蔡英文総統、チェコの「フォーラム2000」でビデオ演説
蔡英文総統は台湾時間12日午後8時、チェコ共和国の「Forum 2000 Foundation」の招きを受けて「フォーラム2000」のリモート開会式に参加し、ビデオ演説を行った。蔡総統は、人類史上最大の脅威となる新型コロナウイルス(COVID-19)に直面する中、いかに民主的な制度と生活を守るかが肝要となっていると指摘した。蔡総統の演説の概要は以下のとおり。
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チェコ共和国のミロシュ・ビストルチル(Miloš Vystrčil)上院議長が極めて強いプレッシャーを受けながらも、万難を排して9月に台湾を訪れたことに対し、改めて感謝したい。
世界各国は今年、莫大な資源とエネルギーを注いで新型コロナウイルスと闘い、経済の衰退を食い止めようとしている。しかし、我々が新型コロナウイルスの封じ込めに全力を注ぐ中、科学技術を駆使して人民の行動を監視・制御し、防疫物資を把持し、情報や言論の自由を制限している政権がある。我々は、その拡張主義が規範を基礎とする国際秩序をどのようにむしばみ、国境衝突を招き、自由や人権を軽視しているかを目の当たりにしてきた。
台湾とチェコは同じ価値を共有する協力パートナーだ。我々は自由、平等、透明性、人権、善良な統治を強く信じており、また似たような政治発展を経験してきた。その国民はいずれも勇敢で強く、集権的な政治システムによる暴力に対抗してきた。我々の先人たちはいずれも、勇気をもって民主主義と正義を追い求め、後世を強く感化した。
こうした共通点が私にとって、今回の「フォーラム2000」への参加に特別な意味を持たせている。1996年、チェコのヴァーツラフ・ハヴェル(Václav Havel)元大統領が立ち上げた「Forum 2000 Foundation」は、公民社会の発展に協力し、宗教、文化、種族への包容を奨励し、世界の指導者、思想家、勇者に民主主義関連の重大な議題を公開議論するためのプラットフォームを提供してきた。
過去数年間、台湾は代表団を派遣して会議に参加してきた。これは台湾とチェコのパートナーシップの重要性を象徴している。台湾とチェコは経済分野で20年余り協力している。チェコにとって台湾は第4の投資国で、その投資額は中華人民共和国を超えている。
ビストルチル議長の台湾訪問期間、台湾とチェコは3つの備忘録に調印した。双方は人工知能(AI)、通信、電信、医療サービス分野でさらに協力を深めることで一致した。2021年からは台湾が定員50人分の奨学金を提供し、チェコの学生による台湾留学を奨励することになっている。教育交流を通して互いの理解を深め、より多くの協力の機会を模索したいと考えている。
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「Forum 2000 Foundation」は1996年、チェコのヴァーツラフ・ハヴェル元大統領、ノーベル平和賞受賞者で作家のエリー・ウィーゼル氏、日本財団会長の笹川陽平氏の提唱によって設立された。グローバルな民主主義の祭典であり、プラハで行われる毎年恒例の重要イベントとなっている。
Taiwan Today:2020年10月14日
写真提供:総統府
蔡英文総統(写真)は台湾時間12日午後8時、チェコ共和国の「Forum 2000 Foundation」の招きを受けて「フォーラム2000」のリモート開会式に参加し、ビデオ演説を行った。