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  台湾週報2174号(2005.1.20) - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
主要ニュース
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台湾週報2174号(2005.1.20)

◆蘇貞昌氏が民進党主席に立候補 

  蘇貞昌・総統府秘書長は十二月三十一日、民進党の第十一代党主席候 補として正式に登録した。蘇氏は同党の持続的進歩追求を宣言し、国の 長期的発展のため党主席の職務を全うする決意を強調した。「蘇氏は急 進的独立支持派である新潮流派と近すぎる」と懸念する声に対しては  「私は新潮流派ではない」と反論した。 
《台北『中国時報』1月1日》  

◆ 謝長廷氏が政治重視型内閣の必要性を指摘

  新内閣組閣の人事調整が佳境に入るなか、次期行政院長の最有力候補と言われている謝長廷・高雄市長は「政局の安定が新内閣の最重要課題である」と述べ、新内閣は必ずしも経済重視型である必要はないと指摘した。
《台北『中国時報』1月1日》  

◆李登輝前総統帰国に千人以上が出迎え

  昨年末から観光目的で日本を訪れていた李登輝前総統が一月二日帰国 し、台湾団結連盟をはじめとする千人以上の人々が空港に出迎えた。声 援のなか、李前総統は「訪日期間中は暖かい歓迎を受けたが、台湾の地 と国民のことが常に念頭にあった。台日関係は一九七一年の断交以来、 いま一番よい時期にきている」とコメントした。
《台北『中国時報』1月3日》

◆ 辜振甫氏の追悼式が二月二日に挙行 

   両岸係の進展に従事し一月二日に死去した辜振甫・海峡交流基金会理事長の追悼式が二月二日、国父紀念館でおこなわれることが決まった。同基金会の辜氏葬儀担当委員会が一月四日、明らかにした。中国の汪道涵・海峡両岸関係協会会長の参列については現在まだ明らかにされていない。
《台北『青年日報』1月5日》 

◆ 米マスコミが中国の台湾に対する脅威に警鐘

  米ワシントンタイムズは一月二日、同誌の社説において「この数年、中国は米国が反テロ活動に尽力していることを利用し、台湾への軍事的圧力を強めている。中国は最近国防予算を毎年二ケタ引き上げているばかりか、この数カ月常に台湾への脅威を強めており『台湾が独立を宣言すれば武力で壊滅させる』などと宣言している」と述べ、米国内に注意を呼びかけた。
 《台北『自由時報』1月3日》

◆馬英九・台北市長の香港訪問が取りやめに

  一月十一日から三日間の日程で予定されていた馬英九・台北市長の 香港訪問について、香港政府は一月四日、訪問要請団体を通じて正式 にビザ発給が不可能であることを通知した。馬市長は中国が制定を進 めている「反国家分裂法」を批判していたことが原因とも見られてい るが、馬氏自身は「香港は自由民主の法治国家であるのに、なぜ取り 消されたのか不可解だ」とコメントした。
《台北『中国時報』1月5日》

 ◆二十四日に内閣総辞職 

  二月一日の新国会発足に向け、游錫堃・行政院長は、臨時閣議を一月 二十四日に召集し内閣総辞職案を提出することを承認した。一月二十一 日の立法院休会と、同二十七日からの陳水扁総統の外遊に合わせて決め たものと見られ、游院長が一月五日、正式に承認した。
《台北『工商時報』1月6日》 

 ◆台湾が経済自由度二十七位に

 行政院経済建設委員会は一月五日、米大手シンクタンクのヘリテージ財団とウォールストリート・ジャーナルが発表した二〇〇五年度の経済自由度ランキングで、台湾は世界百六十一の国と地域のうち二十七位にランクされたと発表した。昨年より七位上昇しており、二〇〇二年以来、アジア地域のなかでは香港、シンガポールにつづき、日本、韓国、中国よりも毎年上位に選ばれている。
《台北『工商時報』1月6日》

反国家分裂法は両岸関係の危機 中国は覇権主義をやめ平和を考えよ

 中国は昨年十二月末の全人代常務委員会で、台湾への武力侵攻に国内的な法的根拠を持たせる「反国家分裂法」の制定をいよいよ鮮明化した。同法は今年三月上旬に開催される全人代で正式に可決される見込みだ。これに対して行政院大陸委員会は12月27日、同法の危険性を指摘するとともに台湾の平和安定メカニズム構想に回答するよう呼びかけ、さらに28日には春節チャーター便交渉など実務的対話の席に着くよう促した。

●中国の反国家分裂法は遺憾

 呉釗燮・行政院大陸委員会主任委員は十二月二十七日、在台外国メディアとの記者会見において、「国際社会は中国が台湾に打撃を与えようとしている行為になんら言及しないのは、実際において中国の台湾に対する文攻武嚇を継続拡大することを奨励しているようなものだ。中国が『反国家分裂法』を制定しようとしていることに対し、国際社会は現時点においてその条文の内容を注視する必要があり、公布されてからでは時機を失することになる。もし国際社会が中国の台湾に対する敵意を軽視したのでは、今回の『反国家分裂法』の制定が台湾に対する武力発動を合法化するものであることを含め、中国が台湾に対して欲するままに振舞ってよいといったようなシグナルを送ることになる」と指摘し、国際社会に対し即時に中国の動きを停止させるよう緊急の呼びかけを行った。 

 呉釗燮・主任委員はこの会見の中で次のように強調した。

陳水扁総統再選後、台湾政府は絶えず中国に対してボールを投げ続け、両岸関係の改善を望んできた。ところが中国は以前となんら変わりなく悪意をもって台湾を誹謗し続け、台湾政府と国民を失望させてきた。今ここにおいて台湾国民が驚きとともに憤慨しているのは、中国が台湾に対する「反国家分裂法」を制定する意図を明らかにしたことである。台湾から言えば、これは一方的に両岸関係の現状を変えようとするもので、極めて重大な挑発であり、両岸情勢に不必要な緊張をもたらすものである。その理由は以下の通りである。 

一、一九四九年以降、中華民国と中華人民共和国は二つの独立した実体として存在し、共に相手に対する管轄権は有してこなかった。これは五十五年間にわたる既存の事実であり、台湾海峡両岸の現状でもある。平和共存は両岸の共同の目標であるべきであり、武力で一方を併呑しようとしてはならず、いかなることも平和交渉によって解決しなければ現状破壊になってしまう。 

二、立法によって、中国が両岸の状態を「統一」とし、しかも台湾に対する管轄権を有するとするのは、一方的に現状を変えようとするものである。 

三、立法によって、中国が一方的に「統一」を定めるのは、両岸交渉で「統一」以外のいかなる結果にも懲罰を加えるということになる。 

四、立法によって、中国はみずからを両岸関係における唯一の立法者にしようとしている。 

五、立法によって、中国は両岸争議の解決について唯一の仲裁者になろうとしている。

六、立法によって、中国は一方的な裁決に対する唯一の執行者になろうとしている。 

七、立法によって、武力使用に法的根拠を持たせ、台湾に対する武力発動の意図を一層明確にしようとしている。 

 さらに呉釗燮・主任委員は「中国が台湾の善意に対し、悪意ある回答を示し、台湾の国際活動の場を圧迫し、一方的に現状を変え『一つの中国』の原則を台湾に押し付けようとしている今日、国際社会は中国の行為に沈黙を守っている。これ以外にも、中国のミサイルと潜水艦の配備はいずれも地域の平和と安定に重大な脅威を構成しているにもかかわらず、国際社会はこの軍事的拡張に対し遅々として憂慮の念を表明しようとはしておらず、さらに『反国家分裂法』を制定しようとしていることに対しても、まだ反対の意思表示をしていない」と指摘し、国際社会が中国の台湾に対する文攻武嚇に対し十分な注意を払うよう呼びかけた。 

