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  台湾週報2152号(2004.7.22) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
主要ニュース
:::

台湾週報2152号(2004.7.22)

発信日時:2004-07-22


台湾週報2152号(2004.7.22)

三・一九銃撃事件に調査委設置
総統が開設を宣言し、厳正な調査開始

 総統選挙前日であった3月19日に総統と副総統が何者かに銃撃されるという事件が発生し、まだ事件の全容が解明されていないため、いまなお社会の一部において「総統の自作自演」などとする声が流布されている。事件の全容を早急に解明し、これらの疑惑を完全に払拭するため、陳水扁総統は7月6日、正副総統と五院院長による茶話会を開いて意見を聴取するとともに、「三・一九銃撃事件真相調査委員会」の開設を宣言した。

●五院院長との茶話会談話 

 三月二十三日にここで皆様方と茶話会を持って以来、三・一九銃撃事件の真相調査についてふたたび同じ場所で意見を交換できるのは、非常に得がたい機会だと思います。三月十九日の事件ならびに投開票の二十日のあと、私の心境は複雑なものでした。ある人は票の数え直しを唱え、またある人は私と呂副総統の被弾に疑念を提示しておりました。当時、私は自分の傷口をお見せし、これがニセモノでないことを証明しました。疑念を払拭し、争いを鎮め、政局の安定を図るためには、そうする以外に仕方がなかったのです。 

 皆様ご承知のように、私は何のこだわりもなくこの問題に対応しようとしており、回避はいたしません。開票に作為も不正もなく、票の数え直しもいかなる調査も恐れるものではありません。したがって私は最初の段階で調査への協力を指示し、いかなることも拒否しないことを明示し、行政によって票に封印をし、司法が再開票する道を開きました。そのようにして疑念が解消されることを願ったからです。

 ところが私と呂副総統が被弾した事件については現在なお、一般に使われている言葉を用いれば「信じる者は信じ、信じない者は信じない」といった状況にあります。そのなかで、国際的な権威がある鑑識家を招聘して厳格な鑑識を依頼してはどうかとの意見があり、ただちに私はそれを支持し、検察総長による招聘という形でそれが実現しました。この国際的鑑識家による正式な鑑識結果はまだ出ておりませんが、現在の初期的な報告だけでは、私が銃撃を受けたのはウソで、あれは自作自演だとまだ疑っている人がいます。大変困ったことですが、こうした疑念に対し、疑いを晴らすのが私の義務でもあると思っております。 

 ここで最も明確なのは、私も呂副総統も被害者であるということです。大事に至らなかったのは、台湾にとって本当に天佑でした。私はこの事件が早急に解明されることを望んでおり、最も急いでいるのは私なのです。私はこれまで一貫して、どのようにこの疑念に対応し、どのようにして解明すべきかを考えておりました。そこで立法院のある党派の建議によって立法措置が行使され、「三・一九銃撃事件真相調査特別調査委員会」の開設案が通過したことに着目しました。立法院を通過した特別条例なら、人々もこれを重視し、監察院長が条例によって専門知識を持った人々を招聘し、委員会を開設できるからです。この組織は、条例によれば監察院長が召集人(委員長)となり、立法院の各党が推薦する委員五名、監察院が推薦する委員四名、さらに最高法院(最高裁)検察総長一名の合計十一名で構成されることになっております。この調査委員会は、検察官と司法警察に対して指揮権を持ち、さらに強制処分権をも持つことになります。 

 これまで私は、立法院野党の意見を取り入れるべきか、法務部(省)の提議を取り入れるべきかに苦慮してきました。法務部は、特別法を制定して調査委員会を開設すべきだと提議しておりました。ただし、その委員会は憲法第九十五条によって付与されている監察院の調査権と第八十条によって保障されている司法の独立を犯してはならないというものでした。 

 野党の意見を取るべきか、法務部の建議を採用すべきか。私は国家の指導者として、政党政治の根幹を崩すことはできず、さらに司法による司法権と監察権の行使も尊重しなければなりません。特に私の理念は司法の独立を尊重するというものであり、そこにいささかの干渉があってもなりません。 

 さらに総統府人権諮問委員会は、三・一九銃撃事件を国家の安全に関する事件として、司法と国家安全系統の両軸で調査を進め、処理することを建議しておりました。同時に総統と副総統を被害者として、社会各界の代表による「三・一九国安事件監督委員会」を設立することを主張しておりました。同委員会は調査権を持たず、問題点を提議して事件の捜査に妥当な意見を提出し、もって被害者およびその他関係者の人権を守り、社会的に公正で人望のある九~十一人に要請して同委員会を構成するというものでした。 

 こうした意見の交差するなか、最高法院検察署が私に分析報告書を提示しました。それを私はここで特に強調したいと思います。それは総統が「三・一九銃撃事件真相調査委員会」の設立を宣言し、その委員会の権限は行政調査に限定し、刑事捜査は行わず、超然的で公正と専門性を備え、司法権と監察権を侵犯しないという原則下に、総統の宣言による真相調査委員会として関係省庁の支援を得て行政調査を進め、本件の真相を追究し、国民の信頼を得るというものでした。 

 立法院および社会各界が強い関心を示している三・一九銃撃事件について、調査委員会を開設すべきかどうか、開設するならどのように開設すべきか。本日、五院院長にお集まりいただいたのは、これらに関して意見を出していただき、妥当な解決策を見出すためです。よろしくお願い致します。

●特別調査委員会の内容 

 陳水扁総統は五院院長の意見を聴取したあと、以下の結論を下した。 

○   ○   ○ 

 三・一九総統副総統銃撃事件を究明し、社会の信頼を取り戻し、争議を鎮め、社会の安定を求め、台湾の団結を求めるため、「三・一九銃撃事件特別調査委員会」(以下、三・一九特調会)を設立する。 

一、三・一九特調会は十一~十三人の委員によって組織される。銭復・監察院長に主席委員を依頼し、委員全員の招聘を依頼する。ただし、委員には一定比例数の立法委員および監察委員を含まねばならない。 

二、三・一九特調会の運営は超然、公正、独立、透明を原則とし、いかなる干渉も受けてはならない。 

三、三・一九特調会は総統府に帰属せず、行政部門にも隷属しない。 

四、三・一九特調会の運営は憲政体制を遵守し、司法権と監察権を尊重しなければならない。 

五、三・一九特調会が事実を究明するため、関係機関およびその所属人員は、関係する度合い、職責の高低に関わらず全面的に協力し、拒否してはならない。 

六、三・一九特調会は国民全体に対し同委員会の活動および結論を公開し、正式な調査報告を公布しなければならない。

○   ○   ○ 

 以上の結論を表示したあと、陳水扁総統は「誤解のないよう強調しておきたいが、この委員会は総統府にも行政部門にも属さず、一定の比率で参与した立法委員、監察委員によって運営される。銭復・監察院長に主席を依頼するとともに、立法院との意思疎通を図るようお願いした。王金平・立法院長、銭復・監察院長ならびに立法委員、監察委員の方々が知恵を出し合い、かならず三・一九銃撃事件の真相を究明されるものと確信する」と語った。 

