午前便のチャイナエアライン東京行きB737-800便が、新国際空港利用開始の記念すべき第一便となった。東京までの飛行時間は台北―東京便と同様、二時間五十五分となっている。

 民航局によると、台中線のエアラインは五日の夜八時以降、従来の水湳空港への離着陸を正式に停止し、すべての国内線を清泉崗空港に移動した。

 一方、同空港での国際線の利用について、游錫堃・行政院長は五日、立法院(国会)の質疑応答で「清泉崗空港の国際空港としての利用は確定事項であり、三段階に分けて実施する。まずは国内線を水湳空港から移動し、次に二〇〇六年までに新しい滑走路を一本開設して軍に返し、最終的に空港建設用地を新たに調達して滑走路を拡張する」と説明した。また林陵三・交通部長も五日のチャーター便三便が無事就航したことを報告し、「本空港は当面国内線の空港として利用されるが、台中地区の住民から要請があれば、チャーター便の離着陸を本空港でおこなう可能性がある。サービス面は今のところ桃園国際空港に及ばないが、需要によって対応する」と述べた。

●空港利用は軍の演習に影響なし

 また、同国会での「国際線の滑走路が完成する以前に台中国際空港の民間利用を開始したことで、軍用機の演習に影響しないか」との質問に対し、湯曜明・国防部長は「清泉崗空港の民間利用については、五年前本政策を決定した際、軍の演習に影響を来たさないこと、軍と民間の利用を分けること、国際線の滑走路をもう一本新設することをすでに前提としている。滑走路が完成するまでは、国内線の利用を先行し、軍の演習を優先させるため、なんら影響はない」と強調した。湯部長はさらに、「関連政策の推進は交通部民航局が担当しており、現在台中空港は『軍、民は一つの空港を共用するが、分けて利用する』を原則とし、軍用機は東側、民間機は西側を利用している。また国防部と交通部では現場視察をおこない、空港の民間利用が軍の演習に影響しないことを確認している。

《台北『青年日報』3月6日》

ニュース  

農業の発展のため改革を
游院長が農会整備の意義説明      

 游錫堃・行政院長は三月十一日、新竹県峨嵋郷農会(農協)および関西村農会を視察し、そこでの挨拶のなかで「農業の発展は社会の安定と経済の発展に関わる問題であり、農会は農民の希望である。政府は経営困難で不良債権率が高い農会に対し改革をおこなうが、その目的は農会の消滅ではなく、農業従事者と預金者を保護し、農業の永続的発展を確保するためだ」と述べた。

 游院長はまた、「農業問題は施政の重点であり、政府は農会改革を推進する一方で、高齢者農民手当てを月額三千元(約一万円)から四千元(約一万二千円)に引き上げ、また農・漁業従事者の子女に対する奨学金制度など、農業従事者に対する福利厚生の充実を図ってきた」と強調した。游院長はさらに、農業産品の価格安定のため、政府は農産品価格が生産コストの九五%以下であれば農業従事者を助成する『九五計画』を推進中である」と表明した。
 【行政院新聞局 3月11日】

二月の輸出入連続二ケタ成長
資本設備の輸入は五六%増

 中国向け輸出入額が増加した影響で、二月の輸出は百三十二億ドル(約四百六十億円)、輸入は百三十一億ドル(同上)、同五六・四%増となり、単月ではそれぞれ史上第五位および第三位となった。財政部によれば、二〇〇四年第一・四半期の輸出・入額はそれぞれ約二〇%増、二七%増となる見通しである。

 二月の中国向け輸出額は約二十六億一千万ドルで、前年同期比約一六二%増となり、金額、成長率ともに過去最高となった。その輸出総額に占める割合は一九・七四%で、台湾の最大輸出相手国となった。また、企業の投資意欲を示す資本設備の輸入額は約二十七億三千三百万ドルで、前年同期比五五・七八%増となり、昨年十月からの連続増加を更新した。

 一方、中央銀行が発表した二月末日の外貨準備高は二千二百四十八億ドルで、世界第三位をキープし、単月では過去最高となった。
《台北『工商時報』3月9日》

高雄、基隆港が自由貿易港区に
行政院で申請案通過

 三月八日、行政院自由貿易港区協調委員会が招集され、高雄港および基隆港を自由貿易港区とする申請案を通過した。協調委員会の事務局を務める行政院経済建設委員会の財経法制協調サービスセンターによれば、行政院で正式に批准後、主管機関である交通部の許可を得たうえで、基隆港は二〇〇四年九月から運営開始、高雄港は〇五年一月をめどに自由貿易港区となる予定である。二港区の運営開始後に見込まれる新規投資額は四十五兆六億元(約百六十兆円)、少なくとも九百件以上の就業機会を創出し、区内での企業の生産高は十九億元(約六十六億円)増となる見通しだ。

 行政院の自由貿易港区は、単一窓口管理、区内での貨物の自由流通、企業による自主管理、外国企業の区内での自由な商務活動を四大主要機能としており、関税、貨物税、営業税の免除や通関手続き簡易化などの優遇措置が適用される。
《台北『青年日報』3月9日》