 同時に呉主委は「両岸の誤解を少なくし、正常な相互連動によって相互信頼を確立しようとするわが国政府の政策目標は不変であり、これは政府が積極的に進めているところでもある。来年春にわが国政府は『両岸平和発展委員会』を設立して全国民の両岸問題に対するコンセンサスを凝集し、さらに『平和安定相互連動メカニズム』を構築して両岸関係を有効にコントロールし、最終的な結論に至る前に衝突が発生するのを防止しようとしている。われわれは中国側と、政治問題も含めいかなるテーマについても対話と交渉を行い、両岸の緊張状態を緩和させたいと願っている」と強調し、これらの前に中国が「反国家分裂法」を制定し両岸の緊張を高めるようなことは停止すべきであると呼びかけた。

【行政院大陸委員会 04・12・27】 

●春節チャーター便は早急に 

 行政院大陸委員会は十二月二十八日、ふたたび中国に対し、台湾企業関係者の春節(旧正月)チャーター便運航について、わが方と早急に協議を開始し、中国滞在の台湾企業関係者が春節にスムーズに帰郷できるよう便宜を図るべきだと呼びかけた。 

 大陸委員会は「両岸はすでに二〇〇三年に台湾企業関係者のチャーター便をスムーズに運航しており、双方が共に航空機を飛ばし、かつ両岸直行とすることなどの中国側の要望に対し、わが方はそれらを受け入れると直接回答し、また再三にわたって中国に交渉団を派遣してわが方と協議を進め、必要な措置を講じて春節チャーター便を安全かつ至便な状況下で運航できるようにすべきだ」と指摘した。 

 中国側はわが方が提示した両岸の協議進行要請に対した。いまだ回答を寄せていない。多くの台湾企業関係者の帰郷の需要を念頭に入れ、また中国の今日の立場をも考慮し、大陸委員会はこれまでにも両岸が二〇〇三年の経験と基礎の上に、わが国政府がわが国の航空会社と協調して今年のチャーター便運航を担当したいと鄭重に提議してきた。もし台湾企業関係者らに必要があれば、大陸委員会は上海以外にも、わが国の航空会社が広州、北京、あるいはその他の新たな地点においてもサービスが提供できるようになることを願っている。 

 大陸委員会は「国民党立法院党団が十二月二十八日に本会を訪問し、春節チャーター便の進行状況に理解と関心を示した。十分な意見の交換の後、国民党立法院党団は本会と今年の春節チャーター便の推進について意見が一致し、同時に本会が本年も二〇〇三年の春節チャーター便推進の方式を参考にして進めようとしていることに妥当性のあることを認識した」と表明した。 

 また大陸委員会は、「最近の民意調査は、台湾人の中国に対する敵意が高まっていることを示しているが、これは中国が台湾の外交活動を全面的に封鎖しようとしており、さらに最近『反国家分裂法』や国防白書を提議するなど政治的な恫喝を強めたことへの直接的な反応である」と指摘した。こうした状況に対し、大陸委員会は与野党に一致団結して中国にただちに台湾に対する敵対意識を取り除くよう要求すべきだと呼びかけた。同時に大陸委員会は中国に対し、物事を深く考え、ただちに両岸関係を破壊するような各種の措置を停止し、春節チャーター便の件を両岸関係改善のスタートラインとし、わが方と共に両岸関係の良好な発展の契機を掌握しようと呼びかけた。

【行政院大陸委員会 04・12・28】

●中国の高圧的態度は遺憾

 大陸委員会は一月一日、陳水扁総統の元旦祝辞の内容を受けて要旨次の発表をした。

「昨年二月三日に陳総統が『両岸平和安定相互連動メカニズム』構想を発表し、さらに『海峡行動規則』を両岸双方で定めることを呼びかけるなど、数々の善意を表明してきたにもかかわらず、中国側はこれらの呼びかけに応じず、台湾への非難を強化している。さらに最近『反国家分裂法』の制定を進め、台湾海峡の現状変更の意図を明らかにし、地域の安全に脅威を与えようとしていることはきわめて遺憾である」

【行政院大陸委員会 1月1日】
 
急がれる北京拡張主義への対応策 中国こそアジア太平洋平和への脅威

 ●反国家分裂法で覇権主義鮮明

 中国国務院は二〇〇四年十二月二十七日に「二〇〇四年中国の国防」と題する国防白書を発表した。中国の国防白書発表は一九九五年以来五度目になるが、今回は台湾に関しては特に「中国人民はいかなる形での台独分裂活動にも断固反対し、いかなる形での外国の干渉にも断固反対し、いかなる国家が台湾に武器を売却し、いかなる形での軍事同盟を結ぶことにも断固反対する」と強調し「台湾を中国から分割するいかなる行為も許さず、一切の代価を惜しまず台独分裂の陰謀を粉砕する」と表記した。しかも同時期に開催した全人代常務委員会では、台湾への武力使用を一方的に合法化する「反国家分裂法」の制定を可決した。 

 これに対し陳其邁・行政院スポークスマンは同日「台湾はトラブルメーカーではなく、中国こそアジア太平洋地域の安全を脅かす主要な原因となっている。海峡両岸は共同で軍事的相互信頼メカニズムを構築し、台湾海峡の平和と安定を確保すべきだ。だが中国は急速な軍備拡張を続けており、これに対しては国民が心の防衛を強化する以外にも、政府の兵器購入特別予算案を支持してこそ、台湾の安全が確保できるのだ」と語った。さらに「中国の国防白書は表面では『平和』を謳い『防衛的な国防政策』を標榜しているが、国防予算を毎年二ケタ成長させ、台湾に照準を合わせた戦術弾道ミサイルを沿海部に六百基以上も配備し、かつ台湾海峡を往復できる戦闘機、爆撃機などを七百三十機も配備している。しかも中・長距離弾道ミサイルを積極的に配備しようとしている。それらの射程範囲には日本、韓国、グアムなども含まれている。中国こそアジア太平洋地域に対する重大な軍事的脅威を形成するものであり、実質は『防衛的な国防政策』とは正反対の道を進んでいる」と指摘した。 

 また呉釗燮・行政院大陸委員会主任委員は同日「国務院の国防白書発表は『反国家分裂法』の全人代常務委通過に時期を合わせたものだ。同法は一方的に両岸の現状を変えようとするものであり、平和に対する重大な挑戦である。国際社会は中国のこうした動きを軽視してはならない。世界は中国の『反国家分裂法』の成立を阻止すべきだ」と語った。
《台北『自由時報』04・12・28》 

