第73回国連総会、国交樹立国が台湾のために発言
第73回国連総会で25日より、各国代表による一般討論演説(General Debate)が始まった。今年の一般討論演説は10月1日まで行われる。初日は、中華民国(台湾)の国交樹立国であるグアテマラ、パラグアイ、マーシャル諸島の代表が一般討論演説を行った。
南米パラグアイは、今年8月に就任したマリオ・アブド・ベニテス(Mario Abdo Benitez)大統領が演説の後半で台湾に言及した。アブド・ベニテス大統領はスペイン語で「わが国は、国連のシステムに参与したいという台湾の正当な要求を支持する。この国は、国連の取り組みに対して、大きな貢献ができるものと信じている。これはすべて、この組織(国連)の普遍的原則に基づくものである」と述べた。
太平洋に浮かぶ島国であるマーシャル諸島のヒルダ・ハイネ(Hilda C. Heine)大統領は約18分間に及ぶ演説の最終部分で、約1分30秒もの時間を台湾に関する発言に割いた。ヒルダ・ハイネ大統領は「台湾住民は平等に扱われる価値がある。しかし、台湾住民2,300万人は国連のシステムから排除されている。国連はこの深刻な問題を解決すべきである。我々は、国連第2758号決議(=中国の国連代表権問題に関して行われた、いわゆるアルバニア決議のこと)はこの問題を処理していないと考えている」と述べた。
ヒルダ・ハイネ大統領はさらに、マーシャル諸島は国連システム、つまり国連が推進するプロジェクトや国連に属する専門機関、具体的にはICAO (国際民間航空機関)、世界保健機関(WHO)、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)などに、台湾が意義のある参加ができるよう支持すると述べた。また、台湾は現在、国連が推進する「持続可能な開発目標(SDGs)」の実現を目指し、その取り組みの成果などを盛り込んだ「自発的国別レビュー(Voluntary National Review)」を発表しており、国連が展開する一連の国際発展関連のプロジェクトに貢献する能力を有していると強調した。
ヒルダ・ハイネ大統領はまた感染症予防を例として挙げ、肺結核などの疾病に国境はなく、台湾の政策と感染症予防の枠組みは、他国の取り組みともリンクしていると指摘。さらには、「台湾はわが国にとって非感染性疾患(NCDs)対策における主要なパートナーであり、マーシャル諸島において非感染性疾患はすでに深刻な問題となっている。台湾の参与を阻止することは、全人類の幸福にとって全く利益にならないことである」と主張した。
なお、グアテマラのジミー・モラレス(Jimmy Morales)大統領は過去2年と同様、一般討論演説で台湾について言及しなかった。
2日目となるきょう(26日)は39カ国の代表が一般討論演説を行う。その中には中華民国と国交を持つエスワティニ王国、ホンジュラス、キリバス、ナウル、パラオの5か国が含まれている。
Taiwan Today:2018年9月26日
写真提供:国連サイトより
第73回国連総会で25日より、各国代表による一般討論演説(General Debate)が始まった。初日は、中華民国(台湾)の国交樹立国であるグアテマラ、パラグアイ、マーシャル諸島の代表が一般討論演説を行った。写真左はパラグアイのマリオ・アブド・ベニテス大統領、右はマーシャル諸島のヒルダ・ハイネ大統領。