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  台湾週報2158号(2004.9.9) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
主要ニュース
:::


台湾週報2158号(2004.9.9)

日本若手政治家との交流強化
自民党青年局海外研修団が台湾訪問

 国会議員を含む自民党青年部・青年局幹部海外研修団一行が台湾を訪問した。中国はこの訪台に裏からしきりと圧力をかけ、潰そうと画策したが自民党はそうした圧力に影響されることはなかった。一行は陳水扁総統をはじめ台湾政界の多くの人物と会見した。そのなかで陳総統は一行に、日本渡航ノービザの実施、FTA締結などへの協力を要請した。陳唐山・外交部長は、日本との安保対話の重要性を強調した。

●不当な圧力を排した訪台 

 十二人の国会議員と七十九人の地方議員で構成される「自由民主党青年部・青年局幹部海外研修台湾訪問団」(団長=金子恭之・衆院議員)が八月二十五日、台湾を訪問した。一行は陳水扁総統、彭明敏・総統府資政、陳唐山・外交部長、江丙坤・立法院副院長、張俊雄・民進党秘書長、黄茂雄・工商協進会理事長らとそれぞれ会見する。 

 日本の与党である自民党と台湾の関係は一貫して良好であり、今回訪台した自民党青年部の一行の多くは三十五歳以下の党員で構成されている。自民党青年部と青年局には約三十万人のメンバーがおり、自民党の重要な構成要素となっている。一行は二十八日に帰国する。 

 今回自民党青年部・青年局幹部の台湾訪問について、中国政府は駐日大使館を通じて日本外務省ならびに訪台各議員に、台湾訪問を取りやめるようしきりに圧力をかけた。訪台団一行はこうした不当な横槍にはなんら影響されることなく、予定通り台湾を訪問した。 

《台湾『自由時報』8月26日》

●必要な日台安保対話

 陳唐山・外交部長は二十六日に自民党青年部・青年局訪台団一行と会見し、台湾側が日本と安保対話システムを構築し、自由貿易協定を締結すること、ならびに相互訪問のレベルアップを望んでいることを告げ、それへの協力を要請した。

 今回の自民党青年部・青年局幹部海外研修団一行の台湾訪問について外交部は同日、「今回自民党が台日両国の若手政治家の親善交流を促進するため、初めて海外研修の規模を拡大し、かつ台湾を研修の地に選んだことは、同党が台湾との関係をきわめて重視していることの現われである。今回の自民研修団の来台によって、日本の若い世代の政治家における台湾の政治経済の現状に対する認識と理解はさらに深まることになろう」との見解を示した。

《台北『台湾日報』8月27日》

 ●総統が自民訪台団を歓迎

 陳水扁総統は二十七日、自民党青年部・青年局幹部海外研修団一行と会見し、台湾の国際参加、日台経済関係の強化、台湾国民の訪日ビザ免除などの推進に協力を要請するなど、要旨以下の通り語った。

○   ○   ○

 自民党青年部・青年局幹部研修団一行の皆様とお会いできる機会を得ましたことを嬉しく思います。自民党青年部・青年局が以前から一貫して台日交流を重視され、実際の行動でわが国を支持して下さっていることに心より感謝しております。

 また、本日は台湾国民にとって特別の日となっております。なぜなら今日早朝、台湾の二名のテコンドー選手がアテネ・オリンピックで金メダルを取ったからです。これまで台湾はオリンピックで金メダルを取ったことがなく、今回の台湾の若い選手の活躍には、涙の出る思いがします。この二人の選手は、このたびの研修団の皆様方と同じで、非常に努力家であり、また非常に若く、二人は訓練に訓練を重ね、台湾に栄光をもたらしました。このことは「天下に不可能はない」ことを証明し、同時に「夢があることは美しく、希望はそこについてくる」ことをも証明しております。この二人の優れた活躍が、台湾国民とこの土地に幸運をもたらすものと確信しています。

 今回、游錫堃・行政院長が中米訪問より帰国の途中、台風に遭遇し、沖縄の那覇空港に着陸しましたが、これについて日本政府が適切な措置をとり、十分な待遇をして下さったことに感謝いたします。こうした人道と安全を重視した行動は、まさに台湾と日本の友好を高める重要なカギとなるものです。

 自民党は一貫して台湾と日本の交流における重要な窓口になっており、もちろん政府と民間の相互連動においても、重要な役割を果たしておられます。一九七二年の台日断交後、自民党には将来を見据える政治家が多くおられ、「自民党日華関係議員懇談会」を組織され、わが国との各種の実質的交流を進め、二国間関係を維持してきました。その後、日本政界の多党化により、一九九六年に山中会長の斡旋の下に、自民党日華関係議員懇談会はさらに一歩進み、超党派の「日華議員懇談会」へと改組され、台湾と日本の相互連動の基礎が一層広がりました。さらに今日、平沼赳夫・衆院議員が会長に就任されてより、積極的な努力をしておられます。将来の台日関係は必ず、さらに大幅に進展するものと確信しております。

 自民党は長期にわたってわが国と良好な関係を維持しており、そのなかで最も主要な窓口の一つが青年局です。青年局の配慮と交流を通じ、台日間の相互理解が十分に進むところとなっております。金子恭之・衆院議員の局長ご就任にお祝いを申し上げますとともに、金子局長および研修団の方々が台湾との関係を重視されていることに感謝の念を表明いたします。今後、台日間の実質的関係が双方の努力の下にますます強まることを確信しております。

 これまでも総統府で日本の政界の重要な方々とお会いする機会は多々ありましたが、今回は最大規模であり、団員の方々が帰国後、台湾の国際参加、台日経済関係の強化、台湾国民の日本渡航ビザ免除などの問題にご協力して下さることを期待しております。

 昨年のSARSの流行によって、医療、衛生、防疫の問題には国境のないことが証明されました。地域あるいは国際間が一丸とならなければ伝染病は防止できません。日本は本年の世界保健機関(WHO)年次総会において台湾の総会オブザーバー参加を支持して下さり、台湾国民には大きな激励となり、感動いたしました。日本が今後とも、台湾のWHOならびにその他の国際組織への平等な参加を支持して下さることを期待しております。

 また、台湾は昨年パナマと自由貿易協定(FTA)を締結しましたが、台湾にとってはこれが最初のFTA締結となりました。日本とは至近距離にあり、両国の経済構造はアジアの中で最も似通っており、その関係もますます緊密となってきております。したがって両国がFTAを締結することは、必ず双方の利益に合致するものと確信しております。

 人的交流の面におきましては、台湾人の日本渡航者は年間延べ八十万に近づいております。日本政府は今年を観光年とし、韓国、香港にビザ免除を採用されました。日本政府が平等の原則の下に、早急にわが国にもそれを適用されることを希望いたします。そうすれば、日本の観光収入は増加し、両国交流の拡大と深化にも大きな助力になるものと確信しております。    
  (完)

