陳前副総統がリトアニアでのフォーラムで講演、台湾の民主の価値と強靭性を紹介

　陳建仁前副総統が11月19日と20日、リトアニア外務省の招きに応じて同国首都ビリニュスで開かれた「民主の未来－全体主義に対抗するハイレベルフォーラム」に出席、20日には昼食に伴う講演会において、ゲストとして「Taiwan as a Litmus Case for Democracy（民主の試金石としての台湾）」の演題で講演した。陳前副総統は同講演で、台湾の持つ民主化の経験と成果を国際社会に向けて紹介すると共に、民主主義国家が団結し、連携してこの理念と価値を守っていくよう呼びかけた。

　講演の中で陳前副総統は、リトアニアを「自由民主の先駆者」とし、32年前にバルト海で実現したバルト三国（リトアニア・ラトビア・エストニア。当時はソビエト連邦の統治下にあった）の「人間の鎖」がソ連の「鉄のカーテン」を揺るがしたのだと称賛した。

　その上で陳前副総統は、台湾もインド太平洋地域における民主の堡塁だと強調、新型コロナウイルスが世界に広がる中、四つの面で民主の価値と強靭性を高度に示してみせたと胸を張った。この四つの面とは、①科学技術を民主の精神と結び付けてコロナ封じ込めに成功したこと、②ハイテクの戦略産業の面で理念の近い国々と連携し、グローバルなサプライチェーンの強靭性を高めたこと、③政府の迅速で透明な情報発信がフェイクニュースの浸透を効果的に防いだこと、④全国民の複合的な脅威に対処する経験が豊富だったこと。陳前副総統は、権威主義による拡張と脅威にさらされたとしても、台湾は引き続き自由で民主的な生活方式を堅持し、地域の安定と世界の繁栄のため積極的に貢献していくと表明した。

　陳前副総統は、権威主義に対抗する上で台湾の経験とやり方はまさに民主の試金石だとした上で、台湾やオーストラリア、リトアニアなど民主のパートナーが権威主義国家による政治的・経済的脅迫を受けた際に国際社会が具体的な行動で台湾などを強くサポートし、脅しを成功させなかったことに感謝した。

Taiwan Today：２０２１年１１月２２日

写真提供：外交部
　陳建仁前副総統がリトアニアの首都ビリニュスで開かれたフォーラムに出席、20日には「Taiwan as a Litmus Case for Democracy（民主の試金石としての台湾）」の演題で講演した。写真は講演する陳前副総統。