立法院の議席が〇八年から半数に
憲法修正委員会でコンセンサス

 立法院憲法修正委員会(以下、修憲委員会)は三月十日、立法委員の任期、議席数、選挙区に関する憲法修正案に関して審議をおこない、長期間にわたり論議されていた立法院の議席数を第七期(二〇〇八年)立法院(国会)から百十三議席に減らすことで合意に達した。

 十日の修憲委員会では与野党ともに全員参加を要求する甲級動員令が発動され、半日かけて討論がおこなわれた。与野党それぞれの発言後、審議を経て、修憲委員会の陳其邁主席が、双方が達した合意の内容を発表した。それによると、立法院の定員数を現行の二百二十五議席から半数の百十三議席とするほか、小選挙区一人二票制度を採用し、全国区と海外僑胞から選出される立法委員を三十四議席、女性委員を三十四議席とし、任期を四年とし、また平地および山地先住民から各三議席を選出し、このうち一議席を女性とすることでコンセンサスに達した。
《台北『中央社』3月10日》

中国の軍事力増強の意図を直視
『青年日報』(3月7日)

 中国は本年度の軍事予算を二ケタ成長させたが、その主な目的を「高技術条件下の作戦能力を高めるため」としている。なぜ大幅増額したか、その予算の使途優先順位を以下に分析しよう。

 第一に、兵種の比例を調整する。中国は目下「兵種比例調整計画」を進めており、陸軍の兵員を削減する代わりに海空軍とミサイル部隊を増強しようとしている。計画では二〇〇五年までに陸軍を中心に二十万人削減する一方「ハイテク兵種」を増強し、その訓練と打撃力を強化する。ハイテク兵種の増強には莫大な予算を必要とするが、未来戦争に備えるためのものである。したがって中国が発表する軍縮は、かえって予算を多く必要とするものである。

 第二に、台湾海峡での主導権を握る。米国防大学の「台湾海峡戦略評価」によれば、二〇〇五年以降は中国軍が台湾に対する脅威となる。この角度から見れば、中国が今年軍事費を大幅に高めた意図は、次の三点に要約できる。

①最短期間内に台湾海峡での優勢を確保する。

②弾道ミサイルの増強に多額の予算を投入し、軍拡によって台湾の安全に脅威を作り出す。

③台湾海峡での優勢を確保し、対米交渉を有利に進め、日米に対する新戦略を構築し、アジア太平洋地域での発言権を強化する。

 以上のことから、中国は二〇〇五年以降における台湾海峡での優勢確保を重要な戦略指標としていることが分かる。

 第三に、積極的戦略を促進する。中国の軍事費は公表額の二~三倍かそれ以上と見るのが一般的であり、その予算を一般の軍事力維持のほかに、積極的戦略への投資に回している。冷戦後、中国は何度も「東アジア主義」の戦略構想を提示しており、その核心は米国を中心とする西側勢力が東アジア情勢に介入するのを排除するところにある。それの実現には膨大な人力、物力ならびに資金が必要となり、外交面でも地域性、世界性の合従連衡を進めることになる。中国は、その後ろ盾となるのが軍事力であると見なしている。

 以上の三つの分析から、中国の軍事費増大の説明がつくと思われるが、地域の安全に与える影響や国際戦略との相関関係については、さらに充分な検討が必要だ。

 戦術面では中国軍は現代化を進め、従来の「防御」から「先制攻撃」型に発想が変化しており、作戦面では「殲滅戦」「消耗戦」から「機能麻痺作戦」型へと転換している。さらに中国は前述の分析から、日米などアジア太平洋地域の安定勢力を牽制する軍事力を構築する一方、ハイテク戦力を高め、威圧と威嚇の効果を高めようとしていることは明白だ。同時にそれは、台湾侵攻は速戦即決によって国際関与の時間と意志を削ぐという中国軍の戦略にも合致する。

 こうした中国の脅威に対し、台湾は中国と軍拡競争をする意志はないが、国家の安全保障を外国の支援に任せたり、中国は攻撃してこないだろうという誤った観念を持ってはならないのである。国民のすべてが、中国は台湾侵攻の意志を捨てていないということを十分に認識し、国民的防衛意識を高めなければならない。軍もまた、「精鋭、適量、強力」な現代的戦力によって、敵の攻撃意図を粉砕しなければならない。

台湾花卉博覧会「三位一体」で大成功
産官メディアの協力で史上最多の参観者を記録

 一月十七日から三月十四日まで彰化県で開催された台湾花卉博覧会は百五十六万人もの参観者が訪れ、博覧会としては史上最多を記録した。これにより、台湾の花卉販売に弾みがついただけでなく、彰化県は世界にその名を知らしめ、台湾の花卉産業の代名詞となることに成功した。

 今回の博覧会は、彰化県が運営からPRまでを全面的にメディアに委託するという、かつて見られない官民協力体制が採られた。彰化県と博覧会実行委員会は、今回の貴重な経験を今後のイベントに生かしてもらおうと座談会を行った。以下はその要旨である。

 ●花卉博覧会のおこり

問:今回の博覧会は台湾の花卉産業にとって新たな契機となった。この成功例に倣い、他の自治体でもすでに類似の大型イベントがこの手法を採り始めているようだ。花博の成功のカギはどこにあったか。