○   ○   ○

 金子恭之局長は研修団一行を代表し、陳水扁総統の再選を祝賀するとともに「日台関係は緊密化しており、台湾は日本にとって四番目の貿易相手であり、双方は政治的にも重要な相手同士だ。今回の研修団の台湾滞在はわずか四日だが、台湾の民主主義の深化と直面している困難を深く認識することができた。この重要な交流のパイプを通じ、今後とも日台関係がさらに発展することを期待する」と表明した。

【総統府 8月27日】

週間ニュースフラッシュ

 ◆外国籍配偶者のための基金会創設を準備

 游錫堃・行政院長は七月三十一日、台湾在住の外国籍配偶者の同郷会を組織し、かれらの意見を政府に反映させる体制を整えると同時に、基金会を創設し、今後十年以内に三十億元(約九十億円)を投入し、外国籍配偶者の生活やかれらの子女の教育を強化すると述べた。ちなみに、現在台湾在住の外国籍配偶者は三十万人に上っている。
《台北『青年日報』8月1日》 

 ◆国際的なサイバー犯罪防止組織に台湾が加盟

 世界主要先進国八カ国で組織するG8の管轄下に置かれている「24/7Computer Crime Network」に、台湾が三十五カ国目に「TAIWAN」の名義で加盟した。インターネットが普及し、世界各地で深刻な問題となっているサイバー犯罪防止に各国が協力して取り組もうというもので、ちなみに中国は同組織に加盟していない。
《台北『青年日報』8月2日》

 ◆「駐日台湾媒体特派員聯誼会」に名称変更

 日本駐在の台湾メディアの特派員組織「中華民国駐日記者会」が八月三日、「駐日台湾媒体特派員聯誼会」に名称を変更した。同会員の投票により決定したもので、会長の張茂森氏は「取材先で中国の記者との混同を避け、仕事をスムーズに行うため」と話している。
《東京『中央社』8月3日》 

 ◆七月の消費者物価指数、四年半で最高に

 行政院主計処は八月五日、七月の消費者物価指数について、「台風による七・二災害で野菜や果物の値段が急騰し、さらに国際原油価格の高騰も加わり、対前年比で三・三二%の大幅上昇となり、この四年半で最も高い水準となった」と述べた。このうち野菜、果物は前年比五五・四%も上昇し、全体の指数を押し上げたが、主計処では「急激な上昇は短期的なもので、インフレに繋がるものではない」と見ている。
《台北『聯合報』8月6日》

 ◆台湾産米の日本への流通が可能に

 行政院農業委員会は八月六日、「台湾産米が日本の輸入検査対象に正式に加えられることになり、今後日本市場への流通が可能になった」と述べた。同委員会によると、八月末にも日本の業者による台湾産米の入札が行われる予定で、政府としても今後台湾産米の輸出に全力をあげることにしている。
《台北『中央社』8月6日》 

 ◆イラクの学生に「台湾奨学金」を支給

 游錫堃・行政院長は八月十日、イラク統治評議会メンバーの一人でクルド民主党指導者のバールザーニー氏と会見し、今後双方の相互交流を強化することで意見が一致し、台湾への理解を深めてもらうため、毎年クルド人学生三名に「台湾奨学金」を支給することを提案した。
《台北『自由時報』8月10日》

 ◆日本の二団体が殺害された台湾人女子学生の遺族に慰問金

 日本李登輝友の会と台湾研究フォーラムの二つの団体の代表が、先日旅行先の日本で殺害された台湾人女子学生の遺族に対し、慰問金百四十万円を持って八月十一日、台北駐日経済文化代表処を訪ね、許世楷代表に手渡した。
《東京『中央社』8月11日》

 ◆日本の税関職員が台湾に派遣

 テロ対策の一環として八月七日、日本の税関職員四名が台湾の桃園国際空港に派遣され、台湾から日本へ出国する旅行客に対し旅券とビザの審査を開始した。テロリストが偽造旅券を使って日本に入国するのを未然に防ぐための措置だが、同時に台湾人旅行客に対する日本での入国審査手続きを大幅に短縮、簡素化するメリットもある。
《台北『聯合報』8月8日》


実り多かった游行政院長の外遊
台湾の主権と立場を明確に示す

 ドミニカ共和国、ホンジュラス、ニカラグアの中米三カ国訪問のため八月十二日に出発した游錫堃・行政院長は、同二十五日午後、すべての日程を終えて帰国した。なお、往路ではハワイ・ホノルル、復路にはニューヨークに立ち寄り、また帰国の二十五日には台風の影響で沖縄の那覇に立ち寄った。 

 游錫堃・行政院長は桃園国際空港で記者団に対し「今回の外遊の成果は豊富で、友好国の人材育成と自由貿易協定(FTA)締結への目標を達成した」と語った。游院長はこのなかで「今回の外遊では、各友好国に、優れた学生の台湾留学に奨学金を支給し、それによって科学技術交流を促進し、人材を共有する計画を詳しく説明した。このほかFTAについても話し合い、ニカラグアとは実質的な協議に入ったほか、ドミニカ共和国とホンジュラスも、わが国とFTAを締結する意思のあることを明確に示した」と明らかにした。 

 また、台風の影響で那覇空港に緊急着陸し日本政府から適切な措置を受けたことに感謝の意を表明した。

【行政院新聞局 8月25日】 

●ホンジュラス国会で演説

 リカルド・マドゥロ・ホンジュラス大統領は八月十八日、游錫堃・行政院長と会談し、「台湾と一年以内にFTAを締結したい」と語った。また、游院長が台湾で科学技術もしくは農漁業を学ぼうとするホンジュラスの学生百人に奨学金を提供する計画を説明すると、マドゥロ大統領は感謝の意を表明した。 

 また、游錫堃・行政院長は同日ホンジュラス国会で演説し、同国の民主主義の発展を賞賛するとともに香港問題にも言及し「一九九七年に香港が中国に返還される前、中国の指導者は香港市民に『一国二制度、五十年不変』を約束したが、わずか六年で中国は香港の司法権を奪取し、香港市民は司法独立の権利を失った。さらに中国は香港市民に普通選挙をも許さず、香港市民は自由選挙によって指導者を選ぶ権利も喪失してしまった。中国が制定した国家安全法は、香港市民から言論の自由を奪うものである。これが共産主義政権の常套手段で、目的達成の前は甘言を弄し、主権を奪うと次は締め付けにかかる」と、中国を非難した。 

 ●「台湾 ROC」と憲法改正 

 游錫堃・行政院長はホンジュラス国会での演説のなかで「Taiwan,ROC とホンジュラスの国交はすでに六十年の長い伝統がある」と語り、台湾の呼称を「Taiwan, ROC」と表現した。 