●反国家分裂法は危険な兆候 

 陳水扁総統は二〇〇四年十二月三十日、陸海空軍将官授階式典の祝辞の中で両岸問題に言及し、次のように述べた。

「中国は台湾への武力侵攻を放棄せず、軍備を増強し、台湾侵攻の演習を繰り返し、さらに『反国家分裂法』を可決して台湾海峡の現状を破壊し、中華民国(台湾)の生存の場を圧殺しようとしている。今年十月には中国の潜水艦が太平洋第二列島線を突破し、台湾に重大な脅威を与えたばかりか、アジア太平洋地域の安全が重大な挑戦を受けるところともなった。台湾が軍備を更新し有効な抑止力を発揮してこそ台湾海峡の平和が守れるのだ。国防部が検討作成し、行政院が提出している兵器購入特別予算案を国民が支持してこそ、有効な防衛力が整えられ、国民が責任をもって国防力を高めてこそ脅威を阻止し、平和が確保できるのだ」
《台北『青年日報』04・12・31》 

●特別予算案の早期審議を望む

 立法院の各委員会では今期立法院(国会)における審議項目を調整中だが、与党の蔡煌瑯・民進党立法院党団書記長は一月二日、「与野党が協調し、兵器購入特別予算案が早急に立法院を通過することを望む」と語った。だが多数を占める野党の国民党と親民党は行政院が同案を撤回し、再編して提出することを求める姿勢を崩していない。このため一月四日に開催された立法院国防委員会では、同案を立法院で審議する案は否決された。国防委員会での否決はこれで十四度目になるが、李文忠・民進党国防委員会召集委員は同日、「兵器購入特別予算案の通過を図るため、ひとまず撤回して兵器購入条例案の今期立法院通過を目指し、兵器購入特別予算案を次期立法院に提出するのも一つの方法だ」と表明した。
《台北『自由時報』1月5日》

辜振甫・海基会理事長が逝去 両岸対話再開の功労者、台湾政財界の重鎮の死を悼む 

 両岸交流の台湾側の窓口である「海峡交流基金会」(以下、海基会)の理事長で、総統府資政(上級顧問)でもあった辜振甫氏が一月三日未明、腎機能不全のため入院先の台北市内の病院で逝去した。享年八十九歳だった。 

辜氏は李登輝前総統時、両岸交流の対話再開の窓口として九〇年に設置された海基会の理事長に就任し、九三年四月に中国側の窓口である海峡両岸関係協会(以下、海協会)の汪道涵会長とシンガポールで両岸断絶後はじめて会談し、両岸対話の再開という歴史的会談を成功させた。

さらに九八年十月には上海で第二回辜汪会談を行うとともに、北京で中国国家主席・江澤民と会談するなど、十三年間にわたり両岸交流の促進に尽力した。このほか、九五~九七年には李総統(当時)の代理として三回、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にも出席するなど、国際政治の場でも台湾を代表し活躍した。 

●各界から慰問、弔電相次ぐ

辜振甫氏が経営する台湾セメント本部には氏の柩が置かれ、訃報を聞いて各界から多くの弔問客が訪れている。総統府は三日、哀悼のメッセージを寄せ、このなかで陳水扁総統は「辜氏は半世紀以上にわたり台湾の改革と建設、進歩とともに歩み、台湾の政財界と経済発展に重要な役割を果たされた。辜氏の生涯は国家のために尽くされ、それは国民が深く尊敬し、国際社会も崇めるところである。氏のような賢者を亡くしたことは国家の重大な損失であり、悲しみに耐えない」と悼んだ。

行政院大陸委員会の呉釗燮主任委員は「平和の旗手を亡くしたことは両岸にとって共同の損失である。しかし辜氏の逝去により政府の両岸平和に向けた努力が挫折するものではない」と強調した。また中国の海協会も同日、海基会に対し以下の弔電を寄せた。「辜振甫氏は長期にわたり両岸関係の発展に尽くされ、九二年の両岸のコンセンサスをもたらした。辜氏の貴会創設の意思を尊重し、貴会がわれわれと共同で九二年のコンセンサスの基礎の上に交渉再開の努力を続けていくことを期待する」 

● 辜振甫氏の経歴

「鹿港に辜家あり」。辜振甫氏は日本時代、鹿港で一大商人として名を馳せた辜顕栄氏の四男として一九一七年に生まれた。辜家一族は当時、茶葉、砂糖、タバコ、樟脳など台湾の主要農産物の専売から、今日の金融サービス、電信、インターネット事業に至るまで、常に台湾の権力の中枢に関わり、経済界に独占的な勢力を築きあげた。辜振甫氏は若いころ作家になる夢を持ち、香港の新聞に小説を連載していたこともあった。またスポーツも得意で、なかでも卓球は学生時代、全国大会で一位になる腕前だった。台北帝国大学卒業後、東京帝大大学院に進学し、日本精糖株式会社に就職したものの、戦争の激化により台湾に帰った。その後、家業を継いで企業経営者として活躍し、中華民国工商協進会の会長を務めるなど、経済界の重鎮として尊敬を集めた。

日本の政財界とも太いパイプを持ち、台日交流にも貢献した功績により、七一年には日本から勲一等瑞宝章を授与され、二〇〇三年には早稲田大学から名誉博士号を受けた。また京劇の趣味を持ち、九八年に訪日した際には、みずから諸葛孔明を演じ、話題となった。台北駐日経済文化代表処では、一階の入口に記帳所を設けている。

《台北『中国時報』12月4日ほか》

ニュース 

スマトラ沖地震に五千万ドル 官民協力し被災地に人道援助

行政院は一月三日、すでに十万人以上の被害者を出したスマトラ沖大地震と津波被害に関し「台湾の愛を南アジアへ」と題した会議を招集し、被災地に対して義捐金五千万ドルを送ることを決定した。災害発生当初、外交部では各被災国に五万~十万ドルを寄付する方向で動いていたが、被害が甚大で深刻化していると判断したため、改めて五千万ドルを拠出することを決めた。義捐金の額としては世界で十位内となる。 

三日の会議には外交部をはじめ経済部、行政院農業委員会、同衛生署、同公共工程委員会などの首長が出席し、支援方法について検討した。義捐金の内容は食料物資援助二千万ドル、医療防疫支援千五百万ドル、地域と沿岸の再建支援千五百万ドルを三つの柱としており、各省庁に協力を求めるほか、不足分は行政院の予備予算から拠出する予定だ。

具体的には、食料物資援助では白米二千トン、ご飯五十万パック、医療支援では二百人にのぼる医療チームを派遣し、三千トンの医療物資を提供するほか、被災地に五十カ所の医療センターを設置する。被災地復興については九・二一中部大地震の経験を生かし、工程委員会では「現地で土地とインフラが提供されれば、整地から地域建設の再建まで約二カ月で完了するだろう」と見ている。 

 外交部では、スマトラ沖大地震支援に関する専門サイト「南亜賑災専区」(www.mofa.gov.tw)を開設し広く寄付を呼びかけるほか、政府および民間団体の支援状況を掲載している。それによれば、外交部の義捐金受付口座に寄せられた金額は、一月十日現在で一億三千百二十八万七千九十九元(約四億円)と十万ドル、民間基金では、台湾医界連盟基金会が二百六十二万二百七十九元(約七百八十六万円)を寄付したほか、中華民国赤十字会総会、台湾世界展望会など七団体からマスクやテントなどを含む多くの支援物資が集まっている。一方、NGO団体が被災地へ派遣する救援チームの状況も報告されており、一月六日現在で合計二百九十六人となっている。

