東京国際映画祭、3年ぶりに台湾映画特集の開催決定

　10月31日から始まる「第33回東京国際映画祭」のラインナップ発表記者会見が29日に開催され、各国の出品作、イベント、審査委員などが紹介された。台湾は3年ぶりに台湾映画の特集上映「台湾電影ルネッサンス」を開催する。「台湾電影ルネッサンス」は、世界各国・地域の話題作や日本未公開の新作などを取り上げた「ワールドフォーカス」部門における特集上映。上映作に選ばれたのは、張耀升（チャン・ヤオシェン）監督の「腿（邦題：足を探して）」、許承傑（シュー・チェンチエ）監督、日本でもおなじみのビビアン・スーさんがプロデュース・出演している「孤味（邦題：弱くて強い女たち）」、顔邵璇（ソフィア・イェン）監督の「同愛一家（邦題：愛で家族に〜同性婚への道のり）」、陳永錤監督の「悪之画（邦題：悪の絵）」の4作品。

　文化部の日本事務所に相当する台北駐日経済文化代表処台湾文化センターによると、台湾の新作映画を積極的に世界へ発信できるよう支援するため、東京国際映画祭との提携による台湾映画の上映特集の場を獲得し、台湾電影ルネッサンスの開催に至ったという。新型コロナウイルスの影響で、台湾の映画監督らが日本を訪れるのは困難とみられるが、「台湾電影ルネッサンス2020」を開催することで、東京国際映画祭において台湾文化のソフトパワーを世界に発信する狙いだ。コロナ禍によって、各国の大規模映画祭が延期や中止に追い込まれている中、「台湾電影ルネッサンス2020」は大きな注目を集めることが期待される。

　新型コロナウイルス感染症による被害は依然として拡大が続いており、世界的に有名な映画祭もオンライン方式での実施を余儀なくされている。東京国際映画祭はそのような危機に直面しながらも「映画を映画館で上映する」という姿勢を変えず、10月31日から11月9日まで、東京・六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷などで開催することを決定した。今回のイベントが映画業界の未来へ希望の光を灯せるよう期待が持たれる。それと同時に、新型コロナウイルス感染症に対する対策として、上映数や集客数を減らすなどの規模の縮小、一部のシンポジウムやゲストによるトークイベントにおいてオンラインの活用などを行う。また、世界各国の新作がグランプリを競う従来のコンペが初めて中止となり、観客の投票によって決定する「観客賞」が設けられる。観客賞は、「TOKYOプレミア2020」部門の全作品が対象となっており、どの作品が観客から最も多くの票を得るかに今から注目が集まっている。

Taiwan Today：２０２０年９月３０日

写真提供：威視電影提供、中央社
　第33回東京国際映画祭では3年ぶりに台湾映画特集「台湾電影ルネッサンス」が開催、台湾の新作映画4作品が上映される。写真はビビアン・スーがプロデュース兼主演を務めた上映作品の「孤味」の一コマ。