ナウルでの難民を台湾で治療、豪州が謝意
オーストラリア弁事処(AUSTRALIAN OFFICE)は24日、ナウルで治療を受けられない難民のために台湾が優れた医療サービスを提供していることに感謝する声明を発表した。それによると、オーストラリアがナウルで「地域対応」している(一時滞在させている)難民や庇護希望者のうち病気になった人たちは転院の仕組みにより、ナウルでは提供出来ない専門的な医療サービスを受けられるという。こうした患者はみなあらかじめ、台湾に渡って治療を受けることに同意すると共に、治療後はナウルに戻ることも約束している。
同弁事処は、台湾の優れた医療サービスが世界の医療衛生分野で果たしている貢献は国際的に評価されており、ナウルでの医療協力計画も長期にわたって続けられていると指摘している。
オーストラリア政府は台湾におけるハイレベルな医療とケア、並びにナウルでの長期的な医療協力の実績を考慮し、昨年9月に台湾と協力了解覚書を交わした。台安病院(台湾北部・台北市)は今年1月より、ナウルに滞在する難民及び庇護希望者で緊急の治療が必要であるにもかかわらず、ナウルでただちに対応できない場合、台湾で受け入れて治療を施すサービスを行っており、すでに緊急治療が必要な患者や重症患者を10人あまり治療したという。これら患者の台湾までの往復費用、並びに台湾での医療費はオーストラリア政府が負担している。
外交部(日本の外務省に相当)の李憲章報道官は24日午前、これを認めた上で、オーストラリア政府と交わした覚書には双方が国際人権基準を守り、これらの患者が尊厳を保てる対応と適切な医療ケアを受けられる権利を確保することが記されていると説明した。
李報道官は、WHO(世界保健機関)憲章に「健康は基本的人権である」と記載されていることに触れ、WHOの「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の理念に呼応するため、中華民国(台湾)が国際医療分野での貢献を深めようと努力していることを強調、今後も正式な外交関係のある国々での医療水準向上と医療協力の強化を2国間協力の重点の1つとして取り組んでいく考えを示した。ナウルは太平洋地域において、中華民国(台湾)と固い友好関係を築いている国で、両国の医療協力計画はすでに長い実績があり、豊かな成果をあげているという。
李報道官は、台湾は国際社会における積極的で建設的なメンバーとして各国と共に全人類の健康増進に関心を寄せ、努力していく用意があると指摘、今後も人権と健康という普遍的な価値の原則を保ち、友好国の医療水準向上に協力していくと述べた。李報道官はまた、中華民国(台湾)は理念の近い国々とも、医療支援や人道援助、国際的な感染症対策など地球規模での課題の上で協力を深め、「健康に国境はない」という目標の実現を目指していくと語った。
オーストラリアのメディア、Fairfax Mediaは、台湾は1951年に国連で採択された難民条約のメンバーではないと指摘しているが、オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の報道官は、「台湾はずっと、世界でトップレベルの病院と医療技術を持つと認められている」と述べている。
Taiwan Today:2018年6月25日
写真提供:外交部
ナウルで治療を受けられない難民のために台湾が優れた医療サービスを提供していることにオーストラリアが感謝。外交部は、WHO(世界保健機関)の「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の理念に呼応するため、台湾は国際医療分野での貢献を深めようと努力していると説明している。