【行政院 1月10日】 

春節チャーター便運行まで一カ月 具体的交渉は航空公会へ委託

 中国に滞在する台湾企業関係者が旧正月に帰省するための春節(旧正月)チャーター便について、游錫堃・行政院長は一月三日、積極的に交渉と処理をおこなうよう行政院大陸委員会(以下、陸委会)に指示した。これを受けて陸委会では同日、「『往復とも客を乗せる双方向の直航方式で、第三地を経由しない』方向で中国と実務的交渉を進める」と表明し、具体的交渉と関連事項の処理を台北市航空運輸商業同業公会に委託することを決めた。 

 春節チャーター便の乗り入れに関し、中国国務院台湾事務弁公室は一月二日「相互乗り入れ、多数の発着港開放、往復ともに客を乗せる」方式により検討する意向を示しており、二〇〇三年のチャーター便運航の方式と同様、両岸の民間組織またはエアラインによる直接交渉を希望している。さらに飛行機の発着地については上海以外に北京、広州、アモイなどの複数を挙げてきた。 

こうしたなか、陸委会は三日、交通部と国内のエアライン六社とともに会合を開き、チャーター便乗り入れの具体的事項について協議した。このなかで邱太三・陸委会副委員長は「今後の具体的交渉は主管機関の指揮監督のもと、適切な時期に適切な方法で中国側に申請したい」と述べ、中国側がこれに協力して早急に運航ダイヤを決定し、企業関係者の帰省に便宜を図るよう呼びかけた。

 同会合ではまた「小三通」ルート(中台間の直接の通航、通信、通商『両岸三通』の地域限定版。金門県及び馬祖県~福建省の廈門及び福州間に限定し開放されている)の適用範囲拡大および企業関係者帰省時の「空・海連結ルート」利用について協議が行われた。それによると、経済部での登録を経て中国に在住している台湾企業関係者とその家族については、申請許可後「小三通」ルートによる帰省を認め、また広東地区(東莞、深圳など)から帰省するケースに関しては、船で香港まで出た後飛行機に乗り換えて台湾に帰国する「空・海連結ルート」の利用を検討することが決まった。

《台北『青年日報』1月4日》

中国の軍事拡張と台湾の防衛戦略①

「二〇〇四年国防報告書」概要

 九・一一米中枢同時テロで世界の安全保障環境は厳しさを増し、さらにアジアでは中国が軍事拡張を加速した上に「反国家分裂法」制定を具体的日程に乗せ、ますます緊張を高めている。そうした中に台湾が如何にして国防力を高めるかは、台湾のみならず日本の安全保障ならびに世界の平和にとってきわめて重要な核となる要素を含んでいる。これについて国防部は昨年十二月十四日に「二〇〇四年国防報告書」を発表した。全八編二十六章からなる膨大なものだが、アジアと台湾に関する主要な部分をここに紹介したい。 

    ○     ○     ○ 

第一篇 安全環境と軍事情勢

 第一章 国際安全情勢

 今日グローバル化により国際安全保障環境は複雑さを増している。米中枢同時テロのあと、米国を中心に各国が反国際テロ行動を強化しているが、民族や宗教間による闘争、領土紛争、資源争奪戦などが激化し、国際テロや軍事科学技術の拡散、国境を越えた経済犯罪や麻薬取引も深刻化し、当面の国際安全保障環境はいっそう厳しいものとなっている。 

 一、全般的な戦略環境

 冷戦終結後、米国は圧倒的な国力をもって世界唯一の超大国となった。その米国は国際テロと大量破壊兵器拡散の防止に尽力する一方、軍事のトランスフォーメーションを進め、各地域および各国との軍事協力を強化し、各地域の安全と世界の軍事バランス維持の目的を達成しようとしている。アジア太平洋地域は、中国が「平和的台頭」と経済建設を主要政策とし、現在のところ具体的な問題は起こしていない。中東ではフセイン政権崩壊後、米軍はまだテロ組織を効果的に封じ込めず、イスラエルとパレスチナの紛争もなお継続している。欧州ではNATOとEUが東欧に範囲を広げ、地域の安全保障に主要な役割を担い、ロシアとも政治、経済交流のほか軍事交流も深め、地域の平和を維持しようとしている。アフリカではアフリカ同盟(AU)の成立後、各国が連携し種族間紛争や宗教紛争鎮静化のほか、経済立て直しと貧困やエイズの撲滅にも取り組むようになった。

〔アジア地域〕

 日本、韓国、オーストラリア、東南アジア各国は米国と同盟協力関係を結び、国際テロや大量破壊兵器の拡散防止に努力している。中国はイラク戦争、北朝鮮問題、南シナ海紛争などを背景に国際的影響力を強化し、また宇宙開発にも大きな進歩を見せ、アジアでの大国としての地位を築き、さらに大きな力を見せつけようとしている。

 米国は中国やロシアとの関係に安定を保ち、国際テロや核拡散防止に協力を取り付けようとする一方、アジア太平洋地域における軍事的優勢を維持するため、在日および在韓米軍のトランスフォーメーションを進め、潜在する危機への抑止力を強化しようとしている。

 台湾海峡問題では、米国は平和維持が国益にかなうと見なし、台湾の民主化支持、中国の軍事的脅威反対という一貫した政策をとり、危機発生の防止に尽力している。 

 二、衝突発生の危険地帯

 世界に危険発生地帯は多いが、その中でも朝鮮半島、台湾海峡、南シナ海、南アジア、中東などが最も偶発的な衝突が発生しやすい地域と見られる。

〔朝鮮半島〕

 朝鮮半島には不確定要素が多く、アジア太平洋地域で最も危険な箇所となっている。二〇〇二年十月に北朝鮮は核兵器開発を再開し、米国は軍事的圧力と外交交渉でその政策の放棄を迫っている。二〇〇三年四月に三カ国会議(米国、北朝鮮、中国)が開かれ、その後も同年八月、二〇〇四年二月、六月と六カ国会議(米国、日本、韓国、中国、ロシア、北朝鮮)が三度にわたって開かれたが、北朝鮮の核開発停止にも専門委員会の設立にも合意が得られず、この問題の解決はまだ遠い。朝鮮半島の平和のため、今後ともこの問題の解決に国際社会は努力を続けることになるだろう。

〔東南アジア〕

 東南アジアでは各宗教が林立する中に紛争も深刻化を増し、「イスラム巡礼団」「モロ・イスラム開放戦線」「アブサヤハ・グループ」などを含む各派の多くがアルカイーダと連絡がある。米中枢同時テロのあと、テロ組織の活動は東南アジアにも広がり、その内インドネシアとフィリピンが最も深刻である。それら組織の攻撃目標は軍事基地、大使館、金融機関、発電所、観光地など多岐にわたり、安全確保がますます困難となっている。

 マラッカ海峡をはじめ各国際海峡では管理が手薄で海賊行為や密輸行為などが頻発し、正当な経済行為に大きな脅威をもたらしている。二〇〇四年七月二十日にシンガポール、マレーシア、インドネシアの三カ国がマラッカ海峡の安全に関するメモランダムに調印し、共同で同海峡の巡視を開始し、海賊やテロを取り締まることとなった。