 この演説で游院長は憲法問題にも触れ、次のように語った。 

「憲法改正の主たる目的は、国家の国際競争力を高めるところにある。ホンジュラスは一八二四年に最初の憲法を発布して以来、国会はすでに十七回も憲法の抜本的改正を決議してきた。それらの新憲法はいずれもその時代の環境に対応した結果によるものである。しかしわが国では現憲法制定より六十年間、わずか一部分を修正したにすぎない。こうした身に合わない憲法は、世界的な熾烈な競争のなかにおいて、わが国の将来の発展を阻害し、台湾を劣勢に立たせることになる。わが国の改革のなかには、議員内閣制か大統領制か、三権分立か五権分立か、徴兵制か志願制か、さらに国会の議席定数半減問題、選挙区改正問題などもある。これらはいずれも憲法改正によって行われるものである。こうした重大な問題を解決しなければ、わが国は行政効率を高めることはできない。それらの改正はいずれも憲法改正という民主的な手続きによるものであるが、それらの民主的行為は、極度の中央集権による共産統治の中国から強い圧迫と脅威を受けている。中国は現在六百基ものミサイルを、貴国の兄弟国である Taiwan, ROC に照準を合わせている」 

 こうした内容を含む游院長の演説はおよそ三十分に及んだが、このなかで「Taiwan, ROC」の呼称は十五回も使われ、「台湾」を鮮明に打ち出す内容となった。 

●これからの台湾の呼称 

 游院長はこの演説のあと、台湾の呼称に「Taiwan, ROC」を使ったことについて「ドミニカ共和国もホンジュラスも中華民国を支持してくれているが、『Republic of China』などとそのつど話すのは長すぎるし、各国はこれを略し『China』と呼称している。その結果、それがどこを指すかが曖昧になってしまっている。したがってこの曖昧性を排除し、台湾を明確にするには、友好各国に『ROC』あるいは『Taiwan』を使ってもらう以外にない。だから演説のなかで『Taiwan, ROC』を使ったのだ。これからわが国在外公館は相手国に対し、できるだけ台湾を前面に打ち出し『Taiwan, ROC』と表現し、『中華人民共和国』すなわち『People`s Republic of China』の『PRC』と混同されないようにすることを望む」と語った。

 また林佳龍・行政院新聞局長は同日、「游院長が演説のなかで、自国を『Taiwan, ROC』と表現したのは、わが国の在外公館の各員に範を示したものである。ただし正式国名はまだ中華民国(ROC)であり、オリンピックやAPECなどの国際組織での活動における名称は、従来どおり『Chinese Taipei』を使用する」と明らかにした。

 游院長は先に訪問したドミニカ共和国での各場面におけるサインにもすでに「Taiwan, ROC」を使用している。

《台北『自由時報』8月20日》

 ●台湾にとって必要な措置 

 游錫堃・行政院長が外遊先において「Taiwan, ROC」の呼称を使用したことについて、与党である民進党立法委員のなかから「この呼称は台湾は中華民国の一部としており、中国大陸の一部であるとのニュアンスがある」との批判が出された。これについて游院長は「そうした批判は不正確である。中華民国は確かにROCであり、中華人民共和国はPRCである。この呼称から『台湾は中国の一部かどうか』の論争は発生しない」と語った。 

 また林局長は「『Taiwan, ROC』の表現は、台湾がすなわち中華民国であることを示すものである。台湾を前に出し、ROCをうしろに配したのは、台湾は台湾省ではないということを示すものだ」と指摘した。さらに「この用法は、国連での代表権問題において、『一つの中国』の争議を回避する意味もある。これまでは『Taipei, China』や『Taiwan, China』などと呼称していた。それに国際社会から見れば、ROCもPRCも紛らわしく、不鮮明である。ROCは現在のわが国の正式国名であり、したがって『Taiwan, ROC』の呼称からは『一つの中国』の論争は発生しない」と語った。 

 また林局長は「九・一一米同時多発テロが発生した直後、政府はテロ反対の立場を明確にし、その公告をニューヨーク・タイムスに掲載したが、その時の名称も『Taiwa, ROC』であった。台湾を鮮明にする外交活動は必要なのだ」と強調した。

 なお、ホンジュラスの次に訪問したニカラグアにおいても、游院長は受勲式典を含む各種の署名において「Taiwan, ROC」の呼称を用いた。

《台北『中国時報』8月21日》 

●呼称の歴史と柔軟な措置 

 游錫堃・行政院長が「Taiwan」を前面に押し出したのは、「Taiwan」を国際社会に受け入れてもらうためである。「ROC」は「Republic of China」の略称であり、「Taiwan,ROC」は国家の新たな呼称であり、賢明な措置である。この呼称は実質的には「China」の桎梏から離れ、国家の位置づけから「China」の要素を薄めるか、あるいは消失させるものである。 

 「Republic of China」はかつて台湾海峡両岸が国際社会の舞台で「中国」の代表権を争っていた時のものであり、台湾は一貫して「Republic of China」が国際的に承認されることに努力してきたが、情勢は台湾に不利となり、「中国」の代表権は中華人民共和国のものとなった。その後「Taipei, China」などを使ったが、やはり「China」が含まれ、本質的に変わりはなかった。また「Chinese Taipei」は主権国家としての色彩が薄い。だがオリンピックなどではこの名称を使うことを余儀なくされている。 

 だが、時代は変わった。蒋介石、蒋経国時代の台湾は「China」を鮮明にしていたが、李登輝総統の時代になってからは、中華人民共和国と「China」の代表権は争わず、統治の範囲は台湾・澎湖・金門・馬祖であることを明確にし、国際文書にも「台湾における中華民国」の呼称を使うようになった。 

 それにまた、中華民国(ROC)も中華人民共和国(PRC)も、どちらにも「China」があって非常に紛らわしく、国際社会は一括して「China」としている。しかし現在「Taiwan」の名称が国際社会でますます聞かれるようになってきた。この時期に「Taiwan, ROC」と表現するのは、今日における国際社会におけるわが国の限界とはいえ、外国からの誤解や国家的な損害を免れる措置となる。

《台北『中国時報』8月20日》 

●中国は軍事的に危険な存在 

 游錫堃・行政院長は中米三カ国訪問の帰途、ニューヨークに立ち寄ったが、八月二十一日夜(現地時間)、ニューヨーク市内のホテルでの在米僑胞らとの晩餐会において、台湾企業の中米への投資を奨励するとともに、在米僑胞が台湾と米国のFTA締結に協力するよう要請した。 

 同時に「われわれは台湾を深く耕すとともに、世界に進出しなければならない。したがって中国、ベトナム、米国、中米などに等しく投資する必要がある。現在わが国の経済は中国に対する依存度が高すぎる。リスク管理の面からも、タマゴを一つのカゴにのみ入れてはならない」と語った。

 さらに游院長は「中国の軍事的巨大化はアジア地域における平和と安定への重大な脅威になっている」と指摘した。同時に「近年、中国の海洋観測船が頻繁に日本の領海を侵犯しており、その回数は昨年は十四回、今年もすでに七回に達しており、台湾東海岸には数え切れないほどである。その目的は日本、台湾、フィリピンを結ぶ太平洋第一列島群の封鎖ラインを突破し、米国に挑戦するところにあり、その行動はすでにアジア太平洋地域に重大な脅威となっている。米国は台湾に防衛用の兵器を提供するばかりでなく、さらに一歩進んで台湾とFTAを締結し、台湾を孤立化させることがあってはならない」と強調した。