翁金珠・彰化県長:彰化県はかつて八卦山が「台湾八景」の一つに挙げられるなど人気があったが、ここ数年は観光業界から目を向けられなくなり、とても残念に思っていた。県長になったらかならず彰化の観光を振興させたいと願ってきた。実際、県長になってから彰化には古跡と花にあふれ、全国一の農産物を擁することに気付き、私自身がそのセールスマンになろうと思い立った。ちょうど台湾の花卉は転換期を迎えており、行政院は観光客倍増の目標を立てていた。そこで私は彰化に農業バイオ園区を設立するため奔走した。花博の構想はこの時からあった。

 私は彰化をPRするために三つの方法を考えた。一つは、花博を彰化で開催すること。二つ目は、花を生活に採りいれることだ。台湾では国民一人あたりの花卉の年間消費量は七百五十元(約二千六百円)にすぎず、諸外国の数千元(万単位)に比べてあまりに少なすぎる。人びとが生活のなかで身近に花に触れ、花卉の販売量を増やし、花卉農家の収入をアップしたいと思った。最後に、彰化の生活環境全体を変えたいという願望だ。いま私は、彰化は変わり始めたと思っている。

 ●台湾の競争力は花に依存

 李健全・行政院農業委員会副主任委員:台湾の花卉産業のレベルは世界と比べても差はなく、とくに世界貿易機関(WTO)加盟後は農産物のなかで最も大きな競争力を持つものの一つだ。台湾の花卉の年間生産高は百億元(約三百五十億円)以上で、生産面積は一万ヘクタール、その半数以上を彰化が占めている。

 国内の花卉販売量は日本や欧米の四分の一しかないが、そのぶん逆に大きな発展の余地がある。彰化県は二〇〇八年に国家花卉園区が設立されることになっており、花卉の品種に限らずレベルにおいても絶対有利な競争条件を持つ。

 ●メディアの功績は無視できない

 問:今回のイベントのメディアの関わり方についてどう考えるか。

 項国寧・民生報社長:花博の運営を任され非常に光栄に思っている。聯合報グループは一年に少なくとも四百以上のイベントを行っているが、花博のような大型のイベントは初めてだった。地方自治体と組むという新しい試みに、われわれは先に日本に視察に出かけた。花博初日、大勢の参観者を見て、ようやく安心した。そして春節(旧正月)にさらに多くの観光客が訪れたのを見て、花博の半分は成功したと確信した。

 だが、イベントには克服すべき多くの問題があり、それらは率直に専門家に指導を仰いでいたら問題にならなかったかもしれない。いずれにしろ今回の成功の経験は、われわれが次回同様のイベントを行う際の大きな参考になった。

 問:今回の成功にはPR効果も大きなカギとなったのでは。

 陳栄明・台北市広告経営人協会理事長:花博は今年の広告界の最優秀賞に違いない。花博はこれまで人びとが見たことのない夢を与えた。聯合報グループと民視の協力は非常にうまくいったと思う。

 翁彰化県長:花博は企画からプラン作成まで丸一年かかった。また当初参加団体は二十しか集まらず、一度は入札も流れてしまい、後に聯合報グループと民視の参加が決まったが、その間に再度新型肺炎(SARS)の発生で進行が二ヶ月間ストップし緊張した。今回の例で、民間に経営委託すれば効率が高まることが証明されたと思う。

 ●商品化が成功のカギ

 問:ソフトやハードの設備以外に、メディアも重要なツールの一つだ。メディアの優位性はどこにあるか。

 陳理事長:メディアの成功は、花博を製品から商品に、柔軟で生きたものへ変化させたことだろう。メディアの力である美しい画面は人びとを魅了し、気持ちを会場へ向かわせた。メディアの役割は非常に重要であり、彰化県がメディアと組んだのは非常に賢明な選択だったと思う。

 問:花博の成功は花と農業の視点だけでは無理だったのでは。

 項社長:花博の成功には天、地、人の三つの要因があった。まず、春節に特に大きなイベントがなかったこと、これが天の時。花博の開幕時に第二高速道路が全面開通したこと、これが地の利。最後に今回が台湾で初めての花の博覧会だったため、人びとの期待が大きかったこと、これが人の和だ。メディアは商品をどう包装すればいいかを知っているので、どのイベントでもその特色を生かすことができる。さらに今回は新聞とテレビが協力したこともより大きな効果を生んだ。

  ●地方の経済と観光を活性化

 問:花博は地方に多くのメリットをもたらしたと思われるが。

 翁県長:具体的なメリットは年末にならなければわからないが、彰化の経済はすでに活性化されており、周辺道路は花あふれる美しい景観になった。これを機に現在彰化の二百余りのコミュニティーが改造計画をおこなっており、このことは花博の成功より意味のあることだ。

 彰化はすでに花卉産業の代名詞になったが、今後われわれは花の都市、国の花卉園区となるべく努力していく。花博期間中、周辺のホテルはどこも満員で、レストランやその他、大きな経済効果があった。

 ●花博すなわち彰化

 問:花博ではさまざまなマーケティング手法が採られた。聯合報グループは教育をテーマにいろいろと打ち出していたようだが。

 項社長:われわれはあらゆる人びと、異なる年齢層が同時に楽しめるよう、さまざまなイベントを工夫した。これが成功した。だが最大の成功は、花博と彰化をイコールで結べたことだ。