〔南アジア〕

 南アジア地域の主要国はインドとパキスタンであり、両国は宗教紛争のほかに長期にわたる領土紛争を抱えているが、二〇〇四年一月に開催された第十二回「南アジア・サミット」のあと、両国関係には大きな改善が見られた。この一方、中国がインドとの国境紛争によりパキスタンとの友好関係を保ち、インドと対立していた。だが中印関係は「中国インド関係の原則と全面的相互協力宣言」に調印して以来、急速に関係は好転し、共同軍事演習を実施するまでになっている。将来的にも、インド、パキスタン、中国の三カ国関係の好転が、南アジアの安定維持に有益なものとなろう。

〔中東〕

 パレスチナ問題がイスラエルとアラブ諸国との紛争の主因となっている。米国の主導により中東平和路線計画が進められているが、パレスチナ過激派であるハマスとイスラエルの衝突は頻発し、同計画は目下頓挫している。米国はイラク・フセイン政権の排除が中東の安全保障、政治改革、人権の発展に大きく寄与すると見ていたが、その後テロ組織の活動は高まり、イラク情勢は混沌としている。イランとアラブ首長国連邦との間にも島をめぐる領土紛争があるが、軍事衝突の可能性は少ない。

〔南シナ海〕

 南シナ海の諸島は南洋航路の重要な戦略的位置にある。さらに石油、天然ガス、漁業、鉱産物の資源が多く、海底探査の技術が向上するとともに各国の関心も高まってきた。だがこの地域は境界が未定であったり、複雑に入り組んだりしており、それが国際紛争の主因となっている。この水域には総計百九十二の島嶼が存在し、台湾が太平島と東沙島を領有しているほか、中国が七島、ベトナムが二十七島、フィリピンが九島、マレーシアが五島、ブルネイが一島にそれぞれ主権を主張している。 

 三、今後の危険要素

 現在の国際軍事情勢は、地域紛争の激化、武器の拡散、科学技術の急速な発展、戦争形態の変化、自然環境の悪化などにより先行きが不透明なものとなっており、今後は以下の面での紛争が懸念される。

①政治面‥民族、宗教間での対立が持続する。分離意識、地域紛争、領土主権、経済水域の重複などの問題が安全に対する脅威を構成する。

②軍事面‥大量破壊兵器の拡散が、将来の安全に重大な問題となっている。米国は「先制攻撃」戦略を国防安全戦略の主要原則とし、これが世界の軍備拡張を誘発している。各国の安全保障の認識には差があり、紛争処理方法への認識もそれぞれに異なり、この差が衝突を生み、国際安全保障への脅威を形成している。中国の有人宇宙船「神舟五号」の実験成功は、各国の宇宙に関する競争を誘発し、もう一つの強国間の争議を惹起する可能性がある。

③経済面‥グローバル化が誘発した貧富の差が拡大すれば、反グローバル化運動が先鋭化し国際犯罪(特に金融面)も巧妙にかつ頻発し、その処理を誤れば世界の政治、経済、社会に潜在的脅威を構成するだろう。

④国際テロ:米国を中心とした反テロ行動により、九・一一以来、大規模テロは発生していないが、テロ組織撲滅には至っておらず、今後とも世界に対する重大な脅威を構成し続けるだろう。

⑤環境保護と疫病:SARSや鳥インフルエンザの流行、生態異変などが今後とも重要問題となるだろう。

【国防部 04・12・14】

新潟県中越地震支援レポート 一番早く到着し、最後に離れ、再び来たボランティア 

昨年十月二十三日、新潟県中越地方を襲った大地震は一月二日現在、犠牲者四十人と家屋の損壊約十万棟の被害をもたらし、現地では懸命の復興活動が続けられている。地震直後、ただちに現地にボランティアを派遣し、物資の援助と心のケアにあたった慈済基金会の活動の模様を、同基金会のレポートからここに抜粋、紹介する。

     ○     ○     ○

十日町市の物資配給を終えて東京に戻って来たのは、すでに地震発生後四日目の十月二十六日早朝三時半でした。気懸かりなのは、孤立状態にある小千谷市です。この度の地震で最も被害の大きい地区は人口約一万人の川口町と人口およそ四万余りの小千谷市です。小千谷市は四十数本の県外に通じる道路がありましたが、地震後どうにか通行できそうなのは七、八本だけでした。救援物資およびボランティアは入ることができず、地震後四日目の二十六日になってやっと一部分の道路が開放され、小千谷市ボランティアセンターも二十七日に正式に設立されました。 

●二十六日、地震発生後四日目、二回目の被災地への物資支援と炊き出しを行うことを決定

日本分会は十日町での経験に基づいて、救援物資を買い集め、被災者たちが最も必要としている時に行って支援し、慰めることができればと願っておりました。午後、陳金発師兄も台湾から東京に到着しました。 

●二十七日、地震発生後五日目、東京と群馬の慈済メンバー総動員

たとえ現地に向かう人であろうと分会で留守番する人であろうと、みんな全力で事に当たりました。その中でも車の調達が一番の問題でしたが、夜になってやっと解決しました。次は道路の問題です。普通ならば四時間弱で着くのですが、高速道路が通行止めになっているために倍の時間を要します。 

●二十八日、地震発生後六日目、小千谷市へ出発

午前七時、日本分会ボランティア一行二十三人は東京を出発し、群馬の十四人と合流して、六台の車で被災地小千谷市へ赴きました。いつも往来の激しい関越道路はほとんど車の行き来がありませんでした。道もでこぼこでした。午後一時に小千谷市に到着しました。ボランティアセンターは立ち上がってはいるものの、組織はまだできておらず、責任者の安達さんがお一人で、電話や絶え間ない来客の対応に追われていらっしゃいました。 

彼は遠くから来た慈済のメンバーを、組織がしっかりしているのを見ると、すぐに助けを必要としている木津団地を私たちに割り当てました。たった一枚の簡単な地図のコピーを渡された私たちは自分で目的地まで探して行かなければなりませんでした。木津団地は小千谷市の端に位置し、ここに住んでいるのはほとんどが一人暮らしのお年寄りです。「人手が足りないところに、こうして皆さんが炊き出しに来て、お年寄りが温かい食べ物を食べられるのを思うと、口では言い表せない感動を覚えます」と世話役の方が言われました。 

 第一回の夕食は五時に供給、三百人分の熱々の味噌五目うどんを作りました。住民の多くは目を丸くして食べていらっしゃいました。というのも、これは被災後五日目になって初めて口にした温かい食べ物だったからです。炊き出しを終えると夜の帳がおり、寒い空気が身を切り、思わず襟を立て、手を擦らずにはおられません。片付け終えると被災地を離れ、一時間半車を走らせて、柏崎市の民宿に辿り着いたのはすでに夜の九時頃でした。部屋割りが済むと翌日の段取りについての会議を開きました。 