《台北『中央社』8月21日》 

 ●米国とのFTA締結を強調

 游院長は八月二十二日および二十三日(現地時間)の朝食会で、ニューヨーク州議会議員、シンクタンク学者ら多数と会見し、台湾と米国のFTA締結への協力を呼びかけた。さらに前日に僑胞グループに話した中国への警戒感を説明し「北京は目下平和への脅威の根源となっているが、米国は中国と友好関係を維持すべきだ。だが中国との友好のため、台湾をその代価として犠牲にすべきではない。米国は台湾海峡両岸と等しく友好関係を維持すべきであり、それは決して二者択一の問題ではないのだ」と強調した。 

 さらに台湾の世界保健機関(WHO)加盟への協力を要請し、「国際組織から台湾を排除しようとするいかなる行為も、アンフェアーと言わねばならない」と指摘した。
《台北『聯合報』8月24日》

游錫堃・行政院長が那覇に立ち寄る
牧野副知事や地元経済界代表らと会見

 中米訪問を終え、ニューヨークから台湾へ帰国の途にあった游錫堃・行政院長らを乗せた飛行機が八月二十五日、台風十七号の影響で桃園国際空港に着陸できず、同日午前七時半ごろ、沖縄の那覇空港に着陸した。 

 游院長を乗せた飛行機は、ニューヨークを出発する際、台風の影響を視野に入れ、当初アンカレッジに立ち寄り状況を見ることも検討された。しかし「外遊中に台風で多くの被害が出た台湾へ一刻も早く戻りたい」との游院長の希望で台湾へ直行することになったものの、桃園国際空港到着直前に台風による風雨が非常に大きく、安全を考慮し、航空会社の判断で急遽那覇空港に着陸した。 

 游院長をはじめとする訪問団の一行六十一人は、日本政府から七十二時間のランディングビザの発行を受けて入国し、空港では一行の荷物検査を免除するという特別な配慮がなされた。一行はおよそ六時間、那覇空港に停留し、游院長は空港内の特別室で、沖縄県の牧野浩隆副知事をはじめ、地元の経済界代表らと会見した。

 游院長は、ビザの発行と、荷物検査の一切免除という日本政府の特別の配慮に感謝を示すとともに、牧野副知事との会見では、台湾と沖縄を一つの観光ラインで結び、両者の相互連動を強化していくことを呼びかけた。これに対し牧野副知事は、台湾―沖縄間の航空便の増設と、双方の経済交流強化を提案した。

 今回の游院長の那覇での一時立ち寄りに対し、自民党の安部晋三幹事長をはじめ日華議員懇談会の平沼赳夫議員、藤井孝男議員、椎名素夫議員らから電話が寄せられたほか、日本の僑朋からは見舞いの電話が相次いだ。

 また、「共同通信」や「テレビ朝日」をはじめ、現地の「琉球新報」「沖縄タイムス」などの日本のメディアが那覇空港に記者を派遣し、游院長の来日と副知事らとの会見の模様を取材報道、「日本経済新聞」などにも同日夕刊にその模様が掲載された。

 游院長ら一行は同日午後一時半那覇空港を飛び立ち、台湾へ帰国した。帰国する前に東京から駆けつけ、一行を見送った台北駐日経済文化代表処の許世楷・駐日代表は同日、日本政府と各界の游院長らに対するさまざまな便宜に感謝を表明するプレスリリースを発表した。許代表は「今回の日本政府の特別な配慮がもたらす意味は非常に大きい。これにより、今後マクロ環境はよい方向へ改善し、台湾の存在を否定しにくくなるだろう。台湾と日本は長年の交流により、すでに信頼の相互連動を確立している。双方の実質関係は今後ますます発展する」と語った。また、今後同じような方式で台湾の政府高官が東京以外の都市に着陸できる可能性については「着陸できる地方はたくさんあるだろう。これまでの方式を打破するチャンスが今後必ずある」と述べた。

 一方、台湾内部では游院長への今回の日本政府の対応について「世界の慣例と安全への配慮に基づいたもの」として与野党とも評価している。このうち陳鴻基・台湾独立連盟副秘書長は「日本が中国の圧力を受けながらも非常に友好的な態度で厚遇したことは大きな突破であり、台日の相互連動が良好であることを示している」と述べた。

 中国外交部は同日、また例によって日本政府に対し、圧力をかける抗議の声明を発表した。その内容は「台湾の指導者がいかなる理由をもっても中国と国交のある国で政治的な活動を行うことに対し断固反対する」などというものであった。
《台北『中国時報』8月26日》


立法院で憲法改正案が可決
定数半減、小選挙区二票制に

 立法委員の定数半減、小選挙区二票制の導入、国民代表大会の廃止、公民投票による憲法改正などを盛り込んだ憲法改正案が、八月二十三日、立法院(国会)臨時会議を通過した。今回の憲法改正は七回目で、与野党間で議論紛糾した末の可決となったが、台湾の憲政史上、立法院が実質的に処理した初の改正案となった。

 最も注目を集めていた国会改革に関しては、第七期(二〇〇八年二月)から、立法院の定員数を現行の二百二十五議席から半数の百十三人に減らし、任期を三年から四年に延長することが改正案で定められた。また、選挙方法も小選挙区二票制に改め、百十三議席のうち七十三議席を小選挙区から、残りを主に比例代表で選出することが規定された。

 さらに、憲法改正の最終的権限について、国民代表大会を廃止し、今後憲法改正の際は、立法委員の四分の三の出席により、その四分の三の賛成で改正案を提起し、最終的に公民投票で決議した後、過半数の賛成を得て改正案通過とする手続きに改めた。国民代表大会は、一九四六年に国民党政権が制定した「中華民国憲法」に基づく憲法改正機関であり、二〇〇〇年の憲法改正で実際の権力はすでに消失していた。

 本改正案は、現行の憲法改正のプロセスに従い、総統により半年間公示された後、その三カ月後に非常設の国民代表大会で再度決議される。二〇〇五年七月までには最終的に決議される見込みだが、これにより憲法改正手続きはすべて完了することとなる。

《台北『自由時報』8月24日》

● 三・一九調査会設立が通過 

 立法院臨時会議は八月二十四日、今年の総統選挙中に起きた陳水扁総統と呂秀蓮副総統の銃撃事件を調査する特別委員会設立に関し、「三・一九銃撃事件真相調査特別委員会条例」を通過した。

 これによると、本委員会は刑事責任の追及を主旨とし、国家機密保護法、刑事訴訟法など法律の制限を受けず、事件に関わるすべての調査をおこなう権限を持つ。立法院の各政党から議席数に比例して十七名の委員が選出されるため、野党が過半数の九名を占めることになる。また、設立後三カ月以内に立法院に調査報告を提出することが定められている。
 《台北『中国時報』8月25日》