 ●官民協力に対する評価

 問:官民の協力とメディアによるマーケティングは今回の花博の成功で一つのモデルになった。花博は当初から官民協力を考えていたか。

 翁県長:プランのアイデアや斬新さにおいて政府は民間に及ばない。政府の工事は発注形式で行われ、工期がしばしば延期されるため、われわれは経営を委譲する方式を採っている。中央の予算をわれわれは周辺の景観工事などに使っている。この方式は他の自治体も参考にできると思う。

 問:マーケティングにはさまざまなレベルがあるが、地方が中央と一体となり、台湾を世界にPRできないか。

李主委:「一村一品」は政府が一貫して推進している政策だ。これはそれぞれの町村が独自色を打ち出し、自らの位置付けを促す運動だ。彰化の花卉産業は花博によって国内だけでなく、世界にその名を知らしめた。

●花博の効果が表れる

問:花博はさまざまな面で新しい経験だったのでは。

翁県長:花博のようなイベントには、まずその地方の特色を理解し、そこから重要なテーマを探し出し、地方の産業と結合させることが必要だ。そして的を射たメディアの力を借りればかならず成功する。

李主委:観光の立場から言えば花博はすでに効果を発揮している。政府としてはこれを機に台湾の花卉産業を、とくに熱帯、亜熱帯地域の花卉市場に対し全面的に打って出たい。

陳理事長:今回の官民協力の成功を見てもわかるように、政府は専門家を信頼すべきだ。そして、よいブランドに対しては永続的にこれを護っていくという観念が必要だ。

 《台北『聯合報』3月9日》

台湾観光年

各地で花見シーズン到来

 二月末から四月上旬にかけて、台湾は各地で椿や桜が満開となり、花見シーズンを迎えている。

 桜の名所としてとくに有名なのが陽明山、烏来、阿里山。今年は晴れの日が多く天候に恵まれたため、花の開花状況は良好という。いずれも日本から植樹されたソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラやカンヒザクラなど種類が豊富で、開花時期がそれぞれ異なるため、長期にわたって花見を楽しめる。

 陽明山では桜と合わせてツツジも満開を迎えており、緑の山にピンクの桜、真っ赤なツツジが自然のタペストリーをなして人びとを魅了している。烏来では三月五日から温泉と花見シーズンが開幕した。勇士広場では竹鼓や爆竹の音が鳴り響き、タイヤル族の歌と踊りが披露され、手工芸品の展示販売や食べ物の屋台が並んだ。桜の木の下はどこも人で溢れ、観光客は花見を楽しんだあと近くの温泉場でゆっくり疲れを癒した。

 一方、南投県鹿谷郷の天鵝(白鳥)自然生活園では、各種椿の花が満開だ。同園にはおよそ十万株、百三十種類の椿が植えられている。見頃は三月末までだが、四月以降はホタルシーズンが始まる。また、同園のツツジは四季咲きで、年間を通して楽しめる。なお、渓頭では台湾固有の「一葉蘭」の花がいま見頃を迎えている。

 南投県杉林渓森林遊楽区は大地震復興後、一面に花が植えられた。なかでもオランダから輸入した七万五千個ものチューリップは三月中旬までが見頃で、それ以降は牡丹の花にとってかわる。

《台北『聯合報』3月5日ほか》


台北故事館一周年 

 古跡の再活用として誕生した台北故事館が今年四月で開館一周年を迎えるが、参観者はこの一年足らずで十二万人に達している。
 
 台北故事館の前身は大稲埕の茶商だった陳朝駿氏の「圓山別荘」。今から九十年前、日本統治時代に建てられた。一階部分が石、二階部分が木造の英国ハーフティンバー様式で、その風格ある佇まいは当時「台湾百景」の一つにも数えられた。台北市は全館を修復した後、運営を弁護士の陳国慈氏に委託した。自治体が古跡の運営を個人に委託する初のケースとして注目されたが、結果は冒頭に示した数字が物語っている。運営者の陳氏自身も「われわれの予想を十倍も上回った」と手放しの喜びようだ。

 この一年、オープンしたてに加え、新型肺炎(SARS)の流行などマイナス要素がありながらも、毎月平均一万人以上が訪れた背景には、同館のイベントが幅広い年齢層をひきつけたことにある。これまでお茶に関する活動はもちろん、漫画やおもちゃなど、さまざまなイベントが行われている。

 開館一周年となる来(四)月には、同館のオープン記念ではなく、建造九十年を祝う特別イベントを開催する。これと合わせて、「遊・芸歳月」のテーマで、昔台湾で流行したカルタなどの遊びを再現する。このほか、「雲門舞集」による幼児を対象にしたダンス教室も予定されている。

《台北『民生報』3月4日》

台北築城百二十周年記念 

 台北市は三月二十日の総統選挙後、台北築城百二十周年を記念するイベントを開催する。市では日本統治時代に撤去された台北城の城壁に使われていた石を市民から募集し、ミニ台北城を再構築することを計画している。イベントは、台北城を繁栄に導いた清の軍政長官・沈葆楨と劉銘伝を中心に据える。また台北城にまつわる六つの観光コースを設け、台北の歴史を振り返る。 

 コースは、西門町を中心とした「西城物語」、かつての小南門の賑わいを偲ぶ「城南の古事」、「劉銘伝の足跡を訪ねて」、「大稲埕の茶香の歳月」、「艋舺の寺廟あれこれ」、大龍峒を中心とした「陳維英を偲ぶ」となっている。

