オーストロネシア語族フォーラム、台湾が執行委員会主席に

　台湾の「原住民族日（先住民族の日）」である8月1日、過去10年間開催が見合わされてきた「オーストロネシア語族フォーラム」が台湾北部・台北市内のホテルで開幕した。開幕セレモニー後、フォーラムの会員であるキリバス、マーシャル諸島、ソロモン諸島、ナウル、ツバル、パラオ、ニュージーランド、フィリピン、マレーシア、インドネシア、グアム、ハワイ、そして台湾の代表が円卓会議を行った。

　中華民国政府で先住民族政策を担う「原住民族委員会（先住民族委員会）」によれば、この会議では同フォーラムの定款に基づき、同フォーラムの最高意思決定機関である執行委員会の主席に台湾の代表、「原住民族委員会」の夷将・抜路児（Icyang・Parod）主任委員（大臣）を選出。会議ではまた、定款の変更に関する議論、並びに将来の作業計画についての話し合いが行われた。

　夷将・抜路児主任委員はプレスリリースで、定款の主な変更内容はフォーラムの目標に「持続可能な文化（Cultural Sustainability）」を追加、最初の作業項目に伝統的な知恵の保存と運用、言語面での交流と協力、土地に関する交流を加えたことだと説明した。

　円卓会議でのもう一つの重点は将来の作業計画に関する議論で、2019年の本部と事務局の設置、言語文化交流並びに青年と女性の能力向上の推進などが決まった。具体的な作業としては、博物館交流、オーストロネシア語族のアーティストたちによる合同展覧会、オーストロネシア語族の女性の技術工芸研修、国際業務に携わる若い人材の育成などが挙げられる。

　「オーストロネシア語族フォーラム」はオーストロネシア語族の文化交流プラットフォーム。2002年に開かれた「オーストロネシア語族リーダー会議」で、台湾はオーストロネシア語族の12カ国・地域と共に、「オーストロネシア語族リーダーによる台北宣言」に署名した。

Taiwan Today：２０１８年８月２日

写真提供：中央社
「オーストロネシア語族フォーラム」が1日に台北で開幕。開幕式には蔡英文総統（中央）、呉釗燮外交部長（左から2人目）らも駆けつけた。左から3人目は同フォーラムの執行委員会主席に選ばれた、「原住民族委員会」の夷将・抜路児（Icyang・Parod）主任委員。左から4人目はマーシャル諸島のヒルダ・ハイネ大統領。