台湾がWHA参与目指す短編映像、再生回数が470万回を突破
外交部(日本の外務省に相当)の李憲章報道官によれば、WHO(世界保健機関)が提唱するユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の理念を台湾が確実に実行していることを国際社会に示し、さらには台湾がWHOの今年の年次総会(WHA)に参加することに対する国際世論の支持を勝ち取るため、外交部は様々なPR活動を行っている。
これらの活動には、世界に向けたPR映像の制作、医療衛生面での貢献を紹介したウェブサイトの開設、「公衆衛生及び医療に関する海外メディア記者団」の組織、WHAに関する特別な冊子の制作、各国の政界・学術界・台湾コミュニティの人々に台湾のための寄稿を求める取り組み、各国の主流メディアに対する、在外公館・機関を通じた投稿などが含まれる。
そのうち短編映像の『阿巒的作文課(ロアンちゃんの作文=A Perfect Pair)』は、台湾の医療チームが海綿状血管腫で左足の切断を迫られていたベトナムの女の子を助け、片足となる運命から救った実例を紹介している。台湾のおもいやりと先進的な医療技術を際立たせると共に、台湾をWHOに加えることの必要性を強調するもの。
同映像は3月31日にインターネット上で公開。4月20日午後までに再生回数は471万6,880万回に達した。さらに米国国務省の東アジア・太平洋局、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会、ドイツ在台湾協会(German Institute)など、理念の近い国々の政府機関がソーシャルメディアに転載し、シェアしている。
ウェブサイトの「台湾医衛貢献網2.0(台湾医療衛生貢献ネット2.0)」は4月2日に公開。4月20日午後までの閲覧回数は8万2,150回。また、外交部は「公衆衛生及び医療に関する海外メディア記者団」を組織し、台湾における優れた健康保険制度を海外のメディアに理解してもらうため、海外の記者13名を3月25日から30日にかけて台湾に招いた。そのうち米国のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の記者による特別報道はすでに発表されている。
一方、台湾がWHA参与を目指していることを世界の主流メディアが取り上げた報道は4月20日までに134件で、オーストラリアのMJA(The Medical Journal of Australia)や日本の読売新聞などが報じた。また、日本の毎日新聞や米オハイオ州のTribune Chronicle紙、カナダのトロント・スター紙なども中華民国(台湾)の在外機関が寄せた文章を掲載した。
外交部はこの他にも、フェイスブックのユーザーがカバー写真を外交部のデザインした写真に変更する活動を発起。これにより、外交部の「Health for all-Taiwan can help(全ての人々に健康を-台湾は貢献する)」という訴求に呼応するよう求めている。
今年のWHAは5月21日から26日までスイスのジュネーブで開かれる。WHAはWHOの最高意思決定機関でWHOの政策方向を決める重要な会議。毎年1回開催される。台湾は2009年から8年連続でオブザーバーとして招かれて参加。しかし、昨年は中共の圧力のため招待されなかった。
Taiwan Today:2018年4月23日
写真提供:「台湾医療衛生貢献ネット2.0」ウェブサイトより
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの理念を台湾が確実に実行していることを国際社会に示し、台湾のWHA参加に対する国際世論の支持を得るため、外交部は様々なPR活動を行っている。写真は「台湾医療衛生貢献ネット2.0」ウェブサイトのページ。