 また、総統と五院院長との茶話会が終わったあと、蘇貞昌・総統府秘書長は総統府で記者会見し「陳総統が銭院長に主席を依頼した時点で三・一九特調会はスタートした。立法院における立法内容、通過の時期について、総統はすべて立法院の立場を尊重すると表明した」と明らかにした。同時に「三・一九特調会は完全に超然公正、独立運営によるもので、いかなる干渉をも受けず、総統府にも行政部門にも属さず、あくまで立法院の立法権限を尊重するものである」と語るとともに、「三・一九特調会は犯人逮捕の機関ではなく、裁判権を持つものでもない」とその性質を強調した。 

【総統府 7月6日】

週間ニュースフラッシュ

 ◆一人当たりのGNP、一万四千ドルを予測

 行政院経済建設委員会は六月二十七日、今年上半期において原油価格の高騰や中国の投資抑制など不確定要素があるものの、全体として経済回復は堅調であるとして、今年の一人当たりの国民総生産(GNP)は約一万四千ドル、経済成長率は五・四一%が予測されると発表した。
《台北『青年日報』6月28日》 

 ◆国号や領土の定義は与野党の協議で

 台湾制憲運動の召集人の一人である李鴻禧・ケタガラン学校長は七月一日「新憲法第一章の国号や領土などについては、与野党で協議する余地を残し、第二章以降で大幅な修正を行う」との考えを明らかにした。
《台北『中央社』7月1日》 

 ◆製造業の海外での生産率大幅上昇

 経済部は七月二日、五月の輸出向け製造業の受注高が約百七十二億五千万ドルに達し、そのうち海外で生産する比率が全体の三〇%となったことを明らかにした。この比率は二年前の一七%に比べ大幅に上昇しており、背景には国内の製造業が生産ラインを次々と海外に移転している点が挙げられる。「産業の空洞化」の懸念について経済部は「前年に比べて国内生産高も上昇しており、製造業全体が成長段階にある」と強調した。
《台北『工商時報』7月3日》 

 ◆新台湾党が結成

 新憲法のもと新たな建国を目指す新台湾党が七月四日正式に結成され、主席には前建国党副主席の黄玉炎氏が就任した。主なメンバーは林雄強・大華技術学院副教授、陳達成・前建国党台北市党部主任委員らで、年末の立法委員選挙での候補者擁立を目指し、現在国民党、民進党などの元老格に働きかけている。
《台北『聯合報』7月5日》

 ◆立法委員選挙で民進党は過半数を達成

 姚嘉文・考試院長は七月四日、「台湾制憲運動は二年は続ける。改革は国民に受け入れられると思うが、一定の時間が必要だ。立法委員選挙で民進党は過半数を達成できるだろう」と語った。
《台北『中国時報』7月6日》 

 ◆消費者物価指数一・七五%上昇

 行政院主計処は七月五日、六月の消費者物価指数は対前年比一・七五%上昇し、二〇〇一年二月以来、最大となったことを明らかにした。背景には、肉や果物の価格が前年より高水準にあることと、原油価格の高騰が指摘されている。またこのところの台風などの季節的な要因の影響についても、主計処では注意深く観察している。
《台北『工商時報』7月6日》 

 ◆台風で死者二十五人、農産物の損失五十七億元

 七月初旬、台湾を襲った台風七号は中南部を直撃し、同七日現在、死者二十五人を出すなど大きな被害をもたらした。農産物の損失は同六日現在、約五十七億元(約百七十億円)に上っており、道路の陥没、橋の流失も相次ぎ、八十七カ所の道路で復旧工事が急がれている。
《台北『中国時報』7月7日》 

 ◆石川県で台日友好歴史写真展を開催

 行政院新聞局などの主催で台日友好を目的にした写真展が七月七日から金沢市で開催された。日本統治時代から戦後の復興、台湾の豊かな自然風景、伝統芸能、文化など約百五十点の写真が展示され、今年十一月には大阪でも同様の写真展が予定されている。
《台北『中央社』7月7日》

 ◆今年の物価指数二%を超えず

 中央銀行は七月七日、異例の記者会見を開き、今年物価指数の上昇幅が二%を超える可能性について「一%程度に抑えられる」と述べるとともに、「第四・四半期には物価は安定するだろう」との予想を示した。
《台北『経済日報』7月8日》


先端兵器による防衛強化は当面の急
ますます強大化する中国の軍事脅威に対し  

●中国の脅威は現実問題 

 行政院が作成した総額六千百八億元(約一兆八千億円)の最新先端兵器(パトリオット三型ミサイル、ディーゼル潜水艦八隻、P3C哨戒機十二機など)購入特別予算案が近く立法院で審議されるが、それに先立つ七月二日、国防部はマスコミを対象とした軍事予算説明会を開き、中国軍の第二砲兵部隊(ミサイル部隊)の脅威がますます強まり、これに対する反撃能力充実の必要性を詳しく説明した。 

 このなかで国防部は、最近の中国軍の動向として、ミサイル配備、海上戦闘能力、航空兵力の強化を進めており、第二砲兵部隊は各ミサイル基地に東風十五型と東風十一型を配備し、このうち江西省の楽平と贛州に配備されたミサイルは、台湾の中枢である北部を射程距離としており、福建省の永安と仙游の基地は中・南部を射程距離に収めており、広東省梅州の基地は南部に照準を合わせ、それぞれの攻撃目標を定めていると明らかにした。 

 同時に国防部は、中国軍は台湾海峡沿岸部に二〇〇六年には八百基のミサイルを配備し、第一波の攻撃で最大百五十基を同時発射でき、十時間で五波の攻撃が可能となり、この他にも二百基の巡航ミサイルを台湾内部の主要目標攻撃に振り向ける準備を進めていると説明した。さらに中国軍はハイテク戦闘機と潜水艦、海上艦の配備拡大により、台湾の周囲に十二から十六の潜水艦遊弋水域を設け、台湾の海上封鎖を意図していると明らかにした。 

●必要な防衛・反撃能力 

 国防部はこうした中国の脅威に対し、陸海空連合によって中国陸地の交通網、港湾、空港を破壊する能力を備え、さらに海上と航空兵力ならびに潜水艦によって敵の港を破壊し航路を遮断する能力を持ち、敵によるミサイル攻撃および台湾封鎖作戦を崩壊させなければならないと主張した。また国防部は防衛・反撃作戦として次の三段方式を明示した。 

 第一段階:早期警戒能力を高め、早い段階で敵軍の動向を掌握し、迅速な兵力散開により兵力温存態勢を整える。 

 第二段階:陸海空連合反撃態勢を整え、戦闘機、潜水艦、島嶼部の火力を用いて敵の交通網、港湾、空港に先制攻撃を加え、敵兵力の分散を図るとともに台湾攻撃の時間を遅らせる。 

 第三段階:制空権確保作戦を展開する。敵ミサイルからの防衛重点をまず各重点地区に定め、次に全台湾に防衛網を広げる。 

 最後の段階として、戦闘機、海上艦、潜水艦、対潜哨戒機、各種レーダーの展開、ならびに水雷作戦の運用によって台湾近海水域の制海権を確保し、敵攻撃兵力からの防衛作戦に有利な状況を作り出す。 