 このほか、全台湾の城壁を聖火リレーでつなぐイベントも計画されており、台北市では沈葆楨の子孫にも参加を要請している。計画では沈葆楨が逝去した四月九日からの実施を予定している。台北の新交通システム(MRT)では記念の悠遊カードやテレホンカードなどを発売する。

《台北『聯合報』3月2日》

今年の亀山島観光受付開始

 毎年一定期間のみ観光が解禁されている亀山島で、今年も三月一日から観光の受付が始まった。

 軍事要塞の島だった亀山島が観光客に開放されたのは今から四年前。原始動植物が生息する自然豊かなこの島の生態系を護るため、観光客数は一日三百五十人までに制限されている。島内にはこの四年間で観光案内所や休憩所、遊歩道などが整備されている。見所は島の珍しい地形や海中温泉、それに豊富な動植物で、近海ではシーズンになるとクジラやイルカの姿も観られる。

 今年からはインターネットでも観光の申し込みを受け付けている。

●申込先:東北角風景区管理処
TEL(03)978-0727
http://www.necoast-nsa.gov.tw

国際文化芸術フェスティバル

二〇〇四苗栗国際仮面アートフェア 

日 時 3月13日~5月9日
会 場 苗栗香格里拉楽園
 TEL (03)352961
http://www.mlc.gov.tw 

 薄い仮面が苗栗の表情を変えた! 一九九九年、二〇〇一年、二〇〇三年と三回にわたって開催され成功を収めてきた「苗栗国際仮面アートフェア」は、すでに国内で仮面ブームを巻き起こしている。世界各地から集められた、さまざまな文化的、宗教的背景を持つ仮面が、毎年苗栗の山里に活気をもたらしている。

 「苗栗国際仮面アートフェア」は台湾で最大の仮面芸術展であり、仮面が同県の観光・レジャーと芸術を結びつけ、苗栗県始まって以来最大の国際イベントは、文化創意産業を生み出してきた。

 今年の活動で、苗栗県は質の高い観光産業と豊かな文化を向上させるために「木、石、陶、茶」という苗栗の四つの美を中心として文化産業のネットワークを作り上げる。県では、ここ数年蓄積してきた経験を生かして、将来的に苗栗県を台湾の芸術創作と文化研究の中心地の一つに育てていきたいと考えている。

 今回のフェアでは、博物館同士の協力によって世界各地の著名な博物館に所蔵されている仮面を集め、世界仮面大展覧会を開催する。この展示では、世界の仮面の進化と意義を伝え、国民の芸術への鑑賞力や教養を高めたいと考えている。また、より多様で魅力あるフェアとするために、仮面文化に関連するさまざまな内容を盛り込み、展示やコレクションに加えていく予定だ。

 今年このアートフェアに参加する団体は、すべて専門団体や協力博物館の推薦を受けたもので、それぞれに特色があり、生き生きとした演技を通して仮面の物語を披露してくれる。こうした交流を通して、海外からの団体や見学者も台湾の経済や文化をより深く理解できるだろう。

 このほかに、展示や芸術活動の成果をより高めるために、今回の仮面アートフェアは町村単位の芸術活動と組み合わせて行うことになっている。各国からの仮面技術団体はすべて各町村でも演技を披露することになっており、これによって国内の団体と海外の団体の交流を深めることができる。見学者は、さまざまな民俗的特色や演技方法に触れながら、国際交流の成果を楽しむことができる。

 今回のフェアをより楽しいものにするために、主催機関は「仮面創作コンクール」や「仮面カラーリング・コンクール」などのイベントも行う予定だ。また、年々増える見学者へのサービスを充実させるために「二〇〇四年苗栗仮面国際アートフェア」のイベントについては、すべてインターネットで公開する。イベントの内容や出演する団体の情報、会場への交通やチケット購入、宿泊やショッピングに関する情報がすべてネット上で得られるほか、フェア独自のオンラインゲームコンテストなども行われる。これらによって国民の関心を呼び起こし、イベントが成功することを期待したい。

文化ニュース  

台南芸術学院が「敦煌楽展」開催
古代壁画から蘇った音色

 国立台南芸術学院の中国音楽学部によるコンサート「敦煌楽展」がさきごろ台北でおこなわれ、千年を経て再現された古代楽器による演奏が台湾で初めて披露された。

 コンサートで使用された四十八種の古代楽器は、同学院が大陸の敦煌研究院に委託し再現したもので、一般公開されるのは初めてであり、また千年以上の歴史を持つ「敦煌曲譜」をもとに編曲、創作したという点で、台湾で初の敦煌壁画音楽研究の成果となった。

