欧州議会が欧州委員会に台湾との投資交渉開始を促す決議、外交部が感謝

　欧州議会は5月30日の全体会議で、EU（欧州連合）の政策執行機関である欧州委員会に対し、台湾との投資交渉に向けた準備作業を出来る限り早く終わらせ、交渉を正式に始めるよう呼びかける決議を採択した。中華民国（台湾）の外交部（日本の外務省に相当）は30日、これに深く感謝すると共に、欧州委員会がこの決議に基づき、1日も早く中華民国（台湾）との二国間投資協定（Bilateral Investment Agreement, BIA）に向けた交渉を開始し、台湾とEUとの経済貿易パートナーシップをいっそう深めるよう期待した。

　外交部によれば、EUは台湾にとって5番目に大きい貿易パートナーである他、EUによる台湾への投資は、海外からの対台湾直接投資（FDI）のうち最大。また、台湾はEUにとってアジアで6番目に大きい貿易パートナーだという。外交部は、台湾とEUとのBIAは双方の自由貿易に対するコミットメントで、より効率的で予測可能な投資環境を生み出すことが出来る他、双方の投資拡大とビジネスチャンスの増大に寄与し、互いに利益のあるウィンウィン（win-win）につながるとそのメリットを説明した。

　欧州委員会は2015年10月に公表した新たな貿易・投資戦略、「万人のための貿易（Trade for all - Towards a more responsible trade and investment policy）」の中で、将来の投資交渉対象に初めて台湾を加え、欧州議会はこれを支持する決議を行った。それに続いて欧州委員会は2017年9月に公表した「貿易政策報告中間検討文書」で、台湾との投資交渉に向けた準備を進めているところだと説明した。欧州議会は今回、再度の決議採択という方式で、台湾とEUのBIA締結を支持する立場を表明すると共に、双方の経済貿易関係がさらに深まることへの期待を示したことになる。

Taiwan Today：２０１８年５月３１日

写真提供：総統府サイトより
　中華民国（台湾）と欧州議会は良好な関係を維持している。写真は昨年12月、蔡英文総統（右）が欧州議会のAndrey Kovatchev副委員長（左）率いる代表団の表敬訪問を受けた時の様子。