「2022 日台量子先端科学技術研究開発ワークショップ」が開催、台日間の量子技術専門分野交流・普及教育を結合
写真前列左より、鄒幼涵・駐日代表処顧問、宝野和博NIMS(日本物質・材料研究機構)理事長、大野英男・東北大学総長、謝長廷・駐日代表、赤間次彦・仙台市議会議長、西沢啓文・仙台市議会日台議員連盟会長、高島秀一・仙台市役所文化観光局次長
台北駐日経済文化代表処(駐日代表処)科学技術部と日本の東北大学は11月25日、「2022日台量子先端科学技術研究開発ワークショップ」(Japan-Taiwan Advanced Quantum Technology Reseach and Development Workshop)を日本物質・材料研究機構(NIMS)、大阪大学、台湾の国立成功大学などと共同開催した。同ワークショップでは、日本と台湾の量子テクノロジー分野の産業界、学術界の専門家を招き、量子テクノロジー分野の発展の現況と今後の見通しについて紹介するとともに、この先端技術のテーマが各界の専門家と研究者の参加を促進し、専門分野交流と科学技術普及教育の役割を果たした。
2022日台量子先端科学技術研究開発ワークショップの会場
量子テクノロジーは、今世紀の科学技術開発における極めて重要なテーマであり、台湾では先を見据えた重点テクノロジー開発項目の一つとして、省庁および各界の枠組みを超越した量子ナショナルチームを創設した。今後各界の強みを合わせて、国際社会により一層多くの科学技術の研究開発成果と応用価値がもたらされることが期待されている。
同ワークショップは、駐日代表処科学技術部が主催し、国家科学・技術委員会および駐日代表処の指導、台湾文化センターと台湾観光局の賛助、並びに東北大学との共同開催で、リアル会場を東北大学に設けて開催された。大会では、謝長廷・駐日代表が開幕の辞を述べ、高島秀一・仙台市文化観光局次長(郡和子・仙台市長の代理)、大野英男・東北大学総長、宝野和博・NIMS理事長、河原源太・大阪大学副学長、蘇慧貞・国立成功大学校長ら来賓が挨拶した。
同ワークショップでは鄒幼涵・駐日代表処顧問、高木敏行・東北大学教授、王永和・国立成功大学教授、中山知信・NIMS部門長、北川勝浩・大阪大学教授らが共同企画者を務めた。基調講演は台湾大学-IBM量子研究センターの責任者を務める張慶瑞・中原大学/台湾大学教授が、台湾における量子新世代へのプランと量子技術開発の未来の展望を紹介した。IBMは世界で早くから量子分野の研究開発を進めてきた企業であり、日本IBMの森本典繁・最高技術責任者/常務執行役員を講師に招き、IBMの加速する量子計算、量子コンピューター産業について実例から政府、学術界、産業界の三者の不可分な関係による発展事例を紹介した。
ワークショップの主要テーマは、量子情報通信(Quantum Communication and Information)、量子計算(Quantum Computing)、量子マテリアル(Quantum Material)が含まれ、山本俊・大阪大学教授、高木敏行・東北大学教授、中山知信・NIMS部門長らがモデレーターを務め、谷口尚・NIMS国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)理事長特別補佐、小塚裕介・研究員、大関真之・東北大学教授、Hasitha Muthumala Waidyasooriya東北大学准教授、山下太郎・東北大学教授、山本俊・大阪大学教授、御手洗光祐・大阪大学助教、東浩司・NTT研究員、三木茂人・情報通信研究機構(NICT)主任研究員、陳岳男・国立成功大学教授、陳則銘・国立成功大学教授、高国興・国立成功大学副教授ら量子テクノロジーを研究する専門家を講師に迎え、先端技術開発と分野を超えた研究の動向について解説した。
台湾は五か年国家計画および量子ナショナルチームの創設により、台湾の優位性と得意分野を活用し、半導体連携計画プロジェクトと人材養成計画を結合するなど、相乗効果と付加価値のある研究技術にフォーカスを当て、最適な切り口を見つけ出し、さらに多くの国際連携のチャンスを創出しようとしている。中でも新興産業の技術者育成や、各界の研究力の結集などは極めて重要な課題といえる。
写真左より、鄒幼涵・駐日代表処顧問、謝長廷・駐日代表、張慶瑞・中原大学/台湾大学教授
同ワークショップは、台湾と日本の専門家、駐日代表処科学技術部、並びに出席者らとの対話の場となり、今後も同じ志を持ち、同じ道を進む連携機関と共に努力を続け、新しい知見を分かち合い、交流するワークショップを開催し、より一層多くの台日連携協力のチャンスを創出していく。
写真左より、謝長廷・駐日代表(中央)と成功大学の高国興・副教授(左1)、陳岳男教授(左2)、王永和教授(右2)、陳則銘教授(右1)
《2022年11月28日》