 同学院の中国音楽学部によれば、今回のコンサート開催にあたっては百三十人の教員、学生を動員しており、「莫高窟で一人思う」「敦煌唐人舞」、「シルクロード幻想曲」など、演奏された曲目は、すべて敦煌壁画に描かれた飛天のイメージや仏教経典の故事をテーマにしたものだという。さらにこのうちの三曲は、敦煌莫高窟の貴重な文献を忠実に再現した「敦煌曲譜」をもとに編曲したもので、作業に携わった同学部の鄭徳淵主任は「敦煌曲譜の原本は二十五巻あり、現在再現できる世界最古の歌舞音楽である。もとは大部分が琵琶で演奏する曲だが、今回発表する三曲は、原本に忠実に再現しつつ、他の楽器を加えて室内楽、管弦楽形式の楽曲に仕上げた」と説明する。三曲のなかの「春鶯囀(しゅんのうでん)」では、敦煌の壁画をもとに百万元(約三百五十万円)以上をかけて再現した四十八の古代楽器が使用され、壁画に描かれた方式にならって、地面に座って演奏する。これらの楽器は「雷公鼓」「葫蘆琴」「鳳笛」など変わった名前が特徴で、ほとんどが現在すでに使用されていないものだという。 

 鄭主任はさらに「古代楽器はバチで弾くものが多く、それは言うなれば『点』の表現であった。一方現代の国楽は交響楽の趣きが強く、弦楽器が主流で、『線』の表現と言え、両者はまったく異なった個性を持っている。古代楽器の本当の音色は実際にはわからないが、今回は極力原物に近く古代人の楽器を再現できたと思う」と自信のほどを語った。
《台北『聯合報』3月8日》

アララギの歌人
『加納小郭家 台湾の歌』を読む

 この本を手にしたとき、本誌編集部の誰もが加納小郭家(かのう・しょうかっか)なる歌人も、著者の篠原正巳氏の存在も知らなかった。だが一読し、吃驚するとともに心洗われる思いに浸った。同時に「台湾」が彷彿とされてきた。

 著者は本書の冒頭に「十年ほど前のことである。蔵書家だった今は亡き台湾の友人から、三冊の古い歌集を譲り受けた。いずれも昭和十年代後半の発刊であるが、日本統治時代の台湾で生活した日本人の歌集である。そのなかの一冊に『加納小郭家歌集』があった。編集は斉藤茂吉、序文も茂吉が書いている」と記している。これが、本書が今日の世に出るきっかけとなった。

 本書の「はじめに」によれば、小郭家の急逝(昭和14年)に茂吉は「加納君の歌風は、一読すれば乱暴なやうに見えるけれども、よく材料を活かして一つの意味での新味があつた。アララギ内にあつても特色豊かな歌人であつたと云ふことを記憶しなければならない」との追悼文を書いている。また小郭家は自らの歌を故郷の阿蘇山にたとえて「火を吹きちらしうたふわが歌」と述べている。小郭家にとって、茂吉の言う「材料」こそが、台湾であった。小郭家は明治十九年熊本県生まれ。医者として台湾に赴任した。

 熟蕃の玉刻る命とりとむる
 薬を盛るも伏せ臼のうへに
 朝の間にやま下り来し生蕃の
 芋と換へなむ 薬をぞ盛る

 小郭家の「材料」は、仕事、日常、家庭、風景と、多岐にわたる。

 迷ひ込みて庭を水牛の歩くにぞ
 花踏ませじと妻子らさわぐ
 霧の立つ夕湖の上をしらとりの
 鷺の二つら見まぎれず飛ぶ

 小郭家は水牛が恐かったのだろうか。また、夕湖とは日月潭のことである。司馬遼太郎著の『台湾紀行』に「老台北」として登場する蔡焜燦氏は、同書について次の書評を書いている。

「小郭家が生涯に詠んだ台湾の歌は千首を越える。彼が愛した台湾の自然や生活の歌であるが、歌材の種類は多い。本書の刊行によって、優れた先人の歌に接することができた。私のような年代の台湾人、またかつて台湾に住み、台湾を『ふるさと』と思っている日本人にとっては、限りなく懐かしい情景が再現される。埋もれていた歌人の存在と、その作品を明らかにされた著者の労を多とし、感謝したい」

 どの国、どの土地にとっても、古き姿は現在の原点である。その意味で同書に感動を覚えるのは、なにも戦前を知る世代のみとは限らない。

病人の多くこぬこそ嬉しけれ
版画彫り上げて歌詠むひまあり

 一読し、小郭家に流れる精神こそ、今の世に生かしたいと思う人は多いだろう。また、この本の「あとがき」には台湾の戦後史と台湾人の精神が詳述され圧巻である。この部分は産経新聞の「産経抄」(3月10日付)にも、台湾人のアイデンティティーを明らかにするものとして紹介された。巻頭のグラビアも、古き台湾を訪ねる写真集としての価値がある。著者の篠原正巳氏は、大正六年生まれ、台中師範学校卒、現地で小学校教員をされ、戦後も台湾史と台湾語の研究を続けられている。

 なお『加納小郭家 台湾の歌』は台湾の到良出版の発行で一般書店では扱っておらず、購入ご希望の場合は〒134-0015 東京都江戸川区西瑞江四―二〇―七―三一二和鳴会事務局まで、電話とFAXは〇三・三六七四・〇六八一 定価二四〇〇円+送料三四〇円。 
 
(文・本誌編集部)

 
日本媽祖会が創立二十五週年を迎える
一層の発展を願い東京で盛大に記念行事

 台湾で媽祖(まそ)といえば、信徒千五百万人を越え、全国津々浦々に媽祖廟があり、宗教というよりも台湾の文化そのものになっていると言っても過言ではない。その信仰は古くから日本にも及び、戦後には日本媽祖会(現会長・入江修正氏)が設立され、今年はその二十五周年にあたる。それを記念し、三月七日に東京品川・新高輪プリンスホテルで「日本媽祖会二十五周年記念祝賀会」が開催された。