● 国民の力が大きな勝利収めた

 今回の臨時会議で憲法改正案が通過したことに対し、張俊雄・民進党秘書長は八月二十三日の記者会見で「国民の力が大きな勝利を収めた。陳水扁総統もこの結果を非常に喜んでいる」と述べ、理性的に政治を問う時代の到来を祝福した。また、「民進党が提起した立法院定員数半減、小選挙区二票制、国民大会廃止、公民投票を憲法に盛り込むという四つの任務をつつがなく達成した」と述べて、同党議員全員一致で本案が可決したことを高く評価した。

 一方、蔡正元・国民党スポークスマンは、三・一九銃撃事件の特別調査委員会設立条例が、今臨時会議で党内の全面的協力のもとに通過したことを評価し、「同委員会の設立は合法的かつ歴史の求めに応えたものだ」と指摘した。また「憲法改正について連戦・国民党主席は立法院党団の努力を評価し、全国民の国会改革への要求を訴えた」と述べた。

● 新十大建設’04年度予算案が通過

 立法院臨時国会で八月二十四日、「新十大建設計画」の二〇〇四年度予算案が通過した。

 これは陳水扁総統が選挙時の公約として掲げたもので、二〇〇四年から五年間に五千億元(約一兆五千億円)を投入し、経済、学術、文化面などにおいて台湾の国際競争力向上を図る計画である。今回通過した予算額は三百六十五億二千三百三十万元(約千百億円)で、高速道路の建設費などに充てられる予定だ。
《台北『中国時報8月25日』》 

国連加盟支持を訴えるポスターを公開
政治的理由で加盟できない不条理と加盟の権利を主張

 游錫堃・行政院長の中米訪問に随行している林佳龍・行政院新聞局長は八月二十日、滞在先のニカラグアで記者会見し、九月の国連総会開催に向けて、台湾の国連加盟支持を訴えるポスターを公開した。ポスターは二種類あり、一つは「国連の台湾に対する公平な正義を求める」【UN FAIR篇】もので、もう一つは「専制主義の中国と民主主義の台湾は異なる」(台湾主権篇)ことを訴える内容だ。いずれも広告の下の部分に「Today’s Taiwan」と「ROC」の文字が、二行に並んで記されている。 

 林新聞局長は「国号の略称をそれぞれ二行に配したのは『China』の文字の使用を避けることで『一つの中国』への争議に発展させない狙いがあった」と述べた。広告の主軸は「政治的理由から台湾の加盟を拒絶することへの反論」と、「台湾の国民には加盟の権利がある」ことを訴えるもので、両者とも「一つの中国」争議には関係ない内容となっている。 

 これらのポスターは、八月二十三日からニューヨークの街頭で一斉に張り出され、世界各国に台湾の国連加盟支持を訴える。 

各ポスターの広告文の説明は以下の通り。 

【UNFAIR 篇】 

「UNFAIR」の語には二つの意味が掛けられている。一つは、国連が普遍主義的立場を掲げているにもかかわらず台湾を除外していることのUNFAIR(不公平)さ。もう一つは、「UN」と「FAIR」で色を分けて区切り、国連(UN)に台湾に対する公正さ(FAIR)を求めるという意味を持たせている。 

【台湾主権篇】 

「Authoritarian CHINA」(専制主義の中国)と「Democratic TAIWAN」(民主主義の台湾)を赤と緑に色分けし、両者が同じではないことを訴えている。 

【台湾主権篇(日本語版)】 

 日本語版では、台湾を中国の上に配している。広告の文面は「台湾の国連加盟にあなたの支持を」/中国は「国連では中国が台湾を代表する」という。しかし、中国にそんな権利があるのか? 真の権利は、台湾の二千三百万国民にある。

《台北『自由時報』8月20日》

ニュース

修学旅行生のビザ取得緩和へ
今年九月から実施

 日本政府は今年九月一日より、台湾からの修学旅行生の入国ビザ(査証)の取得手続きを大幅に緩和する方針を示した。具体的には、三十日を越えない範囲において、査証申請書の提出と査証手数料が免除される。

 台湾は相互主義に基づき、日本に台湾人の入国に伴うノービザ適用を働きかけてきた。今回の措置は歓迎されるものの、ビザ免除には至っていない。日本における台湾人の犯罪率が他国の渡航者より遥かに低い事実などを十分勘案し、日本政府が一日も早く一般の台湾旅行者にノービザを適用するよう求める。
 
《台北駐日経済文化代表処8月31日》


民進党の決議文まとまる
運命共同体の思想打ち出す

 民進党は八月二十日、党務発展会議を召集し、このなかで「多元なエスニックグループと国家の一体化」の確立を目指す決議文が提出された。

 決議文は前書き、十項目の主張と説明、からなっている。決議文の主な要旨は以下の通りである。 

 「台湾の主体性は、過去の植民地統治や権威主義支配の圧力への反抗と、国際社会のグローバル化への認識から確立されるものであり、決して新たに加わったエスニックグループと、かれらがもたらした新しい文化的なものを排除して行われるものではない。台湾内部において反抗の時代はすでに終わりを告げ、われわれは再興の時を迎えている。 

 このような新たな時代において、エスニックグループ間に優劣の区別はなく、ともに台湾という運命共同体のパートナーであるとの自覚に基づき、いかなるグループに対する排除も侮辱も停止されなければならない。また、どのグループもそれぞれの主観的、客観的な事情により、さまざまな不満や不平、不安を抱いているが、われわれはこれらを直視し、いかなるグループも平和と尊厳が保障され、われわれの集団的記憶というものが個別のグループを超え共同のものとならなければならない。 

 同様に、いかなるグループも過去の権威主義支配の罪によって『新たに統治されるグループ』となる責任を負ってはいない。台湾において文化のうえで貢献できる特質と素養はグループによってそれぞれ異なっているが、民主と憲政制度のもとで公民としての義務を果たし、台湾の主体に不可欠な部分を構成していることに違いはない。どのグループも文化的な発展の場が保障されれば、相互に尊重され、相互に認め合う社会を確立することができ、そうしてはじめて民主と憲政制度が強化され、『多元的な中に一体である』社会を実現できるのだ」 

 同決議文は、このあと九月二十四日に行われる中央執行部会で討論され、さらに同二十六日の全国党大会で可決されれば、党綱領と同様の効力を持つことになる。
《台北『中国時報』8月21日》

中国の学歴承認は台湾に不利
馬台北市長の主張に反論

 ●台湾を愛するがこそ 

 馬英九・台北市長は八月二十日、市が主催する七夕のイベントに出席し、この席で「中国の学歴を承認することは台湾を愛しているからこそであり、台湾の長期的な利益にも合致している。台湾を愛するか損なうかは、その政策が台湾にとって有利かどうかを見るべきだ」と述べ、政府に対し中国の学歴を認めるよう呼びかけた。

