宜蘭産、一年一作の良質のコメが日本へ

　台湾北東部・宜蘭県は北東から吹く季節風の影響で、一期作のみコメ作りを行い、二期作目は土地を休ませ、コメ作りに最良の環境を作っている。宜蘭県五結郷農会（=農協）は、こうした一年一作の良質のコメを日本に輸出することになった。日本が実施する611項目に上る残留農薬等の検査をクリアした第一陣が9日、コンテナに詰め込まれた。年末までにまず400トン、年が明けてからさらに1,200トンを順次出荷する。日本への輸出は、宜蘭産のコメの美味しさ、精米技術、食の安全と品質が評価されたことを意味する。

　行政院農業委員会農糧署によると、五結郷農会は地元の農家が良質で安全なコメを生産できるよう指導するため、生産過程において施肥や農薬の使用を厳しく管理したほか、収穫したイネを農会がまとめて乾燥・低温貯蔵することで、コメの鮮度と品質を維持してきた。宜蘭産米の対日輸出が成功したことは、安全な農業を目指す台湾の政策と成果が評価されたことを意味する。また、今後の台湾農産品の海外市場開拓にも大きな励みとなる。

　国際市場における競争が激化する中、農糧署は近年、台湾の精米業者に対し、精米工場の環境衛生の改善と、加工品質の向上、ひいては台湾の国産米産業のレベルアップを促すよう、積極的に奨励してきた。五結郷農会はCAS良質米類の工場であり、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格「ISO22000」やHACCP（危害要因分析重要管理点）、生産履歴など多数の認証を取得している。また、「稲米産銷契作集団産区」を設置しており、その最新設備や精米技術はいずれも日本のバイヤーが求める品質の要求をクリアしている。農糧署は今後も業者に対する改善指導を行い、日本を含む高品質市場からの受注獲得を目指す考え。

Taiwan Today：２０２０年１１月１０日

写真提供：行政院農業委員会農糧署
　宜蘭県五結郷農会（=農協）は9日、日本が実施する611項目に上る残留農薬等の検査をクリアした第一陣のコメを日本に向けて出荷した。年末までにまず400トン、年が明けてからさらに1,200トンを順次出荷する。