●二十九日、在宅者を慰問

昼食は二百人分の醤油味のうどん、夕食は三百人分のお雑炊。支援物資は今夜東京を出発し、明日の早朝小千谷市で落ち合うようになっておりました。昼食の後、風間さんの同意を得て、近くの住民と一人暮らしのお年寄りを慰問することにしました。地震発生から六日目になりましたが、まだ余震が絶えません。急に地鳴りがしたかと思うと震度6の余震でした。 

風間さんによりますと、二日目の6.2の余震が起った時、みんな外へ飛び出して、空き地に座り込み、周りの人たちと抱き合って、お互いに励まし合ったそうです。多くの住民は怖くて家の中で生活ができず、空き地に止めている車の中に布団を持ち込んで生活を続けていらっしゃいます。長年一人暮らしをしておられる六十九歳の南雲さんは「最初の温かい食べ物を提供してくれたのが台湾から来た慈済という団体だとは思いもしませんでした」と感激して涙していらっしゃいました。河野さんは「災難は家族の絆を強めただけでなく、姉妹兄弟や隣近所のお互いの関心を深めました。そして皆さんの心温まる援助はこれから生きていく力を与えて下さったので、頑張らないといけない」と言われました。 

多くの歩行不便な一人暮らしのお年寄りは、私たちが来たのを見ると、手を取って、丸くなった背中がより丸くなるまで、何回も何回もお礼を言って下さいました。 

そして私たちが温かい食べ物を家まで運んだことに大変感激されました。給水車は毎日定刻に給水に来ます。被災者たちはきちんと並んで水をもらい、大方の人は小さな入れ物を持って、使うのに足りるだけの水をもらって、あとは他の人に残すようにしておられました。日本人のお互いに助け合う精神をここでも見ることができました。私たちもおじいさんやおばあさんたちを手伝って水を家まで運んで差し上げました。 

●三十日、救援物資の到着

昼食は三百人分のスイトン。夕食は四百人分のカレーライス。昨夜東京を出発したボランティアの野原夫妻が4.5トントラックで救援物資を運んで小千谷市に着いたのは午前二時でした。ボランティアセンターと相談した結果、救援物資を木津団地へ運ぶことにしました。ボランティアセンターは木津団地の一人暮らしのお年寄りたちを一番心配し、私たちに炊き出しの時に、ついでに現地の状況を把握して市役所に報告してくれるよう依頼しました。トラックが木津団地に到着すると、被災者の皆さんは次から次へと物資を運ぶのを手伝ってくれました。今回提供した物資は、二リットルの水二千四百本、真空パックのご飯およびいろいろな味のおかゆ三千パック、カイロ大二千四百個、カップラーメン二千五百個、そして日用品等です。 

●三十一日、別れを惜しむ送別会

だんだん大きくなる容器と増える人口に従って、最後の炊き出しは五百人分を作りました。被災者の皆さんも私たちと打ち解けるようになりました。私たちが午後には帰ってしまうと聞いて、涙を流していらっしゃいました。金発師兄は上人のお心と祝福をお伝えし、挨拶しました。台湾の九・二一地震の時に日本の方たちは台湾まで来て助けて下さいました。今日、私たちは日本のご恩に報いるために参りました。金発師兄は私たちにお手伝いできる機会を与えて下さった被災者の皆さんに何回も何回も感謝し、そして被災者の皆さんが元気を出して、再び立ち上がるよう励ましました。

西沢市議は「この数日間の皆さんの笑顔と誠実さから更にこの団体の良さが分かり、大変感謝しております。慈済志業のこれからの発展を祈っております」と挨拶されました。勝又会長は「この時期に慈済のみなさんが助けに来てくれたことに大変感謝しており、朗らかな笑顔や親切な態度、特に自ら温かい食事をお年寄りの家に運んで下さったことや水と物資の運搬を手伝って下さったことは他の団体にはできないことです。皆さんの力を借りて、きっとこの難関を乗り越えることができると信じております」と言われました。執行長の秀民師姉の挨拶の後、「愛を人々に」の手話演技をしました。おじいさんとおばあさんたちは皆満面涙で師兄姉たちと何回も抱き合って、私たちは「復興できた折にきっとまたみなさんを見にきます。雪の時節に必ず来て、皆さんの手作りの漬物を食べに来ます」と約束しました。 

●さようなら、さようなら。約束を忘れないで!

被災者の皆さんは別れを惜しんで、広場の隅っこに集まって待っていらっしゃったので、私たちはそれに応えて速く集合しました。

「さようなら、さようなら。お約束を忘れないで!」師姉たちは目を真っ赤にして、口々にお礼を述べ、これからはもっと多くのことをしようと心に決めました。被災者のみなさんは別れを惜しみ、何回も何回も手を振り、再会の約束をしました。私たちはきっと早い内にまた会えることを確信しております。(完) 

    ○    ○    ○ 

「本当にあなたたちなの? こんなにも早くまた会えるなんて…」

慈済基金会のメンバー十人は十一月七日、ふたたび小千谷市の木津団地を訪れた。再会の約束は復興後の雪国でのお漬物茶会と決めていたものの、その後も続く余震に、被災したお年よりたちの不安や寒さ対策、食事が十分にとれているかなど、心配でならなかったという。現地のボランティアセンターからは「一番早く到着し、最後に去り、再び訪れた」と言われ、驚かれたそうだ。背中が曲がり、よたよたとしか歩けないお年よりは抱きしめられることで、また顔にいっぱい皺を刻んだおばあちゃんは一生懸命手を振り、再会の喜びを表した。メンバーたちは一連の活動を通して「日本人の忍耐強さ、団結力、運命を受け入れる力、そして謙虚で礼儀正しい民族性、さらにボランティアの組織力」を感じたという。

《編集:本誌編集部》

台湾地名ものがたり 14 

●義を称えた嘉義の地名 

 嘉義といえば北回帰線が通っていることで日本にも知られ、また台湾開発史にとっても、中南部を結ぶ都市であり、同時に平地と山地を結ぶ拠点としても重要な場所に位置している。 

 この嘉義の旧名は「諸羅」であった。まずこれの由来には二説あり、背後に山々が並んでいる、つまり「諸山羅列」から「諸羅」と言われるようになったというのと、オランダ時代の文献に「諸羅」という地名が書かれており、それは蕃社の名前からとったという説である。いずれが正解かは分からないが、ともかく清の康熙四十三年(一七〇四)に行政区画として「諸羅県」が開設され、すでに形成されていた市街区に清の役人が駐在するようになった。 

ではなぜ「嘉義」になったかだが、清の乾隆五十一年(一七八六)に「林爽文の乱」というのがあった。少林寺の流れを汲む「天地会」というのが会盟員の林爽文なる人物をリーダーに「滅清復明」(清を滅ぼし明を復興する)を呼号して乱を起こしたのだが、清朝は軍を派遣し鎮定に三カ月かかった。このとき諸羅も反乱軍の猛攻を受けたが、清朝の駐在役人と街民らは一丸となって抵抗し、市街地に反乱軍を一兵も入れることなく、台南から正規軍が来るまでもちこたえた。 

後に林爽文は捉えられ、北京に護送のうえ処刑された。台湾の歴史でいう「三年小反、五年大反」(三年ごとに小規模な反乱が起き、五年ごとに大乱が発生する)の時代である。これを清廷は清朝への忠義のあらわれとして称え、「嘉義」の名を賜ったというのである。「嘉」とは「賞賛する」という意味である。嘉義の開拓史は面白く、海賊の顔思斉や鄭芝龍(鄭成功の父)らが明の天啓四年(一六二四)にこの地に入り、開発とともに海賊行為の拠点にもしたと言われている。