 式典には羅福全・駐日代表も参列し、アトラクションでは辜公亮文化基金会(辜振甫氏創立)が台湾文化宣揚のため創設した「台北戯棚」が数々の台湾芸能を披露した。なお、「日本媽祖会」はこの二十五周年を機に「日本媽祖友之会」と名称が変更された。同会では毎年、媽祖聖誕祭に台湾北港の朝天宮に進香団(巡礼団)を立てているが、今年も五月六日から六日間の予定で出発する予定である。

 媽祖信仰の概略を知るため、ここに「日本媽祖会創立二十五周年記念特刊」から林丕継・日本林氏宗親総会理事長の「女神『媽祖』の由来」と窪徳忠・日本媽祖会最高顧問(東京大学名誉教授)の「日本の天妃(媽祖)」を転載したい。


女神「媽祖」の由来 

 「天上聖母」は一般的に「媽祖」と呼ばれているが、中国の歴史では実際に存在した人である。彼女は宋初に福建省の林氏の娘として生まれ、名前は林黙娘である。その家系は、唐代の「莆田九牧」(一族九人の地方長官)の六番目に当たる邵州刺史林薀の七代目の子孫であって、福建における始祖である林禄公二十三代目の子孫に当たる訳である。「林氏族譜」によれば、媽祖は宋の太祖の建隆元年(九六〇)三月二十三月に生まれ、一カ月たっても泣き声を立てないので、〈黙〉と名付けられた。小さい時から賢くて、井戸をのぞいて神様から護符の書き方を授けられ、変化の術に通じるようになり、悪をしりぞけて世間を救った。よく神通力を示し、ムシロに乗って海を渡り、雲に乗って島を巡回するので、みんなから〈通玄の霊女〉と称された。宋の太祖の雍熙四年(九八七)九月九日、修行を終え、ある晴れた日に天にのぼった。二十八歳の時のことである。亡くなってから、彼女が紅い衣装をつけ、海上を飛んで、難民を救助している姿が見られた。霊験あらたかに護国救民を行ってきたので、郷民は廟を建立して祀るようになった。その神通力が広まるにしたがって、歴代の皇帝がそれぞれ名を贈った。宋の徽宗は〈順済夫人〉、宋の光宗は〈霊恵妃〉、元の世祖は〈天妃〉、清の康熙は〈天后〉、また清の道光は〈天上聖母〉という名前を贈った。

 媽祖は人間から神様となり、海の神様として祀られている。船主は船の中に神棚を設けて祀っているが、のちには航海の保護だけでなく、水災や日照り、コレラ、盗賊、戦争や疫病などの発生にも、彼女を祈るようになった。

 媽祖の信仰は、華僑の出国にしたがって世界各地へ伝わった。華僑のいるところには、媽祖を祀った廟があるといった有様である。不完全な統計ではあるが、現在世界には媽祖廟が千五百余カ所二十六カ国と地域に及んでおり、信徒二億余人となっている。台湾だけでも媽祖廟は八百余カ所、信徒千五百余万人を数えている。

 媽祖が万民に信仰されているのは、彼女が中華民族の優秀な伝統的文化を実現しているからであるが、国際学術界から大変重視されるようになった。現在の研究内容は、もはや一般的な民間信仰を乗り越えて、経済、政治、文化、民族、宗教など広い領域に及んでおり、まさに〈世界的な媽祖文化熱〉を形成している。

日本の天妃(媽祖)

 現在私の知る範囲で、日本では青森県大間町、茨城県北茨城市磯原、同県大洗町、同県水戸市八幡町、同県小川町、千葉県佐原市荒川、神奈川県箱根町、大阪市勝山通り二丁目、神戸市中山手通り七丁目、長崎県平戸市川内町、長崎市鍛冶屋町、寺町、西坂野(二)、鹿児島県笠沙町、同県坊津町秋目、沖縄県那覇市久米町及び同県久米島中里村真謝の十八カ所に、多くは寺社に合祀されて、祀られている。ただ、小川町では以前の寺跡の一角に小祠として、佐原市では独立の天妃宮として、久米島では、福建の神仏を呼ぶ称呼に倣ってブサ堂とよばれて、それぞれ独立の形式を持っている。このほかにも、坊津町泊では個人の家の氏神として祀られているというが、詳しいことはわからない。とにかく、現在の日本では媽祖は僅かに二十カ所足らずの所で廟祀されているにすぎない。

 上記の諸所のうち、最も早く祀られたのは那覇市で、明の永楽二十二年(一四二四)に当時の琉球王国の唐栄(営)――中国からの渡来人の集団居留地――に下天妃廟が建立された。通説では、この廟が最古とされているが、その近くの上天妃廟が一層早いという説もある。建立者は中国人らしい。なお、久米島のブサ堂は冊封使の発議による建立である。笠沙町の野間神社は十五世紀中葉、中国から持ち来たった神像を祀ったといい、長崎市の四カ寺は十七世紀前半キリスト教弾圧の影響で建立。茨城県の四カ所は十八世紀に来日した東皐心越の説に感じた徳川光圀の建立、佐原市は十八世紀中葉廻国修行者所持の媽祖の図像を祀った所、大間町は十七世紀鹿児島からの勧請説と茨城県那珂湊(現北茨城市)からとの二説があって不明である。