 国防部は、以上の作戦を陸海空三軍連合で展開するためには、行政院が作成した現在の特別予算のほか、さらに一定のフリゲート艦、偵察レーダー、迎撃ミサイル、上陸用艇などが必要だと強調した。 

●海峡にはバランスが必要 

 この説明の中で、李傑・国防部長は「近年来、中国の軍事予算は著しく増額されており、昨年はわが国防衛費の八倍となっていた。中国の軍事費が増強されているのにくらべ、わが国の場合、年々減少しており、十分な装備を整えることができなくなり、軍事バランスが崩れようとしている」と指摘した。 

 さらに「台湾海峡の軍事バランスを保つため、パトリオットミサイル、ディーゼル潜水艦、対潜哨戒機の配備を計画した。その予算は十五年間の特別枠方式で組まれ、年平均四百億元(約千二百億円)であり、年間通常国防予算が二千六百億元(七千八百億円)として、毎年国防費は三千億元(約九千億円)となる。この額は年間GDPの三%を越すものではなく、国家総予算を圧迫するものとはならない」と説明した。潜水艦国産問題については「米国の案は台湾の自力建造を支援しようとするものではない」と語り、自力建造か全艦輸入かは、今後の米国との交渉が必要だとの立場を示した。 

《台北『青年日報』7月3日》

経済、安保面で日米との連携重要
日本を含め世界が「一つの中国」再検討

●日本との経済合作連盟推進 

 国際経済競争が熾烈化している今日、競争力の優勢を維持するため、経済部は「外と結んで敵を制する」方策を立て、技術研究開発の分野でこれまで最も良好なパートナーであった日本をその第一の合作対象とする方針を練っている。これについて何美玥・経済部長は最近「将来的には日本と『アジア太平洋ハイテク協会』を結成し、日本の技術を国内で生かし、双方利益を得る局面を創造したい」と語った。

 何部長はこれの理由について「これまで日本はわが国にとって主要な技術来源国であり、日本より移転された技術により、わが国は優れた製造技術を蓄積するに至った。現在なお、自動車、CD、半導体などの分野で、わが国の多くの企業が日本の企業と委託生産などの合作によって利益を得ている。このように両国の産業にはすでに良好な合作の基礎があり、また日本の技術がトップレベルにあることは事実が証明している」と語り、「日本の優れた技術をわが国の優れた生産ラインに配合すれば、市場での競争力をさらに強化できる。経済界は今後とも日本との連携強化が必要だ」と語った。

《台北『青年日報』6月27日》 

●日本にも台湾との連携は有益 

 経済部は七月一日、「台湾投資経営説明会」を台北で開催し、在台日本企業の責任者ら約百二十名が出席した。このなかで何美玥・経済部長は「台湾の経済界は優れた製造能力と完成された産業連鎖を備えており、また台湾はアジア太平洋地域における運輸の中心に位置し、経済のグローバル化と技術の急速な変化に対応するため、多くの国際企業が台湾企業との合作を進めている」と台湾の現状を説明した。さらに「日本企業にとっても、アジア太平洋地域の高度な経済発展を促進するため、台湾を大いに活用することができるはずだ。日本企業が台湾を日本のアジア太平洋地域における研究開発センターならびに物流の拠点となし、さらに販売および物資調達の中心地とすれば、日本にも多大の利益をもたらすだろう」と語り、新たな台湾への投資をよびかけた。

《台北『経済日報』7月2日》 

●世界は「一つの中国」再検討

 陳唐山・外交部長は六月中旬に欧州訪問に出発し、欧州から米国に入り、七月一日に帰国したが、米国ではチェイニー副大統領とも会見したことを帰国談話のなかで明らかにした。陳部長はこの談話ではチェイニー副大統領との会談内容を明らかにしなかったが、「米国の政界、官界、財界の多くの人々は、中国との関係について、経済面においては表面上良好な相互連動関係が進んでいるが、軍事と外交面においては同床異夢だと見なしている」と語った。 

 さらに陳部長は「これまで各国の『一つの中国』政策が、わが国の国際参加にとって最大の障壁となってきたが、この二十五年間において国際社会は大きく変化し、欧米ならびに日本を含む国際社会は『一つの中国』の定義を見直しはじめている」との分析を示し「特に米国では議会が政府に提議見直しを正式に求めている」と明らかにした。

《台北『中国時報』7月3日》 

●台米の実質関係は強固 

 ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は日本訪問を終えてから中国を訪問し、七月八日に北京で江沢民・前国家主席、李肇星・外相らと会談したが、中国側は米国の台湾への先端兵器輸出を強く抗議した。これについて陳唐山・外交部長は同日「これまでの慣例により、ライス補佐官の帰国後、詳しい情報が米国よりわが国に寄せられるはずだ。中国はさまざまな口実を設けて台湾を圧迫しようとしており、ライス補佐官との会見でも兵器輸出問題への言及は避けられない。だが現在の台米関係は良好であり、ライス補佐官が中国で台湾にとって不利な発言をすることはあり得ない」と語った。 

 また国家主席の胡錦涛が八月に訪米するとの報道が一部でされているが、これについては、「時間が切迫しており、その可能性はきわめて小さい」との見方を示した。
《台北『自由時報』7月9日》

ニュース


現状維持は両岸の共同責任
ともに努力し平和的解決を

 呉剣燮・大陸委員会主任委員は六月二十四日、海峡交流基金会が宜蘭で主催した大陸投資企業の座談会に出席し、「両岸関係の安定を維持し、現状の変更を回避することは、両岸共同の責任である。双方はそれぞれの状況のなかで、互いの隔たりを平和的に解決するよう努力しなければならない」と述べた。

 呉主委は、両岸の経済関係について「昨二〇〇三年の両岸における貿易総額はすでに四百六十三億ドルに達し、台湾の中国、香港向け輸出額は輸出総額の三七%を占めている。中国市場が台湾経済に与える影響は、ますます拡大している」と指摘し、これについて「中国における政治経済の状況は不安定であり、企業の投資権益に関する保証についてはまだしかるべき協議に達していない。われわれは対中投資と両岸貿易が持続的に拡大するなか、派生する各種のリスクを軽んじてはならない」と強調した。
《台北『自由時報』6月25日》

金融監督管理委員会が発足
台湾の金融業を国際レベルに

 七月一日、金融管理の一元化を目的とした金融監督管理委員会(以下、金監会)が、行政院の新機関として正式に発足した。初代主任委員に就任した龔照勝氏は、游錫堃・行政院長の主催により同日台北郊外でおこなわれた就任式で挨拶し、「今後金監会では、金融業の国際化に協力し、国内の金融規制をさらに自由化して、台湾の金融・資本市場を国際レベルに引き上げ、台湾をアジア太平洋地域の金融サービスセンターとしたい」と抱負を語った。

 同会は、台湾企業の国内株式市場での上場と、金融業の中国進出を当面の任務とし、本会の下に、国内十四の金融持ち株会社を一手に管理する「銀行局」、銀行や証券会社などを管理する「証期局」および「保険局」、金融警備システムを整備し情報管理をおこなう「検査局」が設置され、金融管理機能の強化をおこなうほか、専門分野での人材育成にも取り組む予定だ。
《台北『工商時報』7月1日》
 