文化ニュース

 世界一のノッポビル台北一〇一ビルが開幕

高さ五百八メートル、百一階建ての世界一のノッポビル「台北一○一」が、昨年十二月三十一日、開幕した。 

同ビルは一九九八年一月に着工し、世界一の高さを誇るだけでなく、世界最速(およそ四百メートルの高さに三十九秒で到達する)のエレベーターを備えた、文字通り世界一のビルである。 

この日、開幕を記念して馬英九・台北市長らが出席してテープカットが行われ、このあと、陳水扁総統、王金平・立法院長らは「台北一〇一」ビル会長の陳敏薫氏の案内により、高速エレベーターで八九階の展望台へ向かった。展望台では市内を望む大パノラマを背景に、伝統舞踊などが披露され、開幕を祝った。 

「台北一〇一」は、行政院が九五年に提出したアジア太平洋運輸オペレーションセンター計画の金融センタービルとして建設されたもので、中華開発が投資し、台北市がこれに協力した。陳水扁市長時代に入札、九八年に着工され、三代の市長を経て完成した。この間、近くの松山空港の飛行安全との調整や、四度にわたる火災、二度の落下事故などに見舞われたが、それらを克服し、およそ六年かけて完成にこぎつけた。 

馬台北市長は「建設には、労働者と安全検査において、これまでで最も厳格さを追求し、建設に従事した労働者は一万人、出入り者を含めると四万人にのぼった。一〇一ビルの完成は台北市と中央政府の協力のたまもの」と喜びを語った。

《台北『青年日報』1月1日》

●展望台一般開放のお知らせ

「台北一〇一」は十二月三十一日に開幕しましたが、展望台への一般開放は一月十九日から(二月末まで)となっています。

世界一の高さと最速エレベーターを持つこのビルは、台北の新しい観光スポットとして注目されています。また、入場チケットに六種類のデザインが施され、半年毎にデザインが変更されるほか、混乱を回避するためのコンピュータ制御による入場番号や、入場時間をチケットに記載するなどの特色も盛り込まれています。

☆営業時間:午後1時~午後7時(最終入場は午後6時まで。月曜定休)
☆料金:一般が350元(約千円)
     団体が300元(約九百円)
☆チケット売り場および専用エレベーター:5F
※ 中国語、英語、日本語、広東語、ドイツ語、台湾語などの無料音声ガイダンスを提供
※ グランドオープン:二〇〇五年三月一日
※ 二十名以上の団体は一週間前までに予約が必要
☆問合せ:台北一〇一(台北市信義路五段七号89F)
TEL(02)8108-8802
http://www.tfc.101.com.tw/

台北ランタン祭り、信義エリアまで拡張

 毎年旧正月後、華やかに繰り広げられる台北ランタン祭り。今年は春節(旧正月)三日目の二月十一日から同二十七日まで開催されるが、会場を従来の中正紀念堂広場に加え、台北市政府庁舎から「台北一〇一」、さらに国父記念館に至る信義エリアに拡大して行われる。台北市では現在、参加企業を募集中だ。 

 台北市によると、新都心として開発中の信義エリアにメイン会場を移し、伝統行事のなかに現代の流行を感じさせる趣向にしたい考えである。ハイテクと音楽を融合させたメインランタンとサブランタンは、それぞれ市政府庁舎と同広場に設置され、参観者は大型劇場に身をおいている迫力を味わえるという。 

 街道に設置されるランタンは伝統的なもの、異国情緒溢れたもの、現代アートを感じさせるものなどさまざまに展示され、さらに国父記念館には舞台が設置され、パフォーマンスなどのイベントも行われる予定だ。
《台北『民生報』’04・12・24》 

「呂赫若日記」が半世紀ぶりに出版 戦前の著名作家知る貴重な資料に

日本統治時代の代表的作家として知られる呂赫若氏の日記が、十二月二十八日、国家台湾文学館と印刻出版社の合同出版により、約半世紀を経て、初めて正式に世に送り出された。この日記は一九四二~一九四四年まで、「台湾文学の根」と称される呂氏の二年間にわたる作家生活を日本語で綴ったものである。 

呂赫若氏は本名呂石堆、東京武蔵野音楽学校を卒業した。端正な風貌で、若くして音楽のほかに作家としての才能もあり、二十歳で著作「牛車」が雑誌「文芸評論」に掲載された。二・二八事件後は台北第一女子高等学校で音楽教師をする一方で、左翼活動に身を投じていった。 

一九五一年、台北市内で蛇に噛まれ死去した後、家族は白色テロの圧力を恐れ、呂氏の日記を地中に隠したという。「日記が早く腐るように、土に埋めたうえから水を撒いた」。当時九歳だった呂氏の次男・呂芳雄さんはこう振り返る。しかし、日記には子供たちの生年月日など家族の記録があったため、妻の林雪絨さんが再び掘り返し、その後半世紀の間、長男の呂芳卿さんのもとで保管されてきた。 

今回出版された日記には、この資料を改めて発掘した学者の鍾美芳氏が数編の論文を書き、大量の注釈と時代背景や人物解説が付記され、初めて中国語版に翻訳された。そのなかには家族との日々の生活、病気で亡くした娘に対する悲しみや自分自身への問いかけなどが綴られており、作家・呂赫若を知るうえで貴重な資料となることが期待される。

ただ、作家はすべてを日記に残したわけではなかったようだ。呂芳雄さんによると「父は生前、ある女性と交際があり二人の子をもうけていた」というが、これに関する記述はどこにもなかったという。
《台北『中国時報』’04・12・29》

ネット書店が公開する「一番人気本」 ミステリーやノウハウ本が好評

最近台湾でもネットで本を買う人が増えている。本のネット販売をしている「博客来網路書店」では十二月二十七日、二〇〇四年の図書百選を発表した。このうち売れ行きダントツ一位を飾ったのは、ダン・ブラウン著のミステリー「ダヴィンチ・コード」。出版以来、三十秒に一冊の速さで売れたという。ビジネス書ではジョン・ミラー著「クエスチョン」が人気を博した。全米で三十四万部を突破したこの本は「問いかけの方法次第で人生を変えられる」というテーマで、生きる知恵を教えてくれるノウハウ本だ。また、博客来書店の「今年一番注目すべき本」には、台湾大学化工部の呂宗昕教授著「K書高手」が、若者にとって効果的な読書方法の指南書だという理由で選ばれた。 

 同社によれば、ネット書店の利用者は約半数が二十五~三十九歳で、二十五歳以下のユーザーはさらに急増中だという。こうした若者層には旅行、グルメ、コミックなどのいわゆる「ライフスタイル本」が人気で、例えば朱雀出版社の「イタリアンパスタの作り方」などは、年間販売総合ランキングでも十二位に入った。このほか装丁の美しさも本選びのポイントで、おしゃれな装丁の本は売れ行きもよかったという。一方、四十~六十歳の壮・老年層には、「こころの問題」に関する本が受けており、樹林出版社の「誠」「定」などのシリーズに人気が集まった。

