原住民族委員会、『台湾原住民族部落辞典』を出版

　台湾の先住民族事務を担う原住民族委員会はこのほど、『台湾原住民族部落辞典』を出版した。原住民族委員会が正式に認定、且つ公告する先住民族集落746ヶ所についての情報を一冊にまとめた実用図書となる。

　台湾の先住民族にとって「集落（=中国語では「部落」）」とは、先住民族の自治を進める上で重要な基盤となるもの。先住民族集落の健全で自主的な発展を促進するため、原住民族委員会は2010年から2016年に至るまで、集落の認定と踏査を積極的に進めてきた。現時点までに合計746ヶ所の先住民族集落を正式に認定し、先住民族による自治推進の重要な基盤を徐々に構築してきた。

　このほど出版した『台湾原住民族部落辞典』は、先住民族集落の範囲、分布図などを詳細に描き、集落の現状とその歴史や沿革を完全収録している。また、重要な機関、社会組織、特色ある産業も紹介。集落の移転、重大事件、祭事や儀式などの内容にも触れている。また、行政区間、民族、言語、集落の中国語名、集落の民族名など5つの検索方法が選べ、読者が検索しやすい構成になっている。

　原住民族委員会によると、『台湾原住民族部落辞典』は先住民族の居住地域について、「鄰」や「里」などの末端の行政単位レベルで範囲を示しているほか、郷、村、里ごとの林班（森林区画の単位）と先住民族の保留地の面積を記録している。その上で、これに原住民族委員会が作成した人口統計、集落踏査などの基本統計を結びつけ、誰もが先住民族集落について全方位的に理解できるようにしている。これは先住民族集落の調整と認定を大きく助け、集落の自治と文化や伝統の保存への取り組みを前進させるものになる。また、この辞典には各集落の位置座標が掲載されていることから、山地などで人命救助や行方不明者の捜索が必要になった場合、いままでよりもより正確且つスピーディーに集落の位置を把握し、救助救命の効果を高めることができると期待されている。

Taiwan Today：２０１８年７月１３日

写真提供：原住民族委員会
　台湾の先住民族事務を担う原住民族委員会はこのほど、『台湾原住民族部落辞典』を出版した。原住民族委員会が正式に認定、且つ公告する先住民族集落746ヶ所についての情報を一冊にまとめた実用図書となる。写真はその表紙。

原住民族委員会、『台湾原住民族部落辞典』を出版

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