国境なき記者団台湾オフィス設置から2年、台湾の2団体と協力協定
言論・報道の自由を主張する国際ジャーナリスト組織、「国境なき記者団」(RSF)は2017年4月1日に台湾に東アジア事務所(台北事務所)を設置。今年で2年となることから、RSFは25日午後、台北社会創新実験中心(SOCIAL INNOVATION LAB、台湾北部・台北市)で新春茶話会を開くと共に、財団法人台湾媒体観察教育基金会(TAIWAN MEDIA WATCH)、台湾新聞記者協会(ASSOCIATION OF TAIWAN JOURNALISTS)と協力協定を締結した。
RSF東アジア事務所のCédric Alviani執行長は席上、台湾に東アジア事務所を開設してアジア初の支部にすると宣言してから2年、「(開設は)極めて賢明な決定だったと思う」と述べた。同執行長は2年前に事務所を設置するのに台湾を選んだ理由について、「アジアの中心だという地理的要因と優れたインフラ及び高度なサービスのレベルの他、RSFの報道の自由度ランキングで台湾が常にアジアトップだったからだ」と説明。RSFが昨年発表した世界報道の自由度ランキングで台湾は42位。アジアではトップとなっている
Cédric Alviani執行長はしかし、台湾におけるメディアの多くが従来型の報道機関であることを指摘、より多く、より新しい小規模なメディアがあればそれは台湾における報道の自由により大きく貢献するだろうとの見方を示した。また、台湾の公共メディアにはより多くの資源が与えられるべきで、そうしてこそ公共メディアがバランスを取る役目を果たせるように出来、社会をより良質な公共の議論へと導くことが可能になると主張した。
Cédric Alviani執行長は、「(フェイクニュースなどの)挑戦に向き合い、RSFは常に台湾と共にある」と強調、RSFはまもなく台湾の組織としての登記を行い、地元のパートナーとのより踏み込んだ協力関係を構築していくと説明した。その上で同執行長は、台湾をアジアの手本のみならず世界の模範としていけるよう希望した。
RSFは4月18日に今年度の世界報道の自由度ランキングを発表する予定で、RSF東アジア事務所が香港で東アジア地区としての記者会見を開催する。Cédric Alviani執行長によれば、RSFは毎年異なる国・地域で報道の自由度指数を発表している。昨年、韓国のソウルで発表した理由は、韓国が報道の自由度で大きな進展を見せたから。そして今年、香港を選んだのは香港の環境が過去1年で非常に大きく変化しているからだということ。
RSFは、米ニューヨークでの国連総会やスイス・ジュネーブでのWHO(世界保健機関)年次総会などに対する台湾の新聞記者及びメディアの取材を認めるよう国連に呼びかけている。本部をフランスのパリに置くRSFは30年を超える歴史を持ち、14カ国に地区事務所を設置。事務所が設置されているのはドイツのベルリン、ベルギーのブリュッセル、バングラデシュのダッカ、スイスのジュネーブ、フィンランドのヘルシンキ、イギリスのロンドン、スペインのマドリード、ブラジルのリオデジャネイロ、スウェーデンのストックホルム、米国のサンフランシスコ、中華民国(台湾)の台北、チュニジア、オーストリアのウィーン、米国のワシントン。
Taiwan Today:2019年2月26日
写真提供:中央社
国際ジャーナリスト組織、「国境なき記者団」が台湾に東アジア事務所を設置して今年で2年。25日には台湾媒体観察教育基金会、台湾新聞記者協会と協力協定を締結した。左から台湾媒体観察教育基金会の頼鼎銘董事長(理事長)、RSF台北事務所のCédric Alviani執行長、台湾新聞記者協会の陳益能秘書長(事務局長)。