香港返還七周年デモを評価
民主化求める民意直視すべき

 中国返還後七周年を迎えた二〇〇四年七月一日、民主化を求める大規模デモが香港市内でおこなわれ、四十万人以上の市民が参加した。これに対し行政院大陸委員会は、次の声明を発表した。 

 ○   ○   ○

 〇七年の立法会議員普通選挙と〇八年の行政長官普通選挙の完全実施と自由民主化を求めた今回のデモは、国家転覆罪などを盛り込んだ香港基本法二三条の立法化に反対しておこなわれた昨〇三年七月一日の大規模デモに続き、民主化に対する香港住民の決意を改めて示し、中国の干渉に対する香港市民の不満と『一国二制度』への失望を顕著に表した。

 大陸委員会は民主化と基本的人権を追求する香港住民の姿勢を評価、支持するとともに、中国が香港に対し公約した『高度な自治、香港人による香港統治』を遵守するか否かに注目しており、中国が香港の民意を直視するよう強く希望する。

【行政院大陸委員会7月1日】


六月の輸出額二四・五%増
四年三カ月ぶり二億ドル入超 

 七月六日に財政部が発表した統計によれば、六月の輸出総額は百四十四・四億ドルで、前年同月比二四・五%増、輸入総額は百四十六・四億ドルで、前年同月比四二・二%増となった。輸入の大幅増加は、欧米から旅客機三機を購入したことや原油価格の高騰などが原因で、単月では過去最高となり、二〇〇〇年三月以来、四年三カ月ぶりに入超に転じた。

 一方、一~六月の輸出入総額は、それぞれ前年同期比二五・七%増および三五・六%増となり、〇三年十一月以来、連続八カ月で二ケタ台の延びを記録したが、輸入の伸びが輸出を大幅に上回った。このうち米国、欧州に対する貿易出超額はそれぞれ二十六億八千万ドル、一二億四千万ドルで前年同期比二十一億ドル減および六億一千万ドル減、対中国出超額は、二百二十二億七千万ドルで同五十七億ドル増となった。対日本は入超で百四十億九千万ドル、同五十一億二千万ドル増となった。

 【財政部 7月7日】

固有の領土は現有の領土
台湾制憲運動マニュアルを公表

 台湾の新たな憲法制定を求め、七月一日、李登輝前総統を総召集人とする「台湾制憲運動発起大会」が台北市で開催された。同日は声明の発表とともに、運動方針を記したマニュアルも公表された。このマニュアルは姚嘉文・考試院長が弁護士の立場で編集したもので、領土や国名などについて新しい論述を示している。

 まず「固有の領域」について、姚院長は「各界でさまざまな意見があるが、研究した結果から言えば、それは『現有の領域』にほかならない。現在台湾は中華民国の名称を使用しているが、領土の範囲は以前の中華民国のそれとは隔たりがある。憲法第四条の規定を詳しく見ると、そこには領土の範囲について規定しておらず、『固有の領土』という文字は『領土の変更』に関し、それ以前の領土という相対的な意味で使用されているにすぎない。同四条の意義は『領土の変更には議会の決議を経なければならない』という点だけだ」と指摘している。

 また、台湾の国境線については、「台湾、澎湖、東沙諸島、南沙諸島が台湾の領土に属し、金門島、馬祖島および烏坵島など周辺の島嶼も、ずっと台湾の管理下にあった。台湾の安全と台湾海峡の平和を守り、中国の軍事情勢を偵察する上でそれらは無限の価値があり、また台湾の領土である」と主張している。

 国名については、「台湾が使っている中華民国の名称は、単なる借用にすぎず、以前の中華民国、さらに中華人民共和国と非常に混同しやすいため、さまざまな方法で注釈を加えなければならない。名実ともに台湾の現状に合致し、台湾という主権国家を象徴するにふさわしい国名を見つけること。これが制憲運動の重要な活動である」としている。

 なお国名の選定について姚院長は「国民のコンセンサスと社会の支持、国際社会の理解を得て、法的な手続きを進めることができる。国名の問題は「台湾正名運動」の主要課題であり、同運動の延長線上にある台湾制憲運動が国名制定を議題とするのは自然なことだ。台湾の主権や領土、統一か独立かは、いずれも問題ではない。なぜなら、台湾の主権と領土は明確であり、統一か独立かは問題ではないからだ」と強調した。
 《台北『自由時報』7月1日》


中国への開放政策を改めるべき
楊青矗・総統府国策顧問

 二〇〇一年末、総統府が召集し開かれた経済発展諮問委員会で、大手企業の大多数が自己利益の観点から政府の中国に対する「急がず忍耐強く」政策を見直すよう求めた。これを受けて、政府は「積極開放、有効管理」へと政策を変換した。その結果、台湾企業は大量の資金を中国に投資し、その額は昨年七十七億ドルに達した。これは李登輝前総統時代の三倍に相当し、しかもこれはあくまで公表された額にすぎず、個人によるものや地下で行われた投資は含まれていない。政府は外資に対しては台湾への投資を積極的に誘致しながら、国内企業の中国投資は放任しており、矛盾した態度と言わざるを得ない。もしこの七十七億ドルが中国ではなく台湾に投資されていたなら、無数の雇用機会と経済利益がもたらされ、失業による自殺なども起きていないに違いない。そもそも政府は外資に頼らなくとも、大型予算を組んで失業者の短期救済を図る必要もないのである。 

 政府は中国への投資を開放するだけでなく、中国に進出している企業に、台湾で株を上場することまで奨励している。だが、台湾で上場することは、すなわち台湾の国民の資金を再び中国に流出させることにほかならない。台湾企業は七、八%の現金があれば、あとは株式を発行し、台湾で資金を調達できる。 

 台湾の上場企業のほとんどが、毎年増資する際、株式を発行し、資金を調達する方法を採っている。こうなると、資本額は増えるが、株主の利益は薄くなる。しかし、毎年上場企業の多くが利益の三〇~四〇%を株として社員に分け与え、額面十元(約三十円)で計算している。台湾のこうした株主を増やすやり方は中間管理職を儲けさせるが、金は台湾で流通しており、まだ許せる。もし、中国に進出している企業が台湾で上場したら、金は中国に流れることになる。そしてもし、巨利を得たにも関わらず帳簿上で赤字を装い、その会社も会計士も中国にいる場合、政府関係機関はどうやって中国に行き調査するのだろう。たとえ帳簿を偽わっていなくとも、中国当局から圧力を受け、収益の八〇%を社員に分け与えるよう命令されたら、台湾で投資した株主にはどんな利益が得られるというのだろう。政府はこれにどう対応できるのか。 