《台北『中国時報』`04・12・28》

宝島あれこれ

元旦の合同結婚式にカップル殺到

 台北市が主催する新年初の合同結婚式が一月一日、台北市内でおこなわれ、馬英九市長の立会いのもと、九十九組の新婚カップルが誕生した。

同市では予算節約のため、今年から一カップルにつき挙式登録費千元(約三千円)を支払う方式を導入、他県・市のカップルにも登録の権利を開放した。挙式に参加したカップルは「賑やかで楽しいし、千元でもオトク」と笑顔で話す。実際、元旦というおめでたい日ということも手伝って、九十九組の登録枠はあっという間に埋まったという。同市では少子化対策として、合同結婚式に参加したカップルで三人以上の子供が生まれた場合には、子供一人につきそれぞれオムツ三年分、十二歳まで市立動物園や各児童施設の入場料を免除するなど、特典も設けている。 

●元旦ベビー減少、お産は自然に

一方、一月一日生まれの新生児はここ数年、減少傾向だという。というのも、以前、台湾では縁起を担ぎ、元旦を誕生日にしたいとわざわざ帝王切開する人が多かったが、最近は自然分娩が主流だからだ。台北市内の主要医院では、元旦のお産は数人~十人程度で通常と変わらず、医師の一人は「自然に任せた誕生が子供の健康にも一番いい。元旦ベビーが廃れたのはいいことだ」と語った。
《台北『中国時報』1月2日》 

「京劇でナイスバディ」に挑戦!

 忙しい現代人にとって、健康やストレス解消に身体を動かしたいという願望は、万国共通だろう。女性なら楽しみながら美しくなれれば一石二鳥だが、台湾にはとてもユニークなシェイプアップ講座がある。

台北市中山堂の堡壘珈琲館では、さまざまな文化講座が開講中だが、そのうちの一つ「京劇健身操」は、京劇の立ち居振舞いや身体訓練の方法を通して美しい体づくりを目指すというコースだ。国光劇団の舞台俳優が講師で、十回千二百元(約三千六百円)で随時参加できる。 

京劇の世界では、舞台に一分立つのに十年訓練が必要だと言われる。こうした専門技術を一般のカルチャースクールに導入するとは斬新だが、講師の一人は「訓練のベースとなる『基本功』は、自分の身体を知り、強化し美しくするのに最適で、一般の人にも身近に利用できるものだ。シェイプアップしながら伝統芸術に触れることもできる」という。確かに、スポーツジムとは一味違う面白みがありそうだ。
《台北『中国時報』’04・12・27》

スポーツ関連ニュース

台北国際マラソンに五万人が参加

大手保険会社の安泰INGが毎年主催する「ING台北国際マラソン」が十二月十九日、台北市内でおこなわれ、五万人を超す参加者で賑わった。台北市で開催されるスポーツ関連イベントは年間九百十二に及ぶが、「ING台北国際マラソン」はタロコ国際マラソンと並ぶ大会として知られ、台北市内をぐるりと走るコース。 

今回はフルマラソン四十二・一九五キロ、ハーフマラソン二十一キロ、ショートマラソン九キロ、ING Run三キロ(健康ウォーキング)があり、各国から集まったランナーたちは当日朝七時、台北市政府前から一斉にスタート。あいにくの小雨にも関わらず、老いも若きもそれぞれに爽快な汗を流した。 

フルマラソン競技には一万七千人が参加し、優勝者は男子のシャラル選手、女子ジェニファー選手と、ともにケニア勢が制した。大会新記録を塗り替えたジェニファー選手には百万元(約三百万円)が贈られた。また日本国内のレースで好成績を記録している佐々勤さんも、三位でゴールと健闘した。
《台北『中央社』’04・12・20》 

バドミントン学生世界選手権で金

 「世界学生バトミントン選手権大会二〇〇四」が十二月九~十二日までタイのバンコクで開催され、台湾の鄭韶婕選手が女子シングルスで金メダルを獲得した。 

同選手権は学生の国際大会としては世界的にグレードの高い大会で、今年で八回目を迎える。日本、中国、韓国、タイなどアジア勢のほかイギリス、ドイツなどヨーロッパやカナダなどから数多くの選手が参加した。 

 金メダルを獲得した鄭韶婕選手は十八歳、アテネ五輪にも出場した台湾バトミントン会を担う精鋭だ。本番に強いという鄭選手は決勝で地元タイの選手と対戦し、相手選手への声援が響くなかで堂々の優勝をもぎ取った。 

台湾勢はこのほか男女混合ダブルスの程文欣・蔡佳欣選手が銀、男子シングルスの廖晟勲選手と女子ダブルスの程文欣・簡秀凌選手が銅メダルを獲得。アジア勢の強豪を抑えて好成績を記録した。 

《台北『中央社』’04・12・12》

春 夏 秋 冬  

 一般にはあまり聞かれない名だが「国境なき記者団」(Reporters Sans Frontieres)というのがある。本部をパリに置く国際組織で紛争地帯で活動しているジャーナリストの安全確保、不当に逮捕あるいは拘束されたジャーナリストの救出、フリージャーナリストのための保険業務などの活動をしている組織である。そうした団体だから、各国のマスコミ事情には精通している。昨年12月のことになるが、この団体が二〇〇四年の「世界マスコミ自由度報告」を発表した。各政府のマスコミに対する圧迫、干渉、逮捕などの事例を調べ上げ、国別自由度のランク付けをしたものだが、それによれば調査対象139カ国の内、中国は138位であった。ちなみに最下位の139位は北朝鮮である。 

 昨年9月に外国のメディア関係者へ、江沢民が中央軍事委員会主席を辞任しそうだと語った中国の雑誌記者が「国家機密漏洩罪」で逮捕されたり、ある大学生が些細なことから警察官に殴打、殺害された事件を報じた地方紙の編集長が後日「汚職容疑」で逮捕されたりといった事件は枚挙にいとまがない。SARSの発生を最初に発表した医師が、その後当局からさまざまな形で圧迫を受けたりもしている。中国ではSARSの発生も「国家機密」となってしまうのだ。 

 日本のマスコミでも中国の経済発展の状況はかなり詳しく報じられるが、北朝鮮よりもマシな程度のマスコミの自由度についてはあまり報じられないようだ。せいぜい報じられて「民工」の暴動くらいのものであろうか。内実をあまり詳しく報じると、それこそ情報提供者を「国家機密漏洩罪」に追い込まねばならないのだから、そのあたりを考慮しているのかもしれない。 

 ここで注目しなければならないのは、今日の中国の経済発展や国力増大が「万里の長城のごとく堅固」な体制の上に成り立っているという点であり、その体制とは党が法であり、その下に司法の独立はなく、かつ末端においては人治が法治を凌駕し、メディアが監視役をまったく果たせないといった体制である。この体制によって中国は国力を蓄え、南シナ海ばかりか東シナ海にも勢力圏を拡大し、台湾への武力侵攻の態勢まで整えようとしている。それはまさに西側への挑戦であり、今その矛先に台湾と日本が位置している。両国は地域の安全のため、政治、経済、社会に価値観の一致していることを互いに認識し合い、連携をいっそう強固にしなければならないようだ。(K)