 このなかで馬市長は「ある日もし、(行政院)大陸委員会の主任委員が北京大学または中国人民大学を卒業し、中国国務院台湾事務弁工室の主任が台湾大学あるいは清華大学を卒業したとして、どこが悪いだろう。逆に相互理解を深め、摩擦を減らす機会にさえなると思う。現在、政府の部長(大臣)クラスの大半は米国留学の経験者で、また米国の国家安全会議のメンバーには台湾で中国語を勉強した人も少なくない。このことは、中国の学歴を承認することがまさしく台湾を愛することであり、台湾の長期的な利益に基づいていることを示している」と強調した。

 ●政府も大学も反対

 これに対し国内の大学の多くは懸念を示している。大学の合格率が八七%に達している現在、大学にとって優秀な学生を誘致することは大きな課題となっており、今後この問題はさらに深刻になると見られている。このため、中国の学歴を承認すれば、国内の大学が圧力を受けるのは必至だ。さらに中国の大学は優劣の格差が大きく、「学歴の偽造」もしばしば伝えられていることから、一旦開放すれば、台湾にとって不利になるとの考えが根強い。 

 また教育部も、「中国の学歴を承認するかどうかは、国の全体の政策に基づき決定されるべきだ。今後、世界貿易機関(WTO)の枠組みで交渉を行うにしても、双方が対等であることが原則であり、国内の学生に対する募集が過度に締め出されることがあってはならない。簡単に開放してしまっては、台湾の教育に大きな損害をもたらす」として、否定的な態度を示している。
 《台北『自由時報』8月21日》


経済成長率を五・八七%に修正
景気は引き続き安定成長に 

 行政院主計処は八月二十日、二〇〇四年の経済成長率を、ここ七年で最高の五・八七%に上方修正した。  

 同処では「原油高騰などの要素が依然としてあるものの、輸出は好調で、民間投資も引き続き増加傾向にある」として、第三・四半期の経済成長率を今年五月の予測値から〇・七ポイント上方修正して五・三%とし、下半期の経済成長率にも大きな変動はないとの見方を示した。

 主計処ではさらに、今年の消費者物価指数(CPI)を上方修正し、過去六年で最高の前年比一・五%に達すると予測した。同処では「こうした緩やかな景気上昇傾向は今後も持続する」と指摘している。
《台北『工商時報』8月21日》

「台湾時局文化懇話会」東京で開催
 文化通じ台湾の魂を取り戻す

 台湾同郷会は八月二十一日、東京都内のホテルで、「現在の台湾時局文化懇話会」を開催した。会には邱垂亮・総統府顧問をはじめ、林重謨・立法委員、金美齢・国策顧問、林衡哲・元行政院衛生署顧問らが招かれ、現代台湾の時局および文化について講演をおこなった。また、台湾の国際的音楽家・蕭泰然氏も特別ゲストとして出席した。 

 当日は、陳明裕・台湾同郷会会長と許世楷・駐日代表が挨拶した後、作家の黄文雄氏の進行により、講演がおこなわれた。最初に、邱垂亮・総統府国策顧問が「台湾の政治と経済における奇跡は、アジアの民主主義の範となったが、長い間外来政権の統治下にあったため、歴史の重荷を背負っている。台湾は今、まさに正名(名を正す)、憲政改革など、カギとなる重要課題に直面しており、われわれは文化的側面から、国家および台湾文化に対するアイデンティティーを模索していかなければならない」と思いを込めて語った。 

 詩人の李敏勇氏は、「アテネ五輪を見るにつけ、台湾は台湾に帰属する国家精神を持つべきだと感じる。多くの諸外国にとって、台湾は依然「Chinese」であり、このままでは、台湾は虚構の国家となってしまう」と指摘し、「台湾の現在の課題は、いかに台湾の魂を取り戻すかということだ。われわれは全世界に、台湾の政治と経済に対し注意を向けさせ、さらに台湾の歴史、文化、音楽を広め、自らの感動を世界に伝えるべきだ」と強調した。 

 また、元衛生部顧問で文化人の林衡哲医師は、作曲家の蕭泰然氏との長年の交友関係を紹介し、「今後も蕭泰然氏の素晴らしい音楽を世界に広めていきたい」と述べた。 

 一方、金美齢・国策顧問は「台湾を愛するというのは、ただ大議論することではなく、各人がいかに具体的な基礎を造るかにかかっている。台湾人の最大の欠点は、各々が個人の利益を優先させることで、これでは改革を進めることは不可能だ」と指摘し、僑胞に対し「政府の外交機関を監督する責任をともに負おう」と呼びかけた。
《台北『中央社』8月21日》

貧富の差が六・〇七倍に改善
 就業拡大と福祉策が功を奏す  

 行政院主計処は八月二十日、二〇〇三年の家庭収支調査結果を発表した。これによれば、政府が昨年推進した就業拡大方案と社会福祉支出増加の影響を受けて、低所得家庭の収入がやや増加し、所得金額で分けた五段階レベルのうち、最も高所得の家庭との所得差が六・〇七倍に縮まった。 

 同統計によれば、台湾の総世帯数約六百九十六万戸のうち、所得の高い順から前二割を占める最高レベルの世帯の年間所得は、百八十万元(約五百四十万円)となった。低い順から二割を占める最低レベルの世帯の所得は二十九万元(約九十万円)となり、その所得差が前年の六・一六倍から六・〇七倍に狭まった。
《台北『工商時報』8月21日》

台湾映画特集
 台湾のドキュメンタリー三本を東京で上映

 世界の優れたドキュメンタリー作品を集め、二年に一度開催されている「山形国際ドキュメンタリー映画際」で、昨年優秀作品賞を受賞した呉乙峰監督の『生命』をはじめとする台湾のドキュメンタリー映画三本が、都内で上映されます。

●『生命』(いのち)
監 督 呉乙峰 2003年 148分
内 容 九・二一大地震をモチーフに、人の生と死、家族の意味を、長い歳月をかけて問い直した作品。壮大なスケールとユニークな視点が高く評価され、山形国際映画祭で優秀作品賞を受賞。昨年十二月に東京で開催された「台湾映画祭二〇〇三」でも紹介され絶賛された、感動のドキュメンタリー。

 ●『集集大怪獣』
監 督 林泰州 2000年 10分
内 容 九・二一大地震の十日後、震災地となった集集に祖父母を訪ねた幼い兄弟。その後、彼らの描く絵には災害地の描写が頻繁に現われるようになった。アニメーションと効果音を使い、子どもたちの素直な想像世界を映画化した作品。

 ●『雑菜記』
監 督 許慧如 2003年 43分
内 容 妻に先立たれて一人暮らしの父親の日常を娘がビデオにおさめた。全体を通してほとんどセリフはなく、交流が少ないように見える二人の関係のなかに、人と人との間、人と生存環境の間にある純粋な関係が垣間見える。

【上映会場、日時、作品】
①国際交流基金フォーラム(東京都港区赤坂1-11-28赤坂1丁目森ビル4階  TEL:03-5562-4096)
▼9月12日(日)午前11時~
『生命』(いのち)
▼9月12日(日)午後4時半~
 『雑菜記』
②アテネ・フランセ文化センター
(東京都千代田区神田駿河台2-11 TEL 03-3291-4339)
▼9月21日(火)午後2時20分~
『集集大怪獣』
▼9月21日(火)午後6時半~
『生命』(いのち)