 先日、中国に投資した博達公司が当局に六十三億元(約百九十億円)を巻き上げられ、株式市場からの撤退を余儀なくされた。同社の株価は、一時一株三百元(約九百円)以上の高値がついたこともあったが、今は紙切れ同然であり、投資家の血と汗の結晶はもはや帰らぬものとなったのである。こうした状況は過去、東隆五金の三十五億元(約百億円)をはじめ、台鳳や華隆などでも経験済みである。これらの企業は政府の管轄下にあるとは言え、政府は帳簿を調査することも、処罰することもできない。もし企業が台湾で株式を発行し、権力の及ばない中国でまきあげられたら、政府はどう対応するのだろう。投資家の恨みを政府はどう処理できるのか。たとえ企業が台湾で上場し、まじめに経営していても、中国当局の不正な手段によって利益をむしり取られたら、台湾の投資家の血と汗の結晶は無に帰することになる。こうした問題について、政府は自問すべきである。 

 二〇〇一年の「積極開放、有効管理」は、大手企業の「商を以って政を囲む」やり方により、迫られて打ち出した政策である。実施から三年を迎えた現在、政府は積極開放後の有効管理がきちんとなされているかどうか、また企業が中国にあっても管理できるかどうか、検討する必要がある。もし有効に管理されているとしても、台湾にプラスとなっているのか。もし利益がないのなら、積極開放は台湾にとって無意味である。 

 総統選挙期間中、中国は台湾企業に連宋陣営に投票するよう圧力をかけ、陳水扁を支持する企業はスパイや脱税、密売などの汚名を着せ迫害した。野党を支持する台湾企業にも、連宋陣営を支持していることの証明となるものの提出を求め、それがない場合にも圧力を加えた。中国当局は台湾企業に圧迫を加え、政府を「商を以って政を囲む」政策で追い詰め、選挙以降は台湾企業を盾に政府に三通の実施を迫っている。台湾の政府と国民は気概を持ち、中国への投資は止め、中国に金儲けをさせず、「積極開放」政策はブレーキをかけるべきである。さらに、中国への投資を厳しく制限し、政策を変更し、企業が台湾へ戻ること、もしくは別の国へ投資することに協力すべきである。もし、政府が今後も積極開放を続け、中国の台湾企業に対する圧力が強まれば、台湾はみずから墓穴を掘ることになるのだ。 

 さきごろ行われた群策会主催の台湾企業の中国投資政策を見直すフォーラムでは、台湾企業が中国当局にどれほど圧力を受け、被害を受けたか、その具体例が発表された。台湾対中投資被害者協会によると、中国で被害に遭い泣き寝入りしている事例は十数万件に上っているという。中国の司法当局に告訴した事例のうち、この十数年来、勝訴したのはただの一件もない。中国の官僚は「中国人は結束して台湾人に対応しなければならない」と、民族主義を振りかざし、中国人が台湾企業の証人とならないよう仕向けているのだ。 

 中国に投資している台湾企業で、利益をあげているのは少数に過ぎず、大方は赤字を出している。中国は台湾企業に狙いを定め、かれらにさまざまな圧力をかけるだけでなく、人質として政府を脅してさえいる。こうしたなかで、政府は政策を変更し、企業の中国投資を禁止すべきである。政策は国家全体の経済を考慮し、全国民の福祉を念頭におくべきであり、決して一部の大手企業の言いなりになってはならない。中小企業で、みずからの意志で中国に投資し墓穴を掘っても、助けるわけにはいかない。中国は覇権主義国であり、侵略をモノとも思わず、理屈の通らない政権である。台湾企業は遅かれ早かれ、中国に呑み込まれるだけでなく、政府の人質にさえされてしまう危険があるのだ。(完) 

《台北『自由時報』7月5日》


「一国二制度」の困難さを証明
『青年日報』(7月1日)

 七月一日、香港が中国に返還され七年が過ぎた。ある学術調査によると、香港の市民は政治、経済、社会の、どの分野においても現状に大きな不満を抱いているという。不確定性は昔以上に高まり、「将来に希望を持てない」というのだ。原因は多々あるが、植民主義、民族主義の反復という歴史的要因、経済のグローバル化競争、もともと保守的な香港人の気質などに加え、行政長官の指導力不足も、しばしば批判の対象となっている。だが、香港をこうした状況に追いやった最大の要因は、「一国二制度」の失敗にほかならない。 

 七年前、中国は台湾に対し、資本主義の民主制度と社会主義の専制政治は共存できることを証明し、中国と統一することのメリットを喧伝した。そして、香港で実施した「一国二制度」を過渡期の社会主義モデルとした。このため「一国二制度、香港人による香港統治、五十年間不変」という鄧小平の主張が返還後の香港の最も重要な指標となった。しかし結果は、経済の深刻な衰退、失業率の上昇、貯蓄の目減り、倒産の続出、内需の後退、不動産市場の低迷と、およそ市民の満足できる状況にはならなかった。 

 政治を見ても、昨年、董建華・行政長官が「香港基本法」第二十三条を根拠に「国家安全条例」の制定を打ち上げ、市民の大規模な抗議デモを引き起こし、その後、北京の全人代が示した解釈も香港人による統治の原則を無視した。 

 こうした結果は、香港市民が期待したものではなく、また北京が主体的に望んだものでもない。中国は歴史の経験に照らし、一つの政治社会の転換には一定の時間が必要で、途中に過渡期を伴うことを理解していた。そして中国は「一国二制度」を、その過渡期における実現可能のモデルと位置付けたのである。 

 中国内部においても、そうした思想を見ることができる。一九四九年、労働者階級による革命が成功し、毛沢東は地主や資本家、知識分子などの、いわゆる資本家階級の残滓を一網打尽にしようとはせず、一定の過渡期を設けて転換し、改造し、教化する態度を採ることで、彼らが自主的に社会主義陣営の一員となるよう仕向けたのである。このような過渡期と転換、段階的な革命こそが統一理論の核心であり、「一国二制度」の真の目的もそこにあることを、識者なら知っているはずである。 

 しかしながら、七年が過ぎ、香港の「一国二制度」の結果は、予想とは大きくかけ離れたものとなった。われわれはしばしば自問する。「経済発展に主軸を置いている香港市民が『天安門事件』の追悼に、なぜあれほど熱心なのか」香港の人びとは一九四五年以降の文化大革命や天安門事件が、ふたたび香港で起きるのではないかと恐れているのである。 

 一方、われわれは、これまでそれらが台湾で繰り返されるという心配をしたことはない。「一国二制度」が台湾にどのようなマイナスをもたらすかについて、われわれは懸念する必要はないのだ。なぜなら、われわれの愛国心は中国のように押し付けられたものではないからだ。「自由、民主」を守ることにおいて、階級や民族、血統、文化の背景など、一切必要ない。こうした愛国心には、過渡期も保留も必要ない。台湾における過去五十年間の民主の発展と深化という経験こそが、香港返還七年目の失敗に対し、見直されるべきものである。


中国の対台策略を見抜け
『自由時報』(7月2日)


 中国国務院台湾事務弁公室はさきごろ、「三通は両岸内部の問題であり、その技術的な問題は『一つの中国』の政治問題と関係なく解決できる。もし台湾が銭其琛の言う立場と主張に同意したなら、いつでも台湾との交渉に応じる。だが台湾は両岸の運航に外国船籍を参与させ、両岸航路を国際化することを堅持しており、この点が両岸三通の実現を阻んでいる根本的な原因だ」とする談話を発表した。 

