アジアのバイオテクノロジー見本市、「SPARK Taiwan」からも21チームが参加
バイオ医薬品・新薬開発、ジェネリック医薬品などの国際的な見本市である「亜洲生技大会」(Bio ASIA -Taiwan Exhibition 2019)が7月25日から28日まで台湾北部の台北市内で開催されている。同見本市が台湾で開かれるのは初めて。
米スタンフォード大学のDaria Mochly-Rosen教授らは2006年より薬物の基礎的研究と開発を医学に応用するカリキュラムを開設し、「スタンフォードSPARK計画」を推進している。2013年、中華民国政府は国内のバイオテクノロジーと医薬品産業の発展を助けるために同モデルを導入することにし、財団法人国家実験研究院(NARLabs、国研院)に委託して「台湾生医与医材転訳加値人材培育計画」(SPARK Taiwan)プロジェクトを立ち上げた。
「SPARK Taiwan」は医薬品や医療器材の開発を志す、もしくはすでに研究成果を上げていながら商品化の概念に欠ける研究者に対し、技術移転や医療法規、知的財産、交渉、マーケティング、ビジネス計画など、製品開発に求められる様々な訓練を施すことで、バイオテクノロジーに関する人材の育成を学術と研究の世界から底辺へと広げようというもの。
台湾の「SPARK Taiwan」は今年2月、「スタンフォードSPARK計画」の取り組みが世界に広がった「SPARK Global」による招きに応じて加入。拠点の一つとなり、今月23日には「2019 SPARK 亜太展演盛会」(SPARK Asia showcase)を行った。
「SPARK Asia showcase」には台湾、オーストラリア、シンガポール、韓国からバイオテクノロジーや医療器材に関するチームが12組参加してそれぞれの研究成果を共有。研究分野は子宮体癌検査、口腔癌検査、膀胱癌の免疫細胞療法、禁煙に向けたIoT(モノのインターネット)の応用、設計やAI(人工知能)を使った聴力の強化など多岐にわたった。こうした展示や紹介を通じてバイオテクノロジーと医薬品に関するスタートアップの交流を促すと同時に、投資家と研究チームとの接触を後押ししてより多くの協力とビジネスチャンスにつなげていく。
「SPARK Taiwan」は2013年から執行されており、これまでにバイオテクノロジーや医薬品のグループを200以上支援、スタートアップ29社の創設と13件の技術移転に成功している。また、41チームの研究成果がすでに臨床試験に進んでいるほか、25のチームはほかの大型プロジェクトに加わっている。
今年の「亜洲生技大会」(Bio ASIA -Taiwan Exhibition 2019)にも台湾の「SPARK Taiwan」は積極的に参加、6つの大学から21チームが各自の研究成果を披露することになっている。
Taiwan Today:2019年7月25日
写真提供:聯合報、陳雨鑫撮影
バイオ医薬品・新薬開発などの国際的な見本市である「亜洲生技大会」(Bio ASIA -Taiwan Exhibition 2019)が7月25日から28日まで台湾北部の台北市内で開催されている。写真は25日の開幕式に出席した蔡英文総統(左から2人目)。