【料金】
一回券:前売1000円 当日1300円
三回券:前売2700円 当日3600円
※前売券はアテネ・フランセ文化センター、チケットぴあ(Pコード:473-378)、都内プレイガイドで発売中。


福岡で台湾の最新作を上映

 九月二十一~二十五日まで福岡で開催される「第49回アジア太平洋映画祭」で、台湾の最新映画、尹祺監督の作品「黒狗(ブラックドッグ)親分が来た」〈二〇〇四年・115分〉が上映される。 

 同映画祭は、映画を通した相互交流と映画産業の振興に役立てようとアジア太平洋地域国が毎年持ち回りで開催している。日本、タイ、インド、韓国、台湾、ロシア、イラン、オーストラリアなど十八カ国が加盟しており、毎年各国の話題の映画が紹介される。 

〔あらすじ:〕ギャンブルに目がない永吉。弟で警察官の永利は僧志望の変り種。暴力団のボス「黒狗(ブラッグドッグ)」が借金の取り立てにやってくると、永吉は「黒狗」の恩人だった父の急死を偽り、逃れようとする。ところが、仕組んだ狂言は暴走する一方…。兄弟の絆が試される。主演は太保、柯淑勤ら。
【上映日時】
▼9月日(火)午後4時~
※上映後、ゲストによるティーチ・インを予定)
▼9月24日(金)午前10時30分~

【上映会場】
▽キャナルシティ13(キャナルシティ博多内)
福岡県福岡市博多区住吉1-2AMC/ TEL :092-282-2525)
http://www.apff49-jp.net

文化ニュース

台北コンピュータ応用展が閉幕
ノートPC、液晶モニターが人気

 毎年夏休み期間中に開催される最大のコンピュータ販売促進イベント「台北コンピュータ応用展」が、今年も七月二十九日~八月二日に開催され、盛況を見せた。

 今年の参加企業は約四百社、展示ブースは千七百個にのぼり、参観者は前年並みの約三十万人に留まったものの、参加企業の売上は前年比二割以上となったところが目立った。 

 消費者の「情報」に対するとっつきにくさと冷たいイメージを払拭するため、主催団体の台北市コンピュータ協会は今年初めて参加業者と協力し、さまざまなデジタル家電を組み合わせた「ホームネットリビング」のモデルを展示し、生活の中に溶け込むコンピュータ(情報)の将来を目で見える形で示した。

 今年の製品の中心は中・高価格のノート型PCと液晶モニター、それにリムーバル・ストレージで、このうちノート型PCは一・五GHzの最新機種の五万元(約十七万円)前後の製品に人気が集まり、一方液晶モニターは17インチを中心に各社とも一万台以上を売り上げる業績を収めた。

 大会関係者の話によると、今回の展示会は、液晶モニターとノート型PCにとって新たな分水嶺となった。消費者のコンピュータに対する知識が深まるにつれ、低価格、淘汰が早い機種、在庫処分などの製品は、ますます売りにくくなり、「いかにして商品の販売寿命を延ばし、3C企業に成長するか」が課題と語っている。

《台北『民生報』8月3日》


許代表夫人が国際飢餓問題講演会
国際飢餓対策機構総幹事を招待

 八月二十日、台北駐日経済文化代表処の代表官邸で、許世楷・駐日代表の夫人である盧千惠氏と代表処の夫人組織「フォルモサ婦女会」により、「『ゴンダールのやさしい光』講演会」が開催された。「ゴンダールのやさしい光」は、飢餓問題を題材とした日本の絵本で、今年七月に代表夫人による中国語翻訳版が出版された(本誌2154号15頁参照)。 

 講演会には、本書の英訳と解説をした非営利の民間海外協力組織会・国際飢餓対策機構の神田英輔総幹事が招かれ、国際ボランティア活動における自身の経験を語った。

 盧代表夫人は、「世界に十二億の飢餓に苦しむ人々がいることを、台湾の子供たちにも知らせたい」と訴え、台湾の慈善婦女団体を代表し、同機構に三十万円を寄付した。
《台北『中央社』8月21日》

「フォルモサの夢」コンサート
台湾の名曲に千人が酔いしれる

 台湾同郷会と阿扁友の会、李登輝友の会共同主催の「フォルモサの夢」コンサートが、八月二十二日、東京都内で開催された。国際的評価も高い台湾音楽界の巨匠・蕭泰然氏の「玉山頌」など代表作三曲が日本で初めて披露され、台湾郷土への強い思いを表現した歌詞と優雅な音色に、日本の観客が酔いしれた。会場には、許世楷・台北駐日経済文化代表処代表も駆けつけ、コンサートの開催を祝した。
《台北『中央社』8月22日》 


台湾がテコンドーで金メダル!
五輪参加以来初、男女アベックで

 オリンピック発祥の地、ギリシャで開催された記念すべき二〇〇四年アテネ五輪で、八月二十六日(台湾時間二十七日)、台湾がテコンドーで金メダル二個を獲得した。これは今五輪での台湾初の金メダルで、また台湾にとって史上初の金メダルとなった。 

 ●陳、朱両選手が期待通りの快挙 

 台湾に初の金をもたらした第一号は、テコンドー女子四十九キロ級の陳詩欣選手だ。二十六日の決勝戦では六対四でキューバのヤネリス・ラブラダ選手に競り勝ち、世界トップの座を手にした。

 今年二十五歳の陳選手は、五歳で父親についてテコンドーをはじめ、一日八時間の厳しい訓練にあけくれた。十四歳の時に早くも世界選手権で金メダルを取り、天下無敵と言われたが、一九九六年の同大会で金メダルを獲得した後、競技場から忽然と姿を消した。陳選手は「戦う目的を失った」とそのまま家出し、丸二年の間、テコンドーから完全に離れた生活を送ったが、二十歳の時、ついに自分を最も惹きつけるものがテコンドーであることを知ったという。父のもとでふたたび世界を目指す決心をしたが、二年間の空白のためにシドニーでは参加資格を得られず、満を持してアテネに挑んだ。

 さらに同日、テコンドー男子五十八キロ級の朱木炎選手が、台湾二個目の金を奪取した。アテネ開催前から金メダリストの最有力候補だった「台湾戦神」朱選手は、一回戦では一分十五秒で相手のリビア選手にKO 技を決めるなど、準決勝まで快調に勝ち進み、決勝では五対一の判定勝ちでメキシコのオスカル・サラサル選手を下した。

 朱選手は表彰台で金メダルを受け取った後、喜びの叫びをあげ、「両親や友人、応援してくれた国民の皆さんに感謝したい。最高の気分だ」と語った。

 金メダルを獲得した両選手は国光体育賞の賞金千二百万元(約三千六百万円)か、または毎月七万八千元(約二十三万円)を終身受け取ることとなっている。

●両選手は台湾の代弁者

 台湾初の金メダル獲得に、陳水扁総統と呂秀蓮副総統からも、それぞれ祝電が届き、国民を代表してこの快挙を祝福した。

 すばらしい競技内容で金メダリストとなった両選手は、国際社会に台湾の名を知らしめ、台湾の最良の代弁者となった。テコンドーが五輪の正式種目となって十二年以来、一つの国が一日に二個の金メダルを取ったことはなく、アテネオリンピック協会の関係者も二人に「今日は台湾の日だ」と称賛の声をかけた。