 中国の今回の談話は、これまでの内容と何ら変わるものではなく、あらためて、さまざまな手段で台湾を陥れようとの意図がうかがえる。これに対し行政院大陸委員会は、交渉の前に外国船籍の参与を排除する前提を設けることに、あらためて反対の立場を示したが、一方で今回の談話を善意あるものと解釈している向きがある。 

 中国の今回の談話は、大陸委員会がさきに中国に対し「三通の実現には必ずしも政治問題の解決は必要ない」とする銭其琛の主張に立ち戻るよう呼びかけたのに応えたものだ。だが、銭其琛の主張はその実、糖衣をまとった毒薬にすぎず、その作りもお粗末だ。銭其琛は「三通は両岸内部の問題であり、三通を国際問題として扱うことはできない」と主張する一方で、「三通は経済問題であり、その技術的な問題は政治問題とは関係ない」と強調している。ここには確かに柔軟性も垣間見られるが、しかし談話の核心は「三通が中国内部の問題である」という点にある。つまり、三通の技術的問題の交渉に政治問題を含まないという主張は、決して「一つの中国」の原則を取り消したという意味ではなく、暗に「話すまでもない」前提として、台湾に呑ませようとしているのだ。 

 そもそも、銭其琛の言う立場と主張をすべて受け入れることを三通交渉の前提として台湾に要求していること自体、善意どころか敵意に満ち満ちている。大陸委員会は、まさにこれを機会に国民に対し、中国の三通問題における政治的意図をはっきりと伝え、中国が経済問題を利用し、政治問題を操縦しようとする策略への理解を促すべきである。そして三通政策の盲点を改めて検討してみる必要があるのではないだろうか。 

 大陸委員会は両岸関係の守り役であり、道理から言えば、国家全体の観点から各省庁の中国に関する政策について統括する立場にある。つまり、「台湾に根を下ろす」、「台湾を耕す」、「台湾に優先的に投資する」政策を徹底させ、台湾の経済力と国際競争力を高めるよう務めるのが本筋である。 

 陳水扁総統は最近、中国に進出している台湾企業の帰国ブームをサケが生まれ故郷に戻ってくる習性になぞらえた。陳総統は「世界の格付け機関や外資企業、中国で成功している台湾企業までが台湾の将来を有望視し、台湾へ次々と投資している」と指摘した。ここで問われるのは、台湾企業が故郷に帰ったとして、そこが労使ともに安心して生活できる環境になければならないという点である。決して中国への投資開放を拡大し、台湾での雇用機会を減らしてはならないのだ。この十数年の経験に照らして言えば、政府が開放政策を打ち出すたびに、企業の中国投資はブームとなった。三通の推進は、中国投資をさらに加速させるだけである。中国による台湾企業、芸能人に対する圧力、さらに台湾に対する経済制裁、経済封鎖の噂まで流れるなかで、台湾が今後も中国への投資を続け、みずから罠にかかる道理はないはずである。大陸委員会は、三通が台湾経済の最後の藁をも摘み取ることになり、さらにサケに故郷へ帰る術まで失わせることを、はっきりと認識しなければならない。三通の推進を一貫した政策と見なしてはならないのだ。 


「台北中華美食展」へのお誘い
健康によい食材、豪華絢爛な料理の数々を紹介


「食在台湾(食は台湾に在り)」の名のもとに台湾で受け継がれてきた多彩な料理の数々の祭典が、今年も台北の世界貿易センター展示場で開催されます。今年のメインテーマは「Natural Way to Health(自然養生)」。見た目に美しく、おいしいだけでなく、健康にもよい食材を使った台湾ならではの料理が並びます。 

▽開催期間:8月12日(木)~15日(日) 9時30分~17時30分
▽開催場所:台北世界貿易センター国際展覧一館A区(台北市信義路5段1号) 

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●台湾筍と台湾産パパイヤ 

台湾の名産でもある「筍」と「パパイヤ」は、健康によいとされる成分や低カロリー性などが評価され、世界のいたるところで健康料理として調理されています。今回の美食展では、これらの素材を使い、身体への効能などの解説を含め、有名なシェフ達が創造した芸術性の高い数々のべジタリアン料理を展示します。 

 ●マンゴー養生宴

夏に収穫期を迎える「マンゴー」には、カロチン、・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンAが豊富に含まれており、抗酸化作用が強いといわれています。また体の基礎代謝を活発にすると言われ、健康だけでなく美容にも効果が高いと評判です。このマンゴーを使用した多彩なメニューとモデル料理を展示します。 

 ●特色風味展

【台湾コーヒーの故郷 雲林巡礼/月色・山色・竹色~阿里山高山茶風味展】

 台湾産コーヒーの産地として知られる雲林県で栽培されたコーヒーを紹介しながら、コーヒー豆を利用した斬新でユニークな創作コーヒー料理を披露。また台湾でも人気が高く、高級とされている阿里山高山茶風味菜展も同時開催します。 

 ●特別展

中国大陸の杭州・蘇州・揚州地方に古くから伝わる伝統的な晩餐を再現して紹介します。 

 ●受賞作品の展示

 国際観光ホテルやトップクラスのレストランから出展し受賞したさまざまな最新創作料理を展示するほか、有名シェフや料理専門家を招いてのデモンストレーションや料理講習会、料理裏技講座などのプログラムも連日開催します。 

●展示エリア

台湾を代表する観光ホテルやシェフが腕を振るった豪華絢爛の数々の料理は、まさに究極の芸術作品。 

 ●コンテストエリア

二〇〇四年観光年にちなみ、世界各国から中華料理の名手が勢ぞろいし、団体、個人枠に分かれ、さらにプロと学生、料理クラブの各チームで、料理や野菜・果物のカッティング、アイスカービングなどの妙技を競います。 

 ●美食街~展示即売コーナー

台湾の伝統的な小皿料理をはじめ、各地のさまざまな食材や銘酒、食に関する書籍等の即時販売コーナーが設けられます。また、美食展特別価格での食材や飲料品の販売も行われ、毎年大勢の人で賑わいます。 

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 十五年目を迎える今年は「台北中華美食展」に合わせ、台北市内の各ホテルやレストラン、観光夜市等において「台北打牙祭―Taipei Season for Chefs」と銘打ち、各種美食イベントが企画されています。おいしくて楽しい台湾美食の真髄を思う存分お楽しみいただけることでしょう。 

【台北打牙祭―Taipei Season for Chefs-】 
▽開催期間:8月1日~31日
▽開催場所:台北市内の各国際観光ホテル、レストラン、観光夜市等
http://www.taipeiseasonforchefs.com.tw/


台湾観光年  

 明星咖啡屋がオープン

 戦後まもない一九五〇年に開店し、当時多くの作家の創作や交流の場として台湾文学の重要なランドマークともなっていた喫茶店「明星咖啡屋」が七月四日、十五年ぶりにオープンした。 