 その他の地の由緒は不明ながら、箱根には日本媽祖会所有のご本尊が祀られている。
 
 第二次世界大戦までは、日本各地の媽祖は人々から広く信仰されていた。

 琉球王国時代、大きな船には中国同様媽祖像を乗せ、その船が就航後は一週間天妃廟で『天妃経』を読誦して航海の安全を祈った。また上下天日、端午、重陽、冬至、生誕日には三味を供えて祀った。久米島では漁船出航後、家族が安全を祈ると共に、廟前を通る際には必ず会釈をしていたが、明治以降特に大戦後は参詣者も少数になった。長崎、鹿児島や関西方面でも信仰が衰えたが、長崎、岡山の港には、媽祖像を乗せた船が一隻ずつ残っている。茨城県では江戸時代に遶境をしていたが、のち中断した。箱根の遶境も近年中断した。

 現在、遶境を続行しているのは大間町のみである。佐原市では細々ながら神道式祭祀を継続している。大阪、神戸、長崎では中国の人々が祭祀に参加するためにかなり盛大だが、その他の日本人のみの場合は大間町、箱根を除いて盛んとはいえない。御利益は海上安全の他に、豊作、大漁から町内の守り神まで、さまざまに考えられている。したがって、神の御利益は信仰する人々によって、どのようにでも変えられていくように思われる。

(『日本媽祖会創立二十五周年記念特刊』より転載。写真も同特刊より)


新刊紹介

台湾新潮流
ナショナリズムの現状と行方
河添 恵子 著

 特異な編集で、台湾新潮流の現状と行方が分かりやすく解説されている。台湾の社会を八項目に分類し、国際派の著者がまずそれらについて歴史と現状を解説する。もちろんその解説は、台湾の市民社会を足で調査し、現状を浮き彫りにしている。ついでその道のエキスパートや当事者が自己の主張を展開する。そこに台湾の未来が見えてくる。たとえば「台湾的文化」では台湾の伝統音楽や民俗芸能が紹介され、つぎに「雲門舞集」代表の林懐民と人気歌手のアーメイこと張恵妹が登場し、現実と夢を語る。項目は他に「覇権との戦い」「台湾経済の軌跡」「軍事と政治」「国民党教育からの脱却」「メディアの歴史と現在」「強く生きる女性たち」「台湾という国家」であり、いずれも台湾を代表する人物が登場し重量感がある。注文は双風社(℡050-3402-3452)へ直接¥2400+税。

春 夏 秋 冬 

 3月上旬の中国全人代は、あの国の独善性を遺憾なく発揮するものであった。最近香港立法会の民主派議員が米上院の公聴会に出席したことに腹を立て、外相の李肇星が「外国勢力に、香港問題への干渉を懇願しても無駄だ」などと言っていた。まるでヤクザ映画の「助けを呼んでも無駄だぞ」といったようなシーンを彷彿させるセリフだ。つまり相手の意思や立場などまったく考えない。自分の思い通りに行かなかったなら威丈高に凄んで見せる。しかも香港は、普遍的価値観である民主主義を守ろうとしている。そこに凄みを利かせているのだ。

 この中国の暴力的独善性は、台湾に対してはいっそう顕著である。李肇星が香港を脅したのと同じ口で「世界には一つの中国しかなく、大陸と台湾は一つの中国に属する」と勝手に決めつけ、首相の温家宝は「中国の一部である台湾の将来は、台湾人だけでは決められない」などと言い、さらに李肇星が「誰がいかなる方法で中台分割を図ろうと、絶対に許さない」と凄んで見せる。自己の身勝手を無理やり相手に押し付けるため暴力をちらつかせているのなど、まったくヤクザ者の手法と言うほかはない。

 中国はその手法を、さらに顕著にしようとしている。それが今回の全人代で明らかにした軍事費の二ケタ成長だ。米国の軍事筋は、現在すでに中国は台湾に照準を合わせたミサイルを500基近く配備しており、しかも年間75基の割合で増強していると指摘する。さらに台湾攻撃のため、海上封鎖、ミサイル攻撃、サイバーテロなど、あらゆる選択肢を検討していると分析する。

 石原慎太郎・東京都知事は産経新聞(3月8日付)の「日本よ」の中で「台湾の自由体制が大陸による吸収で消滅させられかねぬということは、自由台湾の悲劇にとどまらず、周辺のアジア国家群にとっても重要な影響を持ってくる」と指摘されている。それは単なる民主主義の敗退だけにはとどまらない。

 アジアの安全保障に重大問題をもたらし、シーレーンを考えれば、日本にとってはさらに深刻な問題となるはずだ。すでに中国の海洋調査船が沖縄から硫黄島、沖ノ鳥島を含む日本の排他的経済水域で違法な海洋調査活動を頻繁に行っていることは周知の事実だ。多くの識者や防衛庁関係者は、これは潜水艦を展開するための調査と指摘する。それはまた、台湾だけに向けられたものとは限らない。軍事力が強大になれば、その対象も拡大する。日本と台湾はすでに、同じ運命に立たされていると言ってよいだろう。     
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