 五輪開催中は中国の不当な圧力により、国旗の掲揚が出来ず、台湾の応援広告が撤廃させられる事態もあったが、こうしたなかで両選手の金メダルは、特別な意味を持つものとなった。

●金二、銀二、銅一 

 テコンドーではこのほか、男子六十八キロ級の黄志雄選手が決勝戦でイランに敗れ、銀メダルとなった。また、アーチェリー男子および女子の団体戦では、それぞれ銀、銅メダルを獲得した。

《台北『中央社』8月27日ほか》

‘04海外ハイテク人材募集フェア開催のお知らせ

  聯華電子(UMC)をはじめ、台湾を代表する大手ハイテク企業と研究開発機関が、台湾政府のサポートを受けて、優秀な人材を募集しています。その一環として、東京で人材募集フェアを次の通り開催します。 

   ○   ○   ○

日時:九月二十三日(木)10~16時
場所:新高輪プリンスホテル3F天平の間
電話(03)3442-1111

アクセスガイド:http://princehotels.co.jp/newtakanawa/kotu.html主催:行政院科技顧問組、国家科学委員会など協賛:台北駐日経済文化代表処科技部、留日東京同学会内容:台湾企業からの会社紹介及  び各企業との個別相談会対象:①台湾出身(転職希望者、新卒、留学生)②台湾で仕事をしたい日本人(転職希望者及び定年再就職希望者等)応募ご希望の方は左記HPで事前登録後、取得したID及びパスワードで左記にログインされれば、企業の詳細な情報を入手できます。

中国語:http://hirecruit.nat.gov.tw/chinese/message_01.asp
英語: http://hirecruit.nat.gov.tw/English/message_01.asp
【問合せ先】(台湾)中工会日本分会青年部 部長:福山敏尭(電話090‐1406‐8608 E-mail:taiwan_hirecruit@yahoo.co.jp)
※事前登録されていない方でも、当日お気軽にご来場下さい(当日受付9時30分~15時まで)。

お知らせ


「二〇〇四宜蘭国際名門大学 レガッタ」が開催

 一九九六年のスタート以来、日米をはじめ各国の名門大学が一堂に会し、技を競い盛況を呈している「国際名門大学レガッタ」が、今年も以下の日程で開催されます。

日 時 9月11日~12日
場 所 宜蘭県冬山河
主 催 宜蘭県

参加グループ 台湾、日本、米国、英国、ドイツ、オランダ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イタリア、フィンランド、ロシアの十二カ国(男子十四、女子十グループ)。日本からは早稲田大学と慶応大学が参加する予定。


「台湾美食フェア」を開催

 台湾のグルメと観光、人びとの暮らしを紹介する「台湾美食フェア」が九月一日~三十日まで、東京都内で開催されます。

●台湾生活写真展

 ガイドブックの写真では見られない、台湾の古き時代や現在の生活風景、町並みの写真など、約七十六点が展示されます。

※入場無料
日 時 9月1日(水)~30日(木)
午前8時~午後11時
会 場 新宿プリンスホテル・ロビーラウンジ(B1)
後 援 台北駐日経済文化代表処
写真提供 行政院新聞局
協 力 遠東亜太交流センター 

●台湾料理とツアーセミナー①
●台湾レストランフェア①②
●料理長による「味の饗宴」①②
※各々のイベント日時、料金、申込等の問合せは以下へ直接お尋ね下さい。
① 新宿プリンスホテル
(TEL03-3205-1111)
②サンシャインシティプリンスホテル(TEL03-5954-2257)


第27回台湾映画研究会 

日 時 9月18日(土)午後5時~
会 場 台湾資料センター3階
(東京都港区三田5-18-12)
交 通 都営三田線、東京メトロ南北線「白金高輪駅」2番出口徒歩3分
※入場無料 
 ※上映作品等については、下記までお問合せください。
連絡先 台湾資料センター
(TEL03-3444-8724 )

●台湾資料センターホームページ http://www.roc-taiwan.or.jp/data/index.html


春 夏 秋 冬 

 さきごろ台北で開催された第2回「民主太平洋大会」(本誌先週号参照)の開会式で、陳水扁総統は台湾の活力源を「海洋に向け進出し、世界に向け進出する」ことだと語った。もちろんこれは、海を持つすべての国に言えることだが、台湾は特にそれを強調し、国民が一丸となってその方向に努力しなければならない国際環境に置かれている。周知のごとく、中国の理不尽な圧迫とさまざまな妨害工作である。それは台湾の国連参加妨害に代表されるように国際政治での圧迫から、WTOやAPECでの台湾封じ込めなど経済面、さらにWHOへの台湾参加妨害工作のように衛生面にまで及び、また最近行政院大陸委員会が公表したごとく、台湾に照準を合わせた弾道ミサイルの数が550基に増強されたように、軍事面においてもだ。

 まだある。みみっちい話だが、さきごろ終了したアテネ・オリンピックでは、台湾が現地の広告代理店に委託し、アテネ空港内のキャリアカーとアテネ市内のバスに「中華台北!棒(すばらしい)!棒!棒!」の応援コピーを出したところ、何を思ったか中国が「けしからぬ。撤去しろ」とアテネ五輪組織委員会に撤去を申し入れた。スポーツの場でも、と言いたいところだが、ここまで来ればもうイチャモンか言い掛かりとしか言いようがないだろう。最近、そうした理不尽な言い掛かりの範囲がさらに広がっている。

 今年の国連国際平和デーを記念し、国連が記念切手を発行しようと世界の小・中学生を対象に図柄を募集した。これに応募した台湾の中学生の作品が入選し、6枚1組の中の1枚に採用されることになった。ここにも中国は因縁をつけ、国連郵政管理局(UNPA)に「不採用にせよ」と圧力をかけたのだ(本誌先週号参照)。理由は、絵の中に小さく万国旗があしらわれ、その中に「青天白日満地紅旗」があったのだ。旗は日ノ丸や星条旗をはじめ一杯ならんでおり、一つ一つは虫メガネで見ないと分からないくらい小さい。絵画など芸術好きな少年少女の創作の舞台にまで政治的理由をこじつけてくるのだから、なりふり構わずと言うよりも、中国政府の文化的素養の低さが見えてくる。

 まして情けないのは、アテネ五輪組織委が中国の圧力に屈して台湾に広告の撤去を申し入れ、UNPAも同様で台湾の中学生の作品を不採用にしたことだ。日本にも類似した圧力のかかることもあろう。その時には歴史ある文化の国としての態度を示し、世界に物事の理非を明確にする範を示して欲しい。
(K)