 ロシア革命で国を追われ戦後台湾に渡った五人のロシア人と、当時まだ青年だった簡錦錐さんが台北市武昌街に洋菓子とパンを売る店「明星西点麺包」を開店し、翌年同じ建物の二階に「明星咖啡屋」が設けられた。コーヒーとともに当時まだ珍しかったトーストやロシア菓子などが評判になり、大きな話題となった。外国の使節らが焼きたてパンを求めて黒塗りの車で店を訪れる光景は当時西門町一帯の風景となり、蒋経国総統(当時)もロシア生まれの夫人と共によく店を訪れ会食したという。そのときの写真は、現在も店内に掛けられたままだ。 

 十五年前、付近の喫茶店との競合で閉店に追い込まれたが、店を愛する作家や客の思いに支えられ、簡錦錐さんがふたたび店を開けることになった。 

 十五年ぶりにオープンした店内は、テーブルや椅子、内装もすべて昔のままだ。この日は当時店によく出入りしていた作家たちが駆けつけ、それぞれに当時の思い出を語り合い、簡錦錐さんを囲みながら喜びを分かち合った。 

 雲門舞集の主宰者として知られる林懐民氏は、舞踊団を立ち上げる以前は作家として活躍し、店には大学時代から通っていたという。小説『蝉』も、こうした環境のなかで生まれたもので、「後の雲門舞集も店で過ごした時間がなかったらできなかったかもしれない」と振り返る。 
 
 また「作品の多くをこの店で書き、小説を『文学季刊』で発表することができたのは、まさにこの雰囲気があったおかげだ。私は創作の源をこの店からたくさん得た。おかしなことに、店を離れてから作品がさっぱり売れなくなってしまったんだ。だが、これからは大丈夫さ」と笑顔で語るのは作家の黄春明氏だ。詩人の周夢蝶氏や前台北市文化局長の龍応台氏、それに馬英九・台北市長も姿を見せ、馬市長は「同世代の人間は、雑誌は『文星』、コーヒーは『明星』と言われたことを知っている。多くの作家を育てたこの店が、今後も作家の育成の場となってほしい」と挨拶。このあと用意された大きなデコレーションケーキにナイフが入れられた。

《台北『聯合報』7月5日ほか》 


めざせ金メダル!アテネ五輪

 第二十八回オリンピック競技大会(二〇〇四年アテネ五輪)も残りあと一カ月足らずに迫り、国際的スポーツの祭典に向け、台湾でも各競技の代表選手が続々と選出され、調整に入っている。 

 アテネで台湾が参加する種目は、合計十三種目だが、行政院体育委員会では、このうち野球、ソフトボール、アーチェリー、テコンドー、重量挙げ、卓球、射撃の七種目を、金メダル有望種目として挙げている。今年注目すべき選手たちを、次に紹介しよう。

●テコンドー:朱木炎に熱い視線 

 有望種目のなかでも、とくに注目されるのは、かつて台湾史上初の金メダルをもたらしたテコンドーだろう。テコンドーは一九八八年のソウル五輪で金メダル二個、銅メダル三個、九二年のバルセロナ五輪では金三個、銅二個の優秀な成績を記録している。二〇〇〇年のシドニー五輪では銅メダル二個と振るわなかったため、今年〇四年は有望選手に新たな期待が寄せられている。 

 アテネのテコンドー競技では、男女が各四等級に分かれ、男子六十四人、女子六十人が八個の金メダルを競うこととなっている。台湾代表は男子五十八キロ級に朱木炎、六十八キロ級に黄志雄、女子四十九キロ級に陳詩欣、五十七キロ級に紀淑如の各選手がすでに決定しているが、二十二歳の朱木炎選手が一番の注目株だ。これまで国際レベルの競技会で目覚ましい戦績を上げている朱選手だが、とくに昨二〇〇三年以降は世界学生テコンドー選手権、世界テコンドー選手権大会、オリンピックテコンドー世界予選およびオランダオープン大会と、続けて金メダルを獲得した。蹴りの超人的速さは群を抜いており、「台湾戦神」、「無敵の超合金」などの異名をとるほどだ。海外では「ブルース・リーの再来」とも噂され、向かうところ敵なしと見られているが、当の朱選手はこうした評判に翻弄されることなく、着々と最終調整に入っているという。 

●重量挙げ:「小さな巨人」王信淵 

 オリンピック最古の種目と言われる重量挙げだが、台湾は一九五六年のメルボルン五輪で初めて競技に参加し、前回のシドニーでは銀、銅各一個を獲得しており、メダルが期待できる種目の一つだ。 

 二〇〇四年アテネ五輪の出場者は、男子五十六キロ級に王信淵、楊景翊、六十二キロ級に楊勝雄、六十九キロ級に郭承瑋、女子は四十八キロ級に陳緯綾、陳涵彤、七十五キロ級に黄世均の各選手が決定しており、とくに男子五十六キロ級にメダルの期待が集まっている。今年二十八歳の王信淵選手は、競技暦十三年のベテランだ。高校二年の時重量挙げを始め、わずか一年で国際選手権に出場した天才肌の選手で、自己最高記録は二百九十五キロとなっている。楊景翊選手は現在二十三歳、最近は常に王選手の二番手となっているが、〇三年の世界重量挙げ選手権では、はじめて王選手を破って銀二個、銅二個のメダルを獲得した。自己最高記録は二百七十七・五キロである。 

 男子重量挙げ五十六キロ級には、一九九六年、二〇〇〇年のオリンピック金メダリストのハリル・ムトル選手(トルコ)や中国の呉美錦選手などが控えているが、経験や年齢のうえでも台湾が勝てる見込みは十分にあるだろう。 

●射撃:林怡君がメダル候補 

 射撃では、四年前のシドニー五輪で四位となった女子クレー・ダブルトラップの林怡君選手が金最有力候補だ。林選手は〇二年の第四十八回世界射撃選手権で金メダルを取り、アテネへの切符を手に入れた。林選手の対戦相手として強力なのは、アトランタ五輪金メダリストのキンバリー(米)、シドニー五輪金メダリストのヨハンソン(スウェーデン)、中国の王静寧、イタリアのピサロら各選手である。射撃ではこのほか、男子エアピストルに張憶寧選手の出場が決定している。

●卓球:男子シングルに期待 

 卓球は男子シングルとダブルスに荘智淵、蒋澎龍選手が、女子シングルには黄怡樺選手、ダブルスは黄選手と陸雲鳳選手が出場する。このうち世界ランク十四位の記録を持つ荘智淵選手が有望株で、最近は他大会で世界ランクトップスリーの王勵勤、馬琳、王皓選手(ともに中国)のうち、一、二位の王、馬選手を破っており、五輪に向け着々と実力を発揮している。 

●野球:アテネ出場チーム結成 

 アテネ五輪に向け、慎重な審査の末、台湾代表チーム「中華隊」二十四名がさきごろ正式に発表された。

 中華隊は投手十三名、捕手二、内野手七、外野手四名で構成され、日本からは張誌家投手(西武)、陳偉殷投手(中日)、林威助外野手(阪神)が、また米国マイナーリーグに所属する王建民投手(ヤンキース)、曹錦輝投手(ロッキーズ)、陳金峰外野手(ドジャース)がメンバー入りした。 

