謝長廷・駐日代表が日華議員懇談会総会に出席、蔡英文総統と安倍晋三・元首相がリモート対談

日華議員懇談会2022年度基本方針を古屋圭司・日華議員懇談会会長/衆議院議員（左）から謝長廷・駐日代表（右）に手交

　台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表は3月22日、「日華議員懇談会」（以下、日華懇）の年次総会に出席した。このなかで、古屋圭司・日華懇会長/衆議院議員が同総会で可決された「2022年度基本方針」決議文を謝・駐日代表に手交した。同決議文では、台湾海峡の平和と安定の重要性が強調され、台湾の「世界保健機関」（WHO）をはじめとする国際機関への参加、CPTPP加入への支持などが改めて表明された。

　謝・駐日代表は挨拶のなかで、まず3月16日に福島県沖で発生した強い地震に対するお見舞いの意を表し、令和の時代に入って以来、全世界が新型コロナウイルスのパンデミック、天災、戦争といった問題に直面しており、このようなときだからこそ、信頼できるパートナー、頼れる友人が極めて重要であると述べた。そのうえで、台湾と日本は極めて重要なパートナーかつ友人であり、自然災害およびパンデミックの問題に直面した際に、いずれも互いに力を合わせて難局を乗り越えてきた双方の友情を大切にしなければならないと強調した。

　謝・駐日代表は、ロシアによるウクライナ侵略に対して、武力による一方的な現状変更は決して許されないと指摘し、「台湾も他人事ではない。ウクライナを全力で支持し、世界の民主主義社会の一員としての責任を果たしていきたい」と述べ、今後台湾が引き続き、日本や米国などの理念の近い国々と手を携えて協力し、台湾海峡の平和と安定を守り、「開かれたインド太平洋」（FOIP）の実現を共に実現していきたいと強調し、引き続き日本の支持が得られるよう呼びかけた。

日華議員懇談会年次総会で東京の安倍晋三・元首相（スクリーン上）と台湾の蔡英文総統（下）がリモート対談し、台日関係および最近の国際情勢について意見交換した

　同総会には、台湾から蔡英文総統がオンラインで出席し、挨拶を述べ、安倍晋三・元首相と対談し、台日関係、地域および国際情勢などについて意見交換した。蔡総統は安倍元首相ならびに日華懇の長年にわたる台湾に対する友好に感謝の意を表し、引き続き台湾のCPTPP加入を含む台湾の国際参加に対する日本側の支持を呼びかけ、安倍元首相の随時訪台を歓迎する意向を伝えた。

　同総会では謝・駐日代表は当代表処幹部および日華懇の国会議員らとの交流が和やかに行われた。謝・駐日代表は国会議員らに台湾パイナップルケーキを贈り、台日関係のさらなる発展を期待した。

オンラインで蔡英文総統（スクリーン）に挨拶する古屋圭司・日華懇会長（右）

《２０２２年３月２３日》