蘇嘉全・立法院長ら訪問団一行が広範な分野で日本との交流深化
蘇嘉全・立法院長(国会議長)を会長に、超党派の立法委員(国会議員)で組織された「台日交流聯誼会」の訪問団は、日本訪問2日目となる8月2日の午前、台湾の人々から寄せられた熊本地震被災者への義援金を「公益財団法人交流協会」の大橋光夫会長に手渡した。
蘇嘉全・立法院長(左)、大橋光夫・交流協会会長(右)
都内のホテルで開かれたこの義援金贈呈式で、蘇・立法院長は「台日間は地理的にも民族性も似ており、双方の国民間の感情も密接である。一方が災難や困難に遭った際には、もう一方が手を差し伸べて助ける関係にある。たとえ、摩擦が生じたとしても、お互いが話し合いのテーブルにつくことにより、問題を解決することができる。この度の義援金は、台湾の人々が熊本、大分県地域の震災地域に関心を寄せていることの表れであり、復興再建に役立ててほしい」とあいさつした。
大橋会長は「台湾の皆様の温かい心に胸が熱くなる思いだと伝えてほしい」と感謝の意を表した。台日関係についても、「良好な関係を基礎に、多方面にわたる台日協力は着実に進展している。台湾と日本は世界に誇れる友好関係、信頼関係がある」と述べた。
蘇嘉全・立法院長(左5)、謝長廷・駐日代表(左4)、自民党の細田博之・幹事長代行(右5)、山口泰明・組織運動本部長、(右4)
同日午後、蘇・立法院長ら一行は東京・永田町にある自由民主党本部を訪問し、細田博之・幹事長代行、山口泰明・組織運動本部長、牧原秀樹・青年局長らと懇談した。蘇・立法院長はあいさつの中で、「この度の訪日団は、国内の4つの政党(民主進歩党、中国国民党、親民党、時代力量)の各立法委員により結成されている。これは与野党の各政党が日本の国会および国民とより一層密接な関係を築いていきたいという共通の目標を表している」と強調した。
細田・幹事長代行は、「『台日交流聯誼会』の設立は、立法院の日本に対する友好、重視の表れであると理解している。今後もより一層緊密に台湾と交流していきたい」と述べた。
蘇嘉全・立法院長(右側前列右5)、謝長廷・駐日代表(同4)、民進党の蓮舫・代表代行(左列左4)、枝野幸男・幹事長(同5)
一行は続いて、参議院議員会館を訪れ、民進党の蓮舫・代表代行、枝野幸男・幹事長らと懇談した。蘇・立法院長は、台湾は台日関係を重視していることから、謝長廷・元行政院長(日本の首相に相当)が駐日代表に任命されたことなどを説明した。枝野・幹事長は、台湾との関係強化は、日本および東アジアにとっても大切であり、「台日交流交流聯誼会」が発足したことにより、今後の台日関係のさらなる深化を期待した。
蘇嘉全・立法院長(左2)、銭谷眞美・東京国立博物館館長(右1)
台日の国会議員交流の後、一行は東京・上野にある東京国立博物館(以下、東博)を訪問し、東洋館で展示品ならびに耐震展示技術について説明を受けたり、美術品の修復作業現場などを参観した。その後、同館の銭谷眞美・館長、松本伸之・副館長らと懇談し、その中で蘇・立法院長は、嘉義県にある「国立故宮博物院南部院区」で、今年の年末に開催が予定されている東博収蔵の貴重な文物を展示する特別展に期待の意を表した。
蘇嘉全・立法院長(後列左7)、謝長廷・駐日代表(同6)、毛友次・日本中華聯合総会会長(前列左1)
訪問団一行は同夜、関東地区の各華僑団体が合同主催した歓迎会に出席した。日本中華聯合総会の毛友次・会長は歓迎あいさつの中で、この度の訪問団一行が、日本の国会とより一層交流を深め、台日友好関係を促進したことに感謝の意を表した。続いてあいさつに立った蘇・立法院長は、立法委員総数113名の内、「台日交流聯誼会」のメンバーは104名で、各国との交流聯誼会と比べ、人数が最も多いと紹介し、「これは今後も台日関係を密接にしていきたいと願っているからである」と述べた。続いて、謝長廷・駐日代表が乾杯の音頭をとり、歓迎会は和やかな中にも熱気あふれる宴となった。
«2016年8月3日»