 代表チームの最大の特色は、選手が若く潜在力があることだ。王建民が百五十九キロ、曹錦輝百五八キロ、陽建福一五一キロと、百五十キロ以上を投げる投手が揃っているほか、打手は陳金峰選手が打率三割以上、七十安打、十五本塁打、また、兄弟象隊の彭政閔選手が打率四割一分八厘、八十一安打、十二本塁打で、活躍が期待されている。

メンバーは八月初旬、イタリアで各国と練習試合をおこなった後、アテネ入りする予定で、中華民国野球協会では「ベストフォー入りはまず間違いなし」とコメントしている。
《台北『中央社』7月1日ほか》


スポーツ関連ニュース


槍投げアジア選手権で金 

 マレーシアでさきごろ開催された第十一回アジアジュニア陸上競技選手権大会の投擲競技で、台中市大甲高校二年生の林恒継さんが金メダルを獲得した。百八十二センチの身体から繰り出す槍さばきで自己新記録の六七・七三メートルを投げ、中国、日本など三十九カ国の強豪を抑えて優勝を勝ち取った。投擲での金メダルは、台湾が同大会に参加以来二十年間で初の栄冠となった。
《台北『中国時報』6月19日》

曾雅妮選手が全米アマで優勝

 台湾女子アマチュアゴルフの新鋭、十五歳の曾雅妮が、六月二十八日におこなわれた’04全米女子アマチュアパブリックリンクス・チャンピオンシップで、韓国の天才少女魏聖美(ミシェル・ウィ)を下し、王座に輝いた。

 決勝戦は米国バージニア州のゴールデンホースシューC.C.グリーンコースでおこなわれた。曾選手は前半で魏選手の先制を許したが、じりじりと追い上げ、三十四番ホールでタイに、最後の三十六番ホールで三・六メートルのバーディ・パッティングを決めて優勝し、全米女子オープンの参加資格を獲得した。
《台北『民生報』6月28日》

文化・芸能ミニ情報


故宮で初の映画封切り
外に開かれた故宮目指す

 台北の故宮博物院広場で、七月中旬、映画『十面埋伏(邦題:ラヴァーズ)』の封切りが行われる。 

 故宮はこれまで広場での一切の商業行為を禁止しており、映画が封切られるのは今回が初めてとなる。このほど新しく就任した林曼麗副院長の肝入りで実現の運びとなった。

 『十面埋伏』は、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『HERO』に次ぐアクション映画で、時代背景に故宮が関わっている。林副院長は「これをきっかけに故宮を全世界にアピールし、若手の映画製作者と組むことで、故宮が決して古臭くないことも証明できる。政府が率先して創意産業を推進しているなか、故宮が旧態依然としていては話にならない。われわれはもっと外に向けて開かれなければならない」と強調する。

 映画は、故宮正面広場をレッドカーペットに見立て、館内の大ホールを貸切って上映される。世界では、国の博物館や美術館が商業行為に場所を提供するケースは珍しくなく、大英博物館はホールを外部のパーティー用に、フランスのベルサイユ宮殿は結婚式に貸し出している。しかし、いずれも高額な使用料を求めており、今回故宮が求めた五千元(約一万五千円)は、あまりに安すぎるとの批判も一部に出ている。

 今後、さまざまな映画会社から場所の提供を求められることが予想されることについて、劉昌信・主任秘書は「映画は芸術の一つであり、故宮のイメージを損なわない範囲で対応したい」としている。
《台北『聯合報』6月30日》

ニューヨークフィル初の台湾演奏家

 台湾のバイオリニスト盧冠呈さんがこのほど、四百人の難関を突破し、ニューヨークフィルハーモニーに入団した。台湾からの入団者はフィルハーモニー史上百年以来初めてである。盧さんは一九九七年、高校二年で渡米し、Oberlin Conservatory of Musicなどの奨学金を受け、ニューヨークフィル主席バイオリニストGlennDicterowらに師事した。マンハッタン交響楽団、マンハッタン室内交響楽団などで主席バイオリニストを務めた経験もあり、その音楽への造詣の深さは、フィルハーモニー指揮総監督のローリン・マゼル氏も高く評価しているという。

《台湾『中央社』7月8日》 

お知らせ

講演会「これからの台湾と
日本の関係発展について」

 マスコミ総合研究所は第267回定例研究会で、このほど台北駐日経済文化代表処の新しい代表に就任した許世楷氏を招き、今後の台湾と日本の関係発展について講演会を行います。 

日 時 7月28日(水)午後2時~4時
会 場 キャピトル東急ホテルB2「竹の間」(東京都千代田区永田町2-10-3)
TEL 03-3581-4511
交 通 東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅/千代田線・丸の内線「国会議事堂駅前」駅下車
会 費 会員以外は二千円
主催・問合せ マスコミ総合研究所
(TEL03-3595-4670)


春 夏 秋 冬 

 なんとも痛ましい事件で、第一報を聞いた時には呆然自失してしまった。本コラムでこの事件に触れようかどうか、迷った。だが、取り上げないわけにはいかない。被害者の御遺族にお悔やみを申し上げるとともに、この事件が日台関係に悪い影響を及ぼしてはならないと願って止まないからだ。6月28日夜、台湾から日本に来ていた女子大生の蕭任喬さんが山梨県富士吉田市で殺害された。 

 もちろんこの事件は台湾のメディアでも大きく報じられた。この一人の犯人によって日本のイメージは傷つけられた。だが、その報道に感情論はなかった。7月2日、任喬さんの柩(ひつぎ)が同市の警察署から市内の斎場に運ばれたが、そのとき富士吉田市警察署の制服警官、私服刑事らが整列し、無念の涙とともに最後の敬礼で見送ったこと、富士河口湖町と地元観光協会が7月3日に予定していた恒例の富士山山開き花火大会を、無期延期し弔意を表したことなども、正確に報じられていた。 

 日本のメディアもまた、任喬さんが「自分の日本語を試すいい機会」と語り日本旅行を楽しみにしていたこと、同行していた兄の蕭任凱さんの「妹はたまたま悪い人に出くわしてしまったのだと思う。こうしたことが起こるのは、妹が最後になってほしい」と語ったことなど、的確に報じていた。 

 そればかりでない。事件が明らかになった直後から、東京の台北駐日代表処には間断なくメールが入りだした。その一部をここに紹介したい(いずれも抜粋)。

「残虐な事件の報に接し、怒りと悲しみに打ち震えております。特にテレビニュースでお兄様のコメントを聞いた時には涙が止まりませんでした。日本人の一人として、本当に申し訳ない気持ちで一杯です」 

「日本人(人間)として大変残念であり、申し訳ありません。残忍な犯人に対し激しい憤りを感じております。悔しいです」 

「大きなショックを受けました。彼女は親日家だったとのこと。楽しいはずだった日本への旅行がこのような結果になってしまい、日本人として大変恥ずかしく、悔しい気持ちでいっぱいです」 

「日本での観光旅行中にこのような形で命を奪われたことを、日本人として言葉で言い表せないほど悲しく、悔しく感じております」 

 やはり日本と台湾の間には、互いに通い合うものがあった。日台関係への影響が最小限に食い止められることを願いつつ、蕭任喬さんのご冥福を心から